表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
藍理集  作者: 藍理
9/33

空気に書かれた「好き」の文字

空気に書かれた「好きだ」の文字。

私は、ワザと気付かないふりをした。

だって、勘違いしたくないから。もし違ってたらって考えたら、恥ずかしい。

ただの自惚れになってしまう。


雄太ゆうた本当に、好きだって書いたのかな。

一応、聞いてみた。


「え、ねぇなんて書いたの!?」

「んー、さぁ」

「最後が、「た」だった気がするんだけど!」

「あーー、間違ってはないね。うん、間違ってはない。うん。」

「ホントわかんない!頼む!もう一回!」

「仕方ねぇなぁ」


す • き • だ


やっぱり。

でもなんで?今なの?驚き。


「き、ただな!」

「アホか!お前は!」

「すっすみまぁせんです」

「まぁ、あいにはわかんないよねぇ。頭に浮かんだ言葉、そのまま言ってみただけだし。あんま考えなくていいよ。」

「え、やだ。あのね、私はそうゆうのすごい気にする人なんよ!」

「ん〜。全く。最初の文字は?わかった?」

「す?」

「はい、次は?」

「き...」

「うんうん。はい次は?」

「た!」

「アホか!目も悪いのか!悪いか。メガネしてるもんね。そりゃしょうがねぇな。」

「そんなことない!ちゃんとわかる!みえる!」

「俺、部活行かないといけないんだけど?」

「あぁ、そっかそっか。ごめんね」

「そんなに、知りたい?」

「いっいや!べっ別に言いたくないんだったらいいけど...」

「じゃあ、最後の「た」に濁点を付けるとどうなる?」

「だ」

「それをさ、繋げて言ってみてよ。俺は部活行ってくる。じゃあな!」

「え!うん、バイバイ!えぇと...」


す • き • だ


本当に、好きだって!?

生まれて初めて告白された。

心臓がバクバク。雄太のことしか考えられない。確かに、毎時間、休み時間は話してるし、居なくなったら嫌な人だし。

でも、自分はまだわからない。

雄太が好きかどうか、わからない。

なんなんだろう、こんな気持ち初めてなんだけど。


こんな気持ち、初めてなんですけど!!!?

どうすれば良いんですかっ!

どんな反応すればいいのかな。

これから、どう話せば良いんだろう。

全てが初めてで、わからない。



こんなシチュエーション、あったらいいな。


お読み頂きありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ