私の名前を呼んでくれた。
この止まらない、ドキドキはなに?
奏くんが私に微笑みかけてくれる度に、胸がキュンって苦しくなる。
触れてくると、熱くなる。
この気持ちは、なんなの?
知らない、初めてだ。
「梓この気持ちはなんなんだろう。」
「え?w」
「毎日、すごいドキドキするの。」
「ドキドキってw例えば...どんな時?」
「奏くんと話してる時とか」
「え...奏...か。あー、はいはい。恋理。」
「.....ん?」
「この梓様が、教えて差し上げよう。」
「お、お願いしまっす」
「それは〜...」
「うんうん」
「ズバリ〜...」
「んだよ。」
「『恋』デース!」
恋?
「恋?って?」
「え、もしかして、恋理初恋なの?」
「う、うん?」
「えぇ...お前の字にある恋なのにぃ。」
と言われましても。
でも、ドキドキはそう。ずっと、ずっと
「おい、双葉」
この声は...
「な、なに?奏くん」
奏くんだ‼︎
「お前さ、奏くん、くんってつけんのやめろよ!」
「だって、そんなに簡単じゃないの!」
「んじゃ、約束。絶対、俺のこと呼び捨てで呼べよ?でもまぁ、呼べる時で構わないけど。」
「できたらねぇ〜。」
「できたらねぇ〜。じゃねぇんだよ!するんだ!」
「わかった!わかったわかった!はい!」
「なんだお前〜」
こんなたわいもない話ばっかり。
でも、こんなたわいもない話をしていく度にどんどんと、胸が高鳴るんだ。
もっと話したい。
「梓ちゃん、見ちゃったぞお」
「ぅわ!なんだよ梓!」
「恋理、めちゃくちゃ仲良いじゃない」
「そう?」
「うん、相当好きなんだねぇ〜」
「すっ好き!?そんなことない!」
全く、梓は変なことを言う。
でも。このドキドキは好きってことなのかな。これが、恋?片想い?
梓には全て悟られる。逃げよ...
「本当、相当好きなんだ〜。
お互いに。
よかったね、恋理」
_____________
「違うって!」
「お前〜隠してんなって!」
「好きなんだろ?」
「んーー」
「否定しないってことはそうだ!」
「あ”ぁ‼︎まだ答え言ってねぇだろ!」
「いやいやいや、奏くん」
「いやいやいや、もうわかってっから。双葉が好きなんだろうがい〜」
「お前ら....クッソムカつくな‼︎‼︎」
「「え、事実でしょ?」」
「....まぁな。」
「ほーーーーーらーーーーー!」
「双葉ーーーーーーふたば様はいませんかぁぁっああ」
「テメェラ、るせぇ!!!」
「ねぇ、奏、」
「お、なんだ?梓」
「告んないの?」
「お前も言うのか。しねぇよ。」
「えぇ、今なら恋理100%自分のものにできるのに?」
「どうゆうことだ?」
「さぁ。ってかぁ、宮が恋理のこと好きって言ってたよ〜?ええの?」
「よくないに、決まってるだろぉぉぉぉ!」
「なら、行ってこぉぉぉい!」
「おうよ!ありがとな!」
「おうよぉぉぉぉ!」
さよなら、私の初恋さん。
仕方ない。
_________
屋上って、いいなぁ。
お日様に当たって、あったかい...
ーバタンッ
「ふわぁ〜あ”ッ!なんだ!」
「双葉!」
「そ、奏くん!?なに、イキナリ!」
「言いたいことがある!好きだ!」
「え、えぇぇえぇぇえ!」
「ごめん、カッコ悪い言い方で。でも、本当に、双葉が好きだ。こんな俺でよければ、付き合って欲しい!」
「う、うん...?」
「え?」
「わ、私も、好きだよ?」
言っちゃった。まだ、ハッキリ好きって認識してなかったのに。でも、いいか。
「私も、好きだ!奏のこと!」
「え、俺の名前…」
「や、約束、でしょ?」
「おう!」
「なら私のことも、恋理って言ってよね。」
「なっ!んなー簡単だ!れ、れれれ」
「ふふふっ言えてないじゃん!言える時でいいよ。その代わり、約束ね?絶対!」
「当然だ!」
「ってか、良いんだね?私みたいなのが、彼女...で」
「え、じゃぁ別れるか?w」
「ごめんなさいごめんなさい、嫌です!好きです!」
「嘘に決まってんだろ!笑笑笑」
私の初恋、良いものになりますように。
………番外編……………
「梓、お前が宮が恋理に告るって言ったから、焦ったぜ…」
「え?梓、宮が恋理のこと好きってしか言ってないんだけど。だれも、宮が告るなんて言ってないんだけど笑」
「え、嘘、だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!」
「よかったね!恋理!付き合えて!」
「うん!」
「マジかーー!奏!お前、やったな〜!」
「ふぉー!奏くんかっちょいい」
「てめぇらうるせぇ!」
はい、恋物語です。
こんなにうまくいければ、なんと楽なことでしょう。
みんなの恋愛が、こんな風になれば苦しくなることもないのにね。
読んで頂きありがとうございました。