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藍理集  作者: 藍理
30/33

今僕が、寝ている間にも時は過ぎている。

よくよく考えてみると、

とても不思議なんだ。

孤独な僕は、いつでもそんなことを考えていた。

ベッドから起き上がり、重たい体を二本の足でやっとのこと支え、立ち、歩き出そうとしているこの瞬間。

あなたは、君は、あの人は、何をしているんだろうか。

勉強してる?仕事してる?

僕がどうでもいい、当たり前なことをしている間にも、世界中では動き出している。


まるで、僕のことを置き去りにして行くように。


時の歯車は、ギシギシと歪んだ音を立てて、絶えず廻り続けている。

見えない何かも動き出している。

前世で死んで、輪廻転生を繰り返し、今いる僕に、君に、あなたに、何ができるのだろうか。

いつしかの、食べかけの黒い林檎は僕達に囁く。


『オマエハ、何ガシタイ?』と。


僕等はわからないでいる。

進んでいく時の中に、学芸会の草の役のように、ただ佇んでいるだけ。

いつしかの、黒い果実を食べ、死んだ姫が言う。


『ワカラナイノナラ、死ンデシマエバイイ』と。


そう言うわけではない。

わざわざ、廻る廻る輪廻の狭間で、僕があなたが、君が、たまたま、偶然選ばれたのだから。

意味があると、僕等は信じているから。


ただ、たまに、見失ってしまう人がいる。意味を探し出すことを、嫌がり、逃げて、自分で自分を殺めてしまう事がある。

だから、死んだ姫に従順な人間もいると言うことだ。


でも、確かに逃げ出したくなる。

苦しくて、辛い今日から逃げ出したくなる。負け犬だと、笑われても構わないから、今さえよければそれでいいからと、考えてしまう時も、確かにある。

それは、人生の通過点であって、何の問題も無いことだ。その時にしか感じることのできない、いつしか忘れてしまう感情は大事にして置かないとね。


長い時間、孤独でいた人は、誰よりも強い。孤独な人程、こう言う感情を抱く人が多い。友人や、家族から愛され、何不自由なく育った人程、抱くことが少ない感情だ。

逃げ出したい今日がある、あった人程強くなれる。

例えば、親に、死んでしまえと言った事があって、自分で後悔することができた人程強くなれる。

負けを知って、後悔を知って、孤独を知っている人は誰よりも強くなれると思う。


あくまでも、これは個人的な考えであって、個々に感じたことや、反感も多いことだろう。

流れていく時の中で、その瞬間の中で、僕が、考えた、たった1000文字ちょっと程度の意見。

読んでくれてありがとう。

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