僕にはこれぐらいが。
君が、今、頑張っているのかもしれない。
そう考えると、何故か僕も頑張れる気がしてやまないんだ。今じゃ出会う前の関係だけど、僕の中では永遠に生き続ける記憶の一つなんだ。
あの頃に戻りたい、それが僕の願い。
到底、叶うはずないけれど、その代わりに、僕は君を追い続ける。
それぐらいだったら、許してもらえるかな。
ごめんね。
たまに、ふと思うんだ。
今、となりに君がいたら、って。
想い出が、どうにもフラッシュバックするもんだから、忘れられないし、いつまでも、その記憶に縋っている。しがみついている。
そんな僕が、僕は嫌いなんだ。
離れられない理由って何なんだ。
僕の心に、君が住み着く理由は何なんだ。
そんなことは、案外簡単なのさ。
ただ、僕だけが、今でも君を好きでいるだけなんだ。
だから、君の好きだった音楽を聴いてしまうんだ。
期待してしまうんだ。
気づかないふりをして生きていた。
終わった関係、出逢う前の僕らに戻っただけなのに、どうしてこんなに辛いんだ。
進んで行く君に、追いつけなくて、止まったまま。縮まりやしないこの距離は、もうそのまんま。変わりっこない。
だからこそ、ちょうどいい。
心の棘を抜けるから。
これぐらいが、丁度良い。
言葉の針を抜けるから。
丁度良いんだ。この気持ちが。
緩まなくてすむから。
これぐらいが、僕には。