表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
藍理集  作者: 藍理
25/33

僕にはこれぐらいが。

君が、今、頑張っているのかもしれない。

そう考えると、何故か僕も頑張れる気がしてやまないんだ。今じゃ出会う前の関係だけど、僕の中では永遠に生き続ける記憶の一つなんだ。

あの頃に戻りたい、それが僕の願い。

到底、叶うはずないけれど、その代わりに、僕は君を追い続ける。

それぐらいだったら、許してもらえるかな。

ごめんね。


たまに、ふと思うんだ。

今、となりに君がいたら、って。

想い出が、どうにもフラッシュバックするもんだから、忘れられないし、いつまでも、その記憶に縋っている。しがみついている。

そんな僕が、僕は嫌いなんだ。


離れられない理由って何なんだ。

僕の心に、君が住み着く理由は何なんだ。


そんなことは、案外簡単なのさ。


ただ、僕だけが、今でも君を好きでいるだけなんだ。

だから、君の好きだった音楽を聴いてしまうんだ。

期待してしまうんだ。


気づかないふりをして生きていた。

終わった関係、出逢う前の僕らに戻っただけなのに、どうしてこんなに辛いんだ。

進んで行く君に、追いつけなくて、止まったまま。縮まりやしないこの距離は、もうそのまんま。変わりっこない。


だからこそ、ちょうどいい。

心の棘を抜けるから。

これぐらいが、丁度良い。

言葉の針を抜けるから。

丁度良いんだ。この気持ちが。

緩まなくてすむから。

これぐらいが、僕には。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ