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藍理集  作者: 藍理
24/33

逢いに行こう。

僕の恋する彼女は、今じゃ遠い存在。

話しかけたい。

その艶やかで、たなびく黒い髪は澄むように綺麗でいて、美しかった。


学年の違う彼女とは、昔はちょこちょこ会話を交わしていた。1年が経ち、僕らも一つ学年が上がった。僕は2年。彼女は3年。そう、受験が、彼女を待っているのだ。生真面目だから、教室から出ることなく勉強し、すぐに家に帰って勉強、連絡手段の携帯すら今年は使わないと、「使ってくださいよ!」っと言っても断固拒否。

拒否されたのは悲しかったけど、その真面目さも僕は好きだった。


たまに、移動教室ですれ違う時がある。

目が合う度に優しく微笑む、その美しい顔はどこまでも健在。

言葉は交わせないが、それだけでもすごく嬉しかった。


日が巡るのは早いもんで、あっという間に卒業式。僕と、彼女との別れの時。

見事、彼女は偏差値の高い、第一志望の高校へ進学することになった。僕は、3年になる。

何時ものように、目が合うと、優しく微笑んでくれる。そんな彼女が僕は好きだ。

でも、もう「何時ものように」とはいかないんだ。これっきり、会えなくなってしまうんだ。ほぼ、言葉を交わしていなかったが、伝えたい。僕は僕の言葉で、美しい彼女に。


賑わう人混みを掻き分けて、声をからして叫んだ。


「......先輩っ!!!!」


僕が呼ぶと、何時ものあどけない表情で振り返る。風にたなびき、髪が揺れる。


「......え??」


僕の言葉で、精一杯


「僕は、先輩が好きでしたっ!ずっと、ずっと、好きでした!」


僕がそう伝えると、彼女は何時ものように

優しく微笑み、はにかんだ。


「私は、待ってるよ。ずっと。」


クルリとふりかえり、先へと進んでいった。

その姿を僕は、呆然とみていた。

彼女の言葉を理解するまでに、時間がかかりそうだ。


ただ、一つ気づいたことがある。


また、逢いに行かなくてはと。




綺麗な恋物語をかきたかったのですが、

うまくいけたかな。

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