不眠症の少年
夜は酷く寂しい。
僕は、夜が嫌いだ。何回も回ってくるこの夜は、毎回僕を悲しませる。
窓辺に座って、外を眺めていた。
あたりは静まり返って、動物さえも、空を飛ぶ鳥だって眠ってしまう。
僕は、今、不眠症を患っている。
眠れないのだ。
だから、携帯だけが僕をかまってくれる、唯一の友達。夜の友達。
あ、夜の友達って言ったけど、変な意味じゃ無いからね。
夜の無い世界に生まれたかったなぁ。いつまでも、明るい太陽が出ている昼間だったら、みんな眠らないし、元気だし。
あ!それか、みんなが僕みたいに、不眠症になれば、それなら、夜も寂しくない!楽しいはず!
早く朝にならないかな。
皆と遊びたい。
外へ出たい。お出かけしたい。
嫌だけど、皆と一緒なら、お勉強もしたい。
ただ、今すぐにこの夜から抜け出したい。
夜なんて、怖いじゃないか。
暗闇に包まれて、草木の色も濁って居て、全く綺麗じゃない。
その暗闇に、揺蕩う月。確かに綺麗ではあるけれど、なんだか、一人ぼっちな気がして悲しい。
空の星達は、死んだ人の数って、何処かで聞いた。流れ星は、この広い世界の誰かが、死んでしまった瞬間、流れるものだと聞いた。月と一緒に、空に散っているけれど、綺麗だけれど、そう考えると悲しいと同時に恐ろしい。
お月様にも、友達が出来れば悲しくないだろうなぁ。
「一人ぼっちって、僕と一緒だね!」
一人ぼっちの仲間だ!
よかった。仲間が居たんだ。
「あれ、雲に隠れちゃった。」
お月様も、寝る時間なのか。
そうだよね。僕だけだよね。
お父さんと、お母さんは、もう寝ているのかな。逢いたいな。
こんなところ、もう嫌だ。
真っ白な病院。
僕は一人ぼっち。
この一人ぼっちは、日々僕を可笑しくする。
精神を砕いていく。
僕の心は、日々、崩れてく。ボロボロにってなっていく。
眠ってみようと、布団に潜るけれど、やっぱり眠れない。
寂しい。寂しい。
寂しいな。
初めは、ホラーっぽくしようかな〜とか思ったんですがやめました。
書いている自分の方が怖くなって来てしまい。。。
これも充分怖いですけどね。
読んで頂きありがとうございました。