其の九、告忠
どうも赤ずきんです。
おかしくなっていく日常は意外と気づかないものですよね。
あなたは日々の変化に気づいていますか?
・・・。
それでは本編をどうぞ。
其の九、告忠
一時間ほどテレビを見ていた。
好きな番組は終わり、興味もないドラマが始まる。
ふと時計を見やる。
桜「七時・・・。」
そろそろお腹が空いてきた。
母はまだ寝ているのか二階から降りてくる気配はない。
夕食を作れるには作れるが・・・面倒くさいので外で買ってくることにする。
桜「行ってきまーす。」
母「・・・。」
予想はしていたが返事は無い。
仕方なく近場のスーパーへと向かう。
外は既に暗くなっている。
空は曇っているらしく月も、星すらも見えない。
夕食にカレー弁当とサラダを選び、家へと帰る。
帰り道、電信柱に知った顔のポスターが貼られていた。
友人とその母親の捜索願だ。
まだ見つかっていないらしい。
・・・そういえば、あの箱は誰が置いたのだろう。
友人の家で見つけたが、友人の物なのだろうか。
今まで無視していた疑問が途端に脳裏に蘇る。
考えながら歩いているといつの間にか昼間の公園に来てしまっていた。
桜「あれ・・・私なんでここに?」
知らぬ間に道を間違えていたらしい。
近所なのに恥ずかしい・・・。
楓「お姉さん、奇遇ですねぇ。昼間はどうも。」
桜「っ!?」
公園の入口からでは気付かなかったが、少し離れた暗がり、ブランコに昼間の少女が座ってこちらに微笑みかけてきている。
楓「具合はどうです?」
桜「・・・。」
こちらが黙ってても彼女は構わずに話かけてくる。
楓「そういえばお姉さん。」
嫌な予感がする。
楓「とある箱を知りませんか?」
桜「っ!!」
箱?
あの箱?
なんでこの子が知ってるの?
偶然?
いや、それにしてもいきなり箱のことを質問するわけが無い。
この子は知っているんだ。
楓「その顔は知っているようですねぇ。」
桜「・・・知っていたとしてどうするの?」
楓「あの箱は災厄をもたらす。もし知っているのならすぐに渡してほしいです。」
災厄って・・・。
桜「・・・知らないわ。」
楓「・・・。」
桜「どんな箱なのか分からないけど、お目当ての災厄の箱なんて知らない。」
少女の顔は暗闇のせいでよく見えないが、笑顔なのは分かる。
どこまでも不気味だ。
楓「そうでしたか。私としたことが人違いだったようですねぇ。」
桜「・・・もういいですか?」
年下とは思えない雰囲気に、つい丁寧語になってしまう。
楓「えぇ、呼び止めてすいません。」
桜「では・・・。」
すぐにその場を立ち去る。
徒歩だったため寒くはなかったが、鳥肌が総立ちしていた。
楓「ふふ・・・悲しいですねぇ。」
どうも赤ずきんです。
夜に和服の人形の様な少女に声をかけられたら軽く悲鳴を上げると思います。
災厄をまく箱の正体は・・・。
それではまた次回。
あたなは、非常日をういけれることがでまきすか?