其の八、いなはで気正。
どうも赤ずきんです。
いつも小説を書くときはコーヒーを沸かしています。
砂糖と牛乳をたっぷりと入れて飲むコーヒーは最高です。
・・・。
ブラックは苦手です。
それでは本編をどーぞ。
其の八、いなはで気正。
楓「こんにちは。」
桜「・・・こんにちは。」
楓「お姉さん、随分とつかれてるじゃないですか。顔色悪いですよ~?」
少女は淡々と話しながら少しずつこちらに歩み寄ってくる。
桜「疲れてなんかないよ、だいじょう・・・」
楓「さすがに完全ではないようですが、4、5人といったところですかねぇ。」
桜「え?」
会話になってない。
4,5人?
なんのことを言っている?
この子はヤバい。
私の中の何かが拒絶している。
{逃げろ。}
そう思うが早いか、私は少女に背を向け走り出していた。
少女の方は追ってくる様子は無く、こちらをその黒い瞳で見つめ、微笑んでいる。
そのまま家まで走る。
帰途に何人か人とすれ違ったが、全員が全員驚いた表情で私を見ていた。
きっと私は相当に必死だったのだろう。
家に着くとすぐに鍵をかけた。
気づけば息も上がり、服は汗でぐっしょりだ。
しばらく玄関で座り込んで落ち着く。
それにしても・・・
「おかえり」もなにもない。
また寝込んでいるのだろうか。
桜「シャワー浴びよ・・・。」
着替えを用意して風呂場に行く。
洗面所に入り、鏡の中の自分と目が合う。
目の下には隈ができ、肌は荒れ、なにより顔が死人のように青白い。
桜「なに・・・これ。」
きっと見間違いだろうと慌てて目を擦りもう一度鏡を見る。
桜「・・・・・っ!!」
鏡にはいつもの自分がうつっていた。
どこもおかしくないいつもの自分。
桜「やっぱり・・・ね。良かった!顔色なんて全く悪くないじゃないっ!」
大声で鏡の中の自分に怒鳴る。
次第に笑いがこみ上げてきた。
結局、他人の勘違いだった。
自分は何も間違っていない。
桜「くふっ、ふふふふ。」
笑いが止まらない。
必死にお腹を押さえ大声を我慢するがそれでも笑いが溢れてくる。
桜「ふふっ・・・ふぅ・・・。」
どれくらい笑ったか。落ち着いた頃には酷く笑い疲れていた。
そして本来の目的を思い出し、服を脱ぎシャワーを浴びる。
疲れた体に温かい湯が染み渡る。
さっぱりしたので、タオルで髪を拭きながらリビングに行く。
テレビをつけてソファに腰掛ける。
丁度好きな番組が始まった。
テレビの中では人気のアイドルグループが流行りの曲を歌っていた。
・・・・・。
母はまだ起きてこない。
どうも赤ずきんです。
変わりゆく日常を意識するのは怖いですよね。
さて、もう結構キてますね。
その内楓さんの素性を知るストーリーも書くつもりです。
まだまだ先になると思いますがね。
それではまた次回。
楓「お姉さん、随分と憑かれてるじゃないですか。顔色悪いですよ~?」