其の六、麗綺
どうも赤ずきんです。
ここまで来るとだんだん楽しいです。
今回で一気に展開します。
それでは本編どーぞ。
其の六、麗綺
玄関の明かりはついており、1階の部屋はほとんど明かりがついているようだ。
桜「お邪魔します・・・。」
玄関には友人の靴もあり、恐らく外出はしていないだろう。
インターフォンの受話器を取る音はやはり友人だったのだろうか・・・。
靴を脱ぎ、リビングに進む。
見たところ誰もいない。
・・・これって不法侵入じゃん。
しかし今は恐らく緊急事態。勝手に上がったのも仕方がない。と自分に言い聞かせる。
そのままリビングを出ようとするが、あるものが目に入る。
インターフォンの受話器が取ったままの状態で置いてある・・・。
桜「・・・っ!!」
よく考えるとおかしな話だ。
受話器を取った音は聞こえたが、戻した音は聞こえなかった。
モニターには先程までいた玄関前の映像がうつっている。
桜「・・・・・。」
自然に受話器が落ちるのもおかしい。
受話器は誰かがそっと置いたような状態だ。
考えられるとすれば。
桜「誰かがずっと見ていた・・・?」
ここまで来ると友人ではないだろう。脅かすにしても限度がある。
彼女の親だろうか?
だとしても一言もないのは明らかにおかしい。
怖い。
鳥肌が立ちっぱなしだ。
これ以上ここにいてはいけない。
今すぐ帰るべきだ。
そうだ、帰って警察に連絡をしよう。
きっと何とかしてくれるはずだ。
リビングを出てまっすぐ玄関へ向かう。
靴を履きドアに手をかけた時。
コトッ。
ドアのすぐ向こうで何かを置くような音が聞こえた。
恐る恐るドアを押し開けるとすぐ目の前の地面に10cm四方の箱がある。
勿論先程まではなかった綺麗な箱。
箱の一面には1、2、3・・・7角形の模様が書いてある。
手に取ってみると中に何か入っているらしく少し重みがあった。
・・・。
不気味ではあったが、その箱に妙に惹かれ、持ち帰ることにした。
躊躇いは無かった。
そのまま友人宅を出て帰路につく。
先程までの恐怖は消えていた。
警察への連絡もどうでも良かった。
今はただ【それ】に見蕩れていた。
綺麗・・・。
どうも赤ずきんです。
もう知ってる人はほとんどわかるかと思います。
尚、元にした史実と少々違う点もございますが、ご了承ください。
友人はどうなったのか、桜さんはどうなるのか、今後をお楽しみに。
それではまた次回。
また会るえと良いね。