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第二十二話:ケモ娘は魔力適性がないようです。

探求者ギルドって普段からあまり人がいないんだよな。

ゲームなどのギルドみたいに依頼ボードがあったりするわけじゃないから、ダンジョンに入るだけなら必要がないから人がいないのもわかるんだけどね。

魔石もダンジョン出たところですぐ買い取ってくれるしね。

こんなダンジョンから離れた街の真ん中にあるのはなんでなんだろう。いっそのことダンジョンの入り口を探求者ギルドにしても良かったのにな。


資料室に入り、アニーに声をかける。


「おはよう、アニー」


「遅かったのね。おはよう、アコちゃん、カケル。」


アコにニッコリと笑い挨拶をして、ついでのように俺に挨拶をする。この差は一体…。


「先に商会に用があってな。」


「そうなの、てっきり寝坊したのかと思ったわ。昨日のアコちゃん可愛かったもの。」


アコが赤くなる。


「あまりアコをからかうなよ。今日は魔法の本とかあったら読みたいんだけど、ここにはないかな?」


「ああ、それならちょうど初級用のがあるわよ」


なんであるんだよ。いや、俺が聞いといてなんだけど。


「昔私が買ったやつをそのままここに置いてるのよ。かなりボロくなって安くなったやつだけどね。」


そう言って事務机から古びた本を渡してくる。


「ありがとう、読んでみるよ。」


「別にこのくらいなんでもないわよ。」


素っ気なくアニーはアコの隣へ座る。

俺、何かしただろうか。


魔法とは魔力を元に、現象として発現させたものである。

魔法は主に3つに分かれている。

自分の魔力を触媒に、周囲の魔力に干渉して魔法を発現させる方法。

血の契約を元に精霊に周囲の魔力に干渉してもらい魔力を発現させる方法。

魔道具を使用し、魔石などの魔力を使用し発現させる方法。

一般的に魔法と言われているのは最初の自分の魔力を触媒に周囲の魔力に干渉する方法。

二番目は精霊魔術と言われる一部のエルフや龍族などにしか使えないらしい。

最後のは魔法具だ。威力などは弱いが誰にでも使えるというメリットがある。一部の魔法具や魔装などには自らの魔力を触媒に周囲の魔力に干渉できたりするものもあるらしいが伝説級のアイテムらしい。聖剣とかね。

聖剣…勇者とかいるのだろうか。


まず魔法を使うためには自分の魔力を操作できるようにならないといけないらしい。

本にはこう書いてある。


ステップ①

ここは簡単です。魔法使いなら誰でも通る最初の道です。

まずは魔力を感じてみましょう。

目を閉じ、大きく深呼吸して、全身の感覚を広げましょう。

ここまでは大抵の人なら無意識に感じれるはずです。


なるほど、目を閉じて、深く深呼吸をする。

すると、全身を包み込む魔力のようなものを…かんじねぇよ!!

なめとんのかテメェ!

大抵の人ならって…俺はダンジョンマスターだから人じゃありませんとかいうのこれ…。


と、とりあえず次だ。きっと何かヒントがあるはず。


ステップ②

皆さん簡単に魔力を感じれましたね?

次から本格的に魔法を使う練習をしていきます。

カラダの中に血液のように流れる魔力を感じて操るのです。

イメージのしやすい手のひらでするのがベストでしょう。

流れて来た魔力を手のひらで留めて溜めるイメージです。


なんだこれ、ケンカ売ってるのかな。

感じれましたね?じゃねぇよ!わかんねぇよ!


うん、俺には魔法は無理だということがわかった。

もっとこう、簡単に使えるものなのかと思ってた。

魔法具とかいっぱいあるし。

あ、でも、まだ魔法使いってみてないんだよね。

やっぱり珍しいのかな?魔法使い。


もう魔法を使うのは諦めてパラパラとめくっていると面白いページを見つけた。


この世界の魔法には回復魔法というものがあるが、水魔法の消毒して気持ち傷の治りが早くなるようなものや、光魔法の切り傷程度を治せるものしかないらしい。

しかし数百年に一度、教会の聖女として神に愛された子が生まれるらしい。

神の手を借り魔力を操り人々の怪我や病を治すらしい。


この世界、神っているんだな。

それよりも回復魔法が少ないっていうのはいいな。

そりゃポーションが売れるわけだ。

儲けたなガハハ。


他にも、それぞれの種族には種族特性のようなものがあり、エルフは精霊に愛され精霊魔術を使いどんな属性の魔法を使うことができたり、ドワーフなら土魔法を、人間は全体的に平均的など。

龍族は火魔法を得意とし、一部の先祖返りの戦士は龍に変身できたりするらしい。魔法すげぇな。

その中で唯一獣人は魔法が使えないらしい。なんでも、魔力を操作できないとか。

アコは魔法は使えないのか。俺と一緒だな。


ふぅ、クソみたいな本だったがまあまあ役にたったよ。

もうお前の本は読まねぇ。

著者はルーベル・フランベール?

偉そうな名前だぜ。


本を閉じたらちょうどアコたちもひと段落ついたところだった。


「みてよ、アコちゃん、もう絵本ならちゃんと読めるようになってるのよ」


「ほんとか?すごいなぁアコは。」


頭を撫でてやりたいが距離が遠いな。

まさかアニーのやつこれを狙って俺とアコの間にっ!?


「この調子なら問題なく読めるようになるのもすぐね」


「じゃあ、昼ごはんにしようか。」


「そうね。私もお腹すいて来たわ。」


「アコもおなかすいたの。」


3人でいつもの食堂へ向かう。


「そういえばアコちゃん、弓を使えるの?」


「いや、これから使えるようになるといいなとは思ってる」


「が、がんばって使えるようになるの!マスターに買ってもらったんだもん!」


なんていい子なんだ…。


「そう、アコちゃんは偉いのねぇ、カケルにはもったいないくらいだわ。」


「アコは俺のだ。誰にも譲らんっ」


「あ、アコもマスターがいいのっ」


「はいはい、ごちそうさまごちそうさま。今からお腹いっぱいになりそうよ。」


「それなら今日の食費は安くなりそうで助かるよ。」


そういって冗談を言い合い食堂の中へと入って行く。


その後も魔法の話をしたり、昨日着せれなかった服の話をしたりしながらお昼ご飯を楽しんだ。


今日のお昼は魚にしてみた。

アコは魚はあまり食べたことがないそうだ。

森に川はあったけど、魚は偉い人や祝い事のときに食べるものだったそうだ。

数が少なそうだもんな。


アコの今日の飲み物はソーダだった。


「アコちゃんまた明日ね。」


「またあしたなのっ」


「あなたも気をつけてね」


「ああ、また明日な」


別れを告げて俺たちはダンジョンへ向かう。


ダンジョンの入り口のある建物へ入り、転移の魔法陣のある部屋にはいる。


魔法陣に乗り、1層を頭に思い浮かべる。

魔法陣が光り輝く。

アコがギュッとしがみついてくる。


気づけば2層の最初の部屋だ。


「いこうか。」


「はい、マスター。」


2人で手を繋ぎ、ダンジョンに潜る。

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