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第十一話:ケモ娘もできることが増えたようです。

今まで評価ポイントってあまりいれてこなかったのですが、自分がもらう側になると数ポイントでもうれしいものですね。これからも精一杯書いていきますので、楽しんでくれるとうれしいです。

チュンチュンと空を駆ける鳥のさえずりが聞こえる朝空に、美味しそうな匂いで目が醒める。


「あさか…」


「おはようなの、マスター。」


少し不機嫌そうなアコが、独り言に応えてくれる。


「起きていたのか、おはよう、アコ」


ベットで横になって声をかけて来たアコが可愛くてつい頭を撫でてしまった。


「ま、ますたー、どうしたんですかっ」


「いや、アコは今日も可愛いなぁって」


「ま、ますたぁ…」


顔を真っ赤にして毛布の中に顔を隠すアコ。でも、ちゃっかり頭と耳だけは出して撫でてもらおうとしてるあたり嫌じゃないらしい。


「ほら、そろそろ朝ごはんのはずだからダンジョンで顔を洗って着替えておいで。」


「は、はいっ」


恥ずかしいのを隠しながらいそいそと扉を出してダンジョンの中に入っていく。


ベットに横になりながら他にダンジョンの新しい機能がないか探してみる。

探すといっても頭の中で思い浮かべるだけだが。


「ただいまなの…」


アコが戻ってくる。

少しダボダボのシャツに、尻尾があっても履けるショートパンツという格好で、ショートパンツが隠れていていわゆる《はいてない》ようにみえる。


「け、けしからん…」


シャツから覗く生足が輝いている。


「マスター?」


アコが不思議そうに首をかしげる。


「あ、い、いや、なんでもないんだ。俺も顔を洗ってくる。」


「いってらっしゃいなの」


そそくさとダンジョンの中へと入っていく。

ひんやりとした水で顔を洗い、頭を冷やす。


これは外に出るときはしっかりと外套を羽織らせないとな。

寝ぼけていた頭もアコの破壊力ですっかりと目覚めてそんなことを考える。


「ただいま。」


「おかえりなの。」


「じゃあ、ご飯を受け取りに行くか。」


「わかったの。」


先に扉に向かうアコに慌てる。


「あ、アコ!しっかりと外套を羽織らないと。」


「そうだったの。ごめんなさい…。」


「外に出るときはしっかりと外套を羽織るんだぞ。アコは可愛いからな。すぐ誘拐されちゃうぞ。」


アコの頭を撫でて外套のフードをかぶせてやる。

実際誘拐されたアコにこの冗談はきつかっただろうかと言ってから悩む。


「じゃあ、いこうか」


「は、はいなの」


手を繋いで一階の食堂へと向かう。


「おはようございます、女将さん」


「おはよう、カケルくん」


君付けをさせるとむず痒く感じるのは俺だけだろうか?


「朝食はもうちょっとだから、できたら部屋に届けるからそれまで待っててくれるかい?」


「そうですか、わかりました。」


そういわれて部屋に戻る。

わざわざ行かなくても良かったのか。

昨日はそこら辺聞かずに部屋に行ってしまったからな。


「そういえばアコ、アコはダンジョンハートコアになって何かできることが増えたりしてないか?」


部屋に戻りアコの外套を脱がしながら聞いてみる。


「できることですか?」


「ああ、俺はこんな風に召喚できるもののリストが見えるようになったんだ。」


そう行ってリストを出してみる、


「…?何か見えるんですか?」


「俺にしか見えないのか?アコがダンジョンハートコアになったおかげで、今まで召喚していたものの一覧表が出せるようになったんだ。」


「そうなの…?できること、できること、えーっと。」


目を瞑りながらえーっとえーっとと唸りはじめるアコ。


「あ、ダンジョンのなかの好きなところに扉を出せるみたいなの。昨日は気づかなかったの…。」


「ほう?それはすごいんじゃないか?」


「でも、地面についていないとダメみたいなの。」


「それでもすごいぞ、試しに泉のそばに出せるか?」


「や、やってみるの!」


えいっ!っとかわいく腕を前に出す。

シャツからショートパンツがチラチラと除いて見てはいけないようなものを見ている気分になる。

あればズボンだっ!パンツじゃないからはずかしくないもんっ!


「ほ、ほんとに泉の前に出せたの。」


泉とベットがわりの床のそばに扉が移動している。


「アコはすごいなぁ〜」


アコの頭を撫でながら褒める。


「ありがとうなの…。」


照れながらお礼を言ってくるアコに聞いてみる。


「他には増えたことはあるか?」


「あ、あとダンジョンの中の生き物以外の物を取り込めるみたいなの。」


「取り込める?」


「よ、よくわからないけど、けせるらしいの?」


疑問符がついている。


「試しにこの瓶を消せるか?」


「わ、わかったの!」


きえろ〜きえろ〜と両手を瓶に向かって振り始める。

するといきなり瓶が消えた。

ほんとにいきなり消えた。

勿体無いことしたかも…。

まあ、1ポイントで出せるし…。


「けせたの…。」


「これは一部のものだけ消せるのかな?」


「どういうことなの?」


「いや、この瓶に例えるなら、中身の水はそのままで瓶は消せるのかなって。もしできるなら魔物とか魔石だけ残して消せるから処理が簡単になりそうだ。」


「た、ためしてみるの」


「ああ」


次の空いている瓶に水を入れて地面に置く。


「瓶だけ、瓶だけなの!」


両手を瓶に向かって振り始める。


パシャッ


瓶のみ消えて水が地面に落ちる。


「おお!やったなアコ!」


「やったの!」


「これで魔物の処理と、もしかしたら魔石回収も解決するかもしれないぞ!」


「ほんとなの?」


「ああ!とりあえず外に出て扉の場所を変えよう。」


そういって二人で宿の部屋に戻る。


「アコ、扉を落とし穴の下に出して見てくれ。」


「落とし穴の下なの?」


「ああ、だせるか?」


「や、やってみるの」


出てきた扉を開く。


「真っ暗だな…それに臭い…明かりを持ってくるか。」


部屋にあるロウソクを持ってきたらほんのり明るくなりかろうじて落とし穴の底が見えるようになる。

ゴブリンの死体が潰れてひどい状態だった。


「アコ、こいつらの魔石以外の全てを取り込めるか?」


アコが臭いのか口を閉じながらコクコクと頷く。

腕を振りながらんー!んー!と口を開けずに唸る。

すると綺麗に死体が消えて、親指ほどの石ころのようなものが5つ落ちる。

匂いも若干良くなったか…まだ少し臭いけど。

でも、これで魔石も手に入れられた。


「すごいぞ、アコ!これは大手柄だ!色々な問題が一気に片付いたな!」


「ありがとうなのっ!」


喜ぶアコの頭を撫でながら宿の部屋に戻る。


「また泉のそばに扉を出せるか?」


「わかったの」


扉をくぐり泉で魔石を洗う。


宿に戻って机に魔石を転がす。


「これ、どのくらいの値打ちになるんだろう。」


「ゴブリンは弱いほうの魔物なの」


「じゃあ二束三文だろうなぁ」


「そうなの…」


「別に大丈夫さ、お金も数日分ならある。」


現在の所持金が銀貨14枚と銅貨77枚だ。

ここからがんばって増やしていかなければっ。

やる気をだしてアコと一緒に部屋に戻る。



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