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第一話:ケモ娘をダンジョンにしちゃたんだけどどうしよう?

初投稿です。ケモ耳娘っていいですよね。

あなたには夢がありますか?


俺は普段アニメとかゲームとかばっかでまともに将来の夢を考えたりはしてなかった。


いや、考えたりはしてた。


でも、よくわからん。


なりたいものとか言われても、何者にもなりたいわけではない。


何が言いたいって別に何が言いたいわけでもない。


ただ俺はケモ耳を愛するただのオタクってだけだ。


普通に高校に行って、その後大学へ行き社会で働いでそれなりの人生を終わらせると思っていた。


そう、思っていた。


そんなのもう過去の話だぜ!


気づけば異世界に居ました。なんて最近ではもう見飽きた、聞き飽きた言葉だけど、実際自分がなるとわけわかんなくなる。

自分のテンションとかもよくわかんなくなる。

俺こんなキャラだっけ。

無駄にできもしないムーンウォークとかし始めるレベル。


ほんともうわけわかんない。


さっきまで部屋にいたはずなのに!

ちょうど今期個人的ナンバー1の猫耳ちょいエロアニメのいいシーンを見ていたはず…いや、それはどうでもいいんだ。


俺はダンジョンマスターらしい。

何をいってるかわからねぇと思うが俺もなにをいっているのかわからねぇ。


気づけば見知らぬ土地にいる。

おそらくどこかの道らしいが見覚えはない。舗装はされてない砂利道だ。

周りは林、ちょっと遠くで山に囲われている。

そんななか、なんでダンジョンマスターかとわかるかと言われてもさっぱりわからない。

しかし、ここが異世界で、自分がダンジョンマスターだという認識はしっかりしている。


わったくわけがわからない。

頭の中ですらこの呂律の回らなさ。

もうほんとわけがわからない。


でも、そんなわけのわからない中でもやりたいことはしっかり決まってる。

せっかく異世界に来たんだ。ケモ耳娘に合わなくてはならい。


世界のケモ娘が俺を待っている!


かっこよくそれっぽいポーズで決めてみる。


寂しいだけだ。


…てか、この世界、ケモ娘いるよね?


    *


とりあえず道を歩きながらできることを確かめる。

ダンジョンマスターとは魔力でダンジョンを作り、人間など魔力を保有した生き物などを誘い魔力を集めるモノ…らしい。

具体的に何ができるかというと、罠を仕掛けたり階層を増やし部屋を作ったりとまあよくあるあれである。

ただ、なぜか魔物を召喚できない。定番ではないのだろうか?この世界には魔物はいないのかな?

ちなみに階層はダンジョンコアというものを設置したところから広げるらしい。それまでは階層と部屋は作れない。

どこに作ろうか、ケモ耳娘がたくさんいるところがいいな。

罠はどこでも仕掛けられるらしい、ダンジョン内ならどこでも仕掛けられるが、ダンジョン外は自分の半径5mくらいらしい。


試しに罠の沼 を使用してみた。

直径1mくらいかな?ジャンプしたらすぐに避けられる。ただ見た目がすごい。周りの地面と見分けがつかないのにちゃんと沼だ。触るとタプタプする。乗るとずぶずぶ沈んでいくんだろうな。

それにしてもちっさいな…これ出すのに保有魔力の1/10くらい持っていかれたのに…

魔力って自然回復するのかな…


こ、後悔はしてない!これは必要経費だったんだそうだそうに決まっている!


心配になりながら先へ進む。


召喚カタログとかそんな感じの一覧表ないのかな。う〜ん、なんとなく罠や壁とか武器とかは出せたりすることがわかるけどけどよくわかんらん。

頭の中で出したいものをイメージしたら出せるかどうかわかる感じ?

俺も混乱しているんだ、何をいってるかわからねぇと思うがわかってくれ。


消費魔力量も謎だから安易に出すこともできない…

さっき使った魔力もまだ回復してないし…

あ、食べ物も出せるらしい。

知ってる食べ物ならなんでもいける感じか…?

出せたよ、コーラ出せたよ。

どうせならジンジャエールにするんだったぜ。コーラはあまり好きじゃない。

牛乳のガラス瓶のようなものに入ってる、ペットボトルではないのか…

消費魔力量もそんなに気にならないかな?

え?今何か減った?とか、そんくらい。

やっぱり消費魔力量が数値化できないのは不便だな…


そういえば今何時なんだろう。

そう思って空を見上げて見たら、


「ごぴょっ、げほっ、かほっげほっ」


変な声が出る。

コーラで噎せる。鼻にまで入った…

そりゃ変な声も出るのもしょうがないけど…。

初のセリフがこんな恥ずかしいものになるとは思っても見なかったよ。

メタっぽいことを言って前日から目を逸らそうとしてももう頭から離れない。


文字通り、頭の上から離れない。


あまり雲のない晴れやかな空、少し傾いた太陽、遠くに空高く飛ぶ鳥たち。うん、ここまではいい。なにがやばいって


空にラ◯ュタが飛んでる…


「ラピ◯タは本当にあったんだ!父さんは嘘つきじゃなかった!」


叫んでやったぜ。

オタクのサガってやつさ。

黒い城のようなものが大きな木に取り込まれるかのように浮いている。


まじかよ…


なんであんなものがあって気づかないんだ…

人間頭上はあまり注意しないとか言うけどもうちょっと気づいても良かった。


なんか今更になって叫んだことが恥ずかしくなってきた。周りに誰もいなかったよな?

今の見られていたら相当の変人になる。

でも、そろそろ異世界?最初のファーストコンタクトがあってもいいと思う。

ケモ耳娘との。


なんて、ぬるくなってきたコーラをちびちび飲みながら恥ずかしさから周囲をキョロキョロと挙動不審に歩いていたら後ろ側から突然ガジャン!ズザザササ!っと大音量。実際はもっとヤバ目な音だが文字での表現はこれが限界だ。


どうしたどうした!祭りか何かか!?

慌てて来た道を戻る。


あ、うん。


現状を見た瞬間閃いたと言うか。全てを繋げてしまったというか。


さっきの沼、出しっ放しだよね?

ていうか、これ元に戻せるのかな?

いや、そんなことどうでもいいんだよ。

それこそ後の祭りだよ。


うん、そう。


沼に片輪を取られて馬車が転落したんだろう。豪華なものではなくなんか屋根のない荷台のついたやつだ。


俺が祭りの主催者といっても過言ではない。


いや、いや、いや。

きっと石ころとかで転んだだけやろ。

そうだそうに決まっている。


うわ…

ぐろい…

おそらく御者台に乗っていたのであろう男2人は頭から落ちたのかトマトを地面にぶつけたみたいのなっている…

あれ、でも、なんかそんなにショックじゃないというか…

変な感じだ…

前世ならきっとこんなの見たらさっき飲んだコーラとかもうリバースしてるはずなのに…

グロいと思ったけどそれだけだ…

自分が自分じゃないような気持ち悪さ、実は自分はこんなに薄情なやつだったのだろうか。


あまり死体を見ないように馬車の後ろの方へ回る。

馬が足を折ったのか倒れて暴れていて、馬車は倒れて乗っていたであろうものをぶちまけている。

なんか落ちてるものが物騒だ…

檻だの鎖だの首輪などだ…

異世界定番の奴隷商人だったのかな…

そこで気づく、馬車の影になってる位置の檻。あまり大きくなくサーカスとかの中型の動物を入れたりするようなあんな感じの檻だ。

いや、サーカスとか見たことないんだけど。

そこに人が入っている。

見た所、周りに血はないしそんなに怪我もしてないはずだ。

きっと馬車の奥の方にあったおかげで倒れた衝撃でもそんなに飛ばなかったのだろう。


檻に近寄って、檻のなかで倒れている人を見る。

布を束ねたような薄汚れた服に、短めの布から覗く太もも。

控えめだがしっかりと主張する胸。

こちらを窺うような怯えた青い瞳。

肩まで伸びているスス汚れた空色の髪の毛。

なによりも目を引くのはその髪の毛と同じ色をした猫のような耳。

そう、猫耳である。


『キミ!だいじょうぶ!?』


たぶん産まれてこれまでの中で最速で走ったと思う。

檻までの数メートルが一瞬でなくなる。

俺はこんなに速く走れるのかと。

こんなに大きな声が出るものなのかと。

ガシャン!と檻を掴んで少女話しかける。


「ひっ!」


鈴のような声音だが怯えて奥に引っ込む。

まあ、狭い檻なのでこれ以上奥はないのだが…


一旦冷静になる。

檻は鍵がかかっているようだ…

魔力でオレンジジュースを出し一口飲んで檻の中に置く。


「飲んでいいよ。」


そう言ってトマトジュースになった御者たちのところへと歩く。

他に人はいなかったしきっと鍵はあの死体がもっているだろう。


結構あっさり見つかった。

いちばん遠くに飛ばされてた御者の後ろ腰の皮袋のようなものに入っていた。

他にも銅貨?なのかな、色々入っている。

ちょうど血もついてないしもらっておこう。

他にも腰に差していた刃渡り20cmくらいのナイフももらってベルトに下げておく。

勇者もよくやるしね、民家に入って家を漁ったりとか。


やっぱりあまり罪悪感がない。

俺は大声で叫んだだけで周りに聞かれてないかと自意識過剰に周りを気にしたりする性格だったはずなんだけど…


戻ると少女はさっきと変わらずに檻の奥にいる。けど、ちゃっかりオレンジジュースは全部飲んでいる。


「でたい?」


こちらを窺うようにゆっくりとコクリと頷く。かわいい。

ガチャリと音を立てて鍵を開ける。

ノソノソとでて来た彼女はあまり大きくない。身長は140cmないかくらいだろうか。年齢は13〜4歳かな…?もうちょっと幼いかな?

怪我とはあまりないようだ。よかった。


「キミの名前は?」


怯える少女に質問を投げかける。


「あ、アコ…」


恐る恐ると応える。


「攫われたの?どこからきたの?」


「メルリア大森林の民…だけど、人に攫われちゃったから…[穢れ者]はもう森に戻れない…の…うぐぅ…」


目の前で泣き始める猫耳娘。

きっとこの世界は少女に厳しいのだろう。

こんな小さな女の子が泣かなければならい世界なのだろう。


「アコ!君は今日から僕の家族だ!」


こんな世界を俺は許さない!

アコを抱きしめる。



ダンジョンコア指定。

ダンジョンコア[アコ]を生成。

ダンジョンコア生成完了。

ダンジョンコア取得により新機能が解放されます。


え?ちょ、え?


見知らぬ空の下。


何処ともわからないこの世界で。


俺は、ケモ耳娘をダンジョンにしてしまったらしい…。


天を仰ぐ。


空は蒼く澄み渡っていた。



異世界に飛ばされたせいで主人公のテンションが高いです。おそらく、次回からはおちつくんじゃないかな・・・たぶん?

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