part.04
「マリー、ドーベル、アリシア、ラミ。準備は良い か?…あとマーズくんは危険なことはするなよ?」
「久しぶりにこのモードのアキラっち見るねぇ~♪俺もたぎってきたぜ!」
「良いからさっさと行くわよ?はやくあの子を助け ないと…」
「マーズ、あなたが焦ったらダメですよ?落ち着く のです。」
「…敵…近く…いる」
6人は草木に隠れて敵をやり過ごす。
「バビーの情報では敵のおおよその数は60。だいぶ多いが、俺ら五人の敵ではない」
「60っ!?…確かにマリーさんは強かったけど流 石に60は勝てないですよ?」
アキラの言葉にマーズが食って掛かる
「えっと…マーズくんは赤原の猟犬ってパーティー を知ってる?」
「えっと…はい。人助けを生業としてて、弱きもの を強きものから守るために化け物級の強さを手に入 れた変態パーティーという風に王都の冒険者から聞 きました。あっ…もしかして…」
マーズがこのタイミングで聞かれた意味を理解し はじめて顔が真っ青になっていく
「ハハハッ!変態パーティーだとよ?確かに俺っち 達にはお似合いの通り名だ」
「…変態…違う」
「僕達はその変態パーティーなんだ…」
アキラは苦笑いをしながら静かに殺気を放つ女性 人二人を宥める
「「その通り名つけたやつ…絶対に殺す」」
「アリシア、マリー…少し落ち着こうか。とりあえ ず作戦は各自で任せます。おそらく僕が指揮しても うまくいかないので自分の最小限の犠牲で済むであ ろう方法をつかってください。以上!解散!!!」
「「「了解っ!」」」
「んじゃー、手っ取り早く先制攻撃とでも行きます か」
『風と焔よ焼き払え ファイアストーム』
マリーが詠唱を終えると既に洞窟の門番をしてい たのであろうドラグーンが五体ほど焔の竜巻に巻き 込まれて上に上にと持ち上げられる
ドン!
五体が地面に落ちたときには五人のドラグーンは五個の消し炭へと変わる
「…ぇぇえええええ!?隠密的要素は一切なしなん!?」
「よっしゃー!俺っちもマリーに負けてらんねーぜ !」
叫ぶアキラをお構いなしに続いたのはドーベル。 ドーベルは重鎧を着込んでいるとは思えないスピー ドで洞窟へと駆けていく
「こうなったら、正面突破しかできませんね」
続いてアリシアが両手剣を鞘から引き抜き洞窟へ と駆けていく
「…わたし…サポート…アキラ…はやく」
「…もう!わかったよ!」
アキラは諦めて2振りの双刀を引き抜く
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ドーン!
ガーン!
ウワァァアアアアアアア!
タスケテクレェェエエエエエ!?
黒影は焦っていた。牢の外から聞こえるのは昔に 見た戦争映画さながらの断末魔と破壊音。俺…どう なっちゃうんだろ。他に牢に閉じ込められた子供た ちも怖いらしく身体を寄せあいながら震えている
突如、牢に唯一ある扉が開かれて三人のドラグー ンが流れ込む。三人は三人ともボロボロで外の騒ぎ がどれだけ酷い惨状なのかがわかる。
「おい!?なんなんだよ、あいつら!」
「60近くいた仲間がもう半分以上殺られてるぞ! ?」
「なっ…!?にっ…逃げるぞ!」
「逃げてどうするって言うんだよ!」
「あれだ、ガキを人質にするんだ!高そうなガキをもて!逃げきったらそのガキを奴隷商に売って立て
直すんだ」
「…そっ、そうだな」
トカゲ人間は話し合いが終わったのか、子供たちの牢に近づく。
「こいつは確か魔眼もちだって言ってたぞ?高く売れるかも!」
「よし、そいつを人質にしよう!」
黒影は迫り来るトカゲ人間に焦る。
「わりぃーな、ガキ。人質にな…」
ズドーン!
横から三人のトカゲ人間を焼き尽くす光線は牢の 壁を吹き飛ばし、肉が焦げた臭いを撒き散らしなが らなくなる。
「これで、だいたい制圧は終わったかしら?」
黒影が声が聞こえたほうを向くとそこには白い髪 を揺らしながら髪をかきあげる。我が愛しのさくら んぼガールであるマリーがいた。
「…ん?あっ、良かったぁぁあああ!無事!?無事だよね!?」
そう言って俺の身体をまさぐるマリーは目に涙を溜めている。やれやれ?俺がいなくてそんなに寂しかったのかい?お嬢ちゃんなどと格好をつけたいが赤ん坊の身体ではそれも儘ならない。っていうか、 あの光線はこの子が撃ったのだろうか?…とんでもねーな
「マリー、子供たちを見つけたんですか?」
「うん!みんな無事みたい」
「では、私たちが道をつくりますので子供たちを守りながら速く外に!」
「わかってるわよ、『壁を貫け ウィングカッター 』」
マリーが壁の方向へと風の衝撃を与えて細切れにしてしまう。
「こっちからのほうが早いわ。みんなついてきて!」
後半へ続く!(笑)
あと二話で終了かな?w