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旧・君を幸せにするためにパパは異世界最強になる  作者: メクラチビゴミムシ
第1章 パパは赤ちゃん?異世界に立つ!
8/18

part.03

ヤバイなぁー、本当はマリーをこんなに活躍させるつもりなかったのに…(笑)

「こいつが新しい孤児か?」


「あぁー、そうだよ。」


「ほう、黒と白の瞳か…オッドアイの奴隷は高く売れる。金貨五枚でどうだ?」


「なっ!?そんなに高いのかい!?」


「まぁー、常連さんだし今回はオマケも含めてな…」


 俺を覗き込むのは孤児院の老婆とトカゲと人間を混ぜたような生物だった。しかも、また移動らしい。一体どこに連れていかれるのか…


「では、これで取り引き成立だな。以降も鮮血の月をご贔屓に」





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 どうやら昨日は飲み屋で飲み過ぎて皆して潰れてしまったらしい。私はあの子を返して貰うためにこれから孤児院に乗り込むところだ。


「…マリー、行くのか?」 


「えぇ」


 マリーに声をかけたのはバビーだった。


「この村は…もう腐りきってる。気をつけろよ?」


「ん?どういうこと?」


「とりあえず気をつけろってことだよ」


「…わかった」


 酒場から孤児院はさほど離れていない。村自体の規模が小さいので10分も歩けばついてしまったのだ。


 もう一度、孤児院をノックするとあの老婆がでてくる。


「昨日、少年を引き渡したものなんですが…」


「あぁー、覚えてるよ…」


「あの子をうちで育てたいんですが…」


「はぁ?なに言ってんだい?うちは保育所じゃないんだよ!そう簡単に返せるわけないだろ!?」


 とつぜん見幕が変わった老婆はなにかを隠しているのは見え見えだった。


「とりあえず一目でいいのであの子に会わせてくれませんか?」


「むっ…無理だよ!あの子はもう王都の孤児院に送られたんだ!」


「…そうですか、では…後日また訪問します」


 マリーはお辞儀をしてから孤児院を去ろうとすると、大きな物音が孤児院の中から聞こえる。


「もう我慢の限界だ、クソババァ。昨日の夜中に俺の妹と新しく入った子供を鮮血の月に売っただろ?」


 声の先には金髪で青眼の少年が剣を構えて老婆に向かっていた。


「なっ…マーズ!お前を今まで育ててやった恩を忘れたと言うのかい!?」


「黙れ!10歳すぎたら男は魔物と戦わされて、女は売春婦にされるてお前にコキ使われる人生のどこに恩を感じるって言うんだ!仕舞いには妹を奴隷として売られたんだぞ!もはや命も欲しくはねぇー!」


「くっ…助けて!助けてくれぇぇええええ!」


 老婆は尻餅をついたまま後退していく


「妹がそう言ったときに、仲間が大怪我したときに!お前が助けたことがあったか!?」


「おい…坊主。それはチッとばかしお痛しすぎなんじゃねーの?」


 老婆の後ろからトカゲと人間を混ぜたような容姿のドラグーンと呼ばれる種族の人間が五人。装備はククリと呼ばれる片刃の剣を持ち。皮の鎧で動きを軽くしていると云うところだろう。


「あら、トカゲくんたちもお痛がすぎてるわよ?」


 マリーはドラグーンたちからマーズを守るようにまえにでる。


「旅人さんか?あいつらはここらの村を最近乗っ取ったドラグーン族だ。俺はこの世に思い残すことはもうねーんだ。かまわないでくれ。」


「あら、残念。フラれちゃったわ。でも残念ながら私も君の会話からして無関係とは言えないのよね…それに簡単に命を捨てるのは愚か者のすることよ?妹さんが奴隷にされたら連れ戻すまで足掻きなさい?やるだけやったから死んでも良いって思うのは『愚か者』と『守りたい人を最後まで追いかけ続けた人』だけが言えるのよ?貴方がここで死んだら愚か者ね」


「まさか…あの赤ん坊の保護者か?」


「えぇー、そんなところよ」


 二人が話してる間にドラグーンはククリを鞘から抜き、臨戦体型をとる。


「あら?せっかちな男は嫌われるわよ?」


 真ん中にいたドラグーンはククリを握ったまま勢いよくマリーに突撃する。


『我を守れ ストーンフォール』


 マリーの目の前には三メートル近い石の壁が地面から浮かび上がってドラグーンの上段からの攻撃を防ぐ


『呑み込め ストーンホールド』


 ドラグーンの攻撃が終わるまえにマリーは既に次の詠唱に入っている。ドラグーンの攻撃を防いだ石の壁はすぐに崩れ去り、そのままドラグーンを飲み込んでしまう。


『焼き貫け ファイアーランス』


 マリーはドラグーンが石に呑み込まれるのも気にせず右側にいた2体に目掛けて焔の槍を投げる


 焔の槍は2体のドラグーンのちょうど間に突き刺さり、盾で防ごうとしていたドラグーンたちはきょとんとした顔で笑う


「嬢ちゃん、すごい魔法だけど当たらないと意味がねーぜ?」


「えぇー、そうね。ちなみにその槍は飛び散るわよ?」


「えっ?」


ボワッ!ヒューン、ヒューン、ヒューン!!!


 何かが破裂して空気を裂いていく爆音が鳴り響いた後に、そこに残っているのは真っ黒に焦げた2体のトカゲと真っ黒に焦げた大地だけだった。



「あちゃっ…やりすぎちゃった。また後でバビーに叱られちゃうかな?」


「なっ…化け物か!?」


 残った2体が後退しながら叫ぶ


「ふーん、言ってくれるじゃない?」


「うっ…うわぁぁああああ!」


 2体のドラグーンは我、一目散に逃げようとする。


「レディーに背中向けて逃げるって男としてどうなのよ…まぁ、逃がさないけど」


『標的を捕らえよ アイスフラワー』


 マリーが詠唱を唱えてから、マーズのほうに振り向くまでの一瞬でドラグーンの足から凍っていき、その氷はドラグーンの身体を完全に凍らせていきながら形を整えていく。2体のドラグーンは最終的に花の形をした氷像へとつくり変えていく。


「あっ…でも、2体も生け捕りにしなくていいっか」


 マリーがそう言うと一体のドラグーンが閉じ込められた氷の花はヒビが入っていき最終的に砕け散る。砕け散った氷の粉末は太陽の光に反射して、マリーを輝かせる


「さて、妹さんを助けに行きましょうか?」


「なっ…」


「あぁー、また派手にやってるなぁ…」


「あれ?アキラ、遅かったじゃない?」


「ごめんなさい!バビーに言われて鮮血の月のアジト探してたら遅くなってしまいました…」


「えっ?そうなの?生け捕り必要なかったじゃない。でも、それなら話は早いわね♪」


「えぇー、久しぶりに赤原の猟犬のお仕事です。悪人を懲らしめてやりましょうか…」


 アキラは何時もと違う鋭い目付きに変わりマーズのまえに歩いていく。


「君は、妹さんの居場所を知りたいですか?」




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 さて、赤ちゃんこと黒影は現在進行形で謎の洞窟の内部にいます。周りには牢に閉じ込められた子供達がひしめき合っていて、そのなかにリバーシック孤児院で見たマーズくんの妹さんもいるのだが、どーしたものか?


 やっぱりこの世界で生きる上で、必要なのは力だとつくづく思いながら牢のなかでふて寝する黒影であった。

さて、赤ん坊編もクライマックスが見えてきました。本筋のみで書いたのは別に主人公の扱いに困ったとか、そんなんじゃないんだからね!(笑)


嘘です。困ってます。

驚くほど困ってますww

喋れない主人公とかいらんやろ!(笑)


あと、貨幣の価値などはこの話が終わり次第というか、主人公が言葉を理解できるようになったら詳しく話していこうと思っております。


最後になりましたが

ご感想、アドバイス、質問なんでもお待ちしておりますのでお気軽にお聞きください!

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