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旧・君を幸せにするためにパパは異世界最強になる  作者: メクラチビゴミムシ
第1章 パパは赤ちゃん?異世界に立つ!
7/18

part.02

今回は少し長いです。

 結論から言うと俺は赤ん坊にされて異世界に転生されたらしい。このまえの自称神様との契約は夢ではなかったようだ。


 俺は、いま6人の男女と旅をしていた。俺は赤髪の男が舵をとる馬車に乗っていた。というより馬車にのる金髪の美女に抱えられていた。


 鎧のような翡翠色の鱗に守られていて立派な一本角が特徴的な馬にひかれている馬車は案外というか、かなり乗り心地が良かった。こんな生物を地球で見たことない俺はつくづくここが異世界なのだと実感してしまう。


 とうぶんの目標としてはこの世界の言語をマスターすること、そして常識を身につけることだろう。


 昨日からずっと話を聞いていると、男女6人の名前はわかった。


金髪の美女がアリシア


白髪のさくらんぼガールがマリー


ナヨナヨした背の小さい黒髪の少年がアキラ


茶髪で鎧を着込んだ目付きの悪い犬っぽい男がドーベル


先ほどから本しか読んでいない緑色の髪をした小さな女の子がラミ


そして馬車を舵する男がバビーだ。


 俺としては娘を一刻も早く探してやりたいところだが、あの神様もどきは朱犁の寿命は22歳だと言ってた。つまり22歳までは死なないのだ。


 なら、それまでにやれることをしっかりとやることが俺のとる行動だ。まずはさくらんぼガール…いや、マリーちゃんと仲良くなろう。…昨日は知らないうちに傷つけてしまったようだし。…言っておくが、けしてやましい気持ちはないぞ?本当にだからな?


 そう思ってマリーのほうに手を伸ばす


「マリー、どうやらこの子はマリーに抱かれたいようです」


「…えっ?」


 マリーはションボリしていた顔が満面の笑みに変わっていき、そしてハッ!となにかに気づいたかのようになったと思ったら顔を赤らめて、ソッポを向きながら


「しっ…仕方ないわね!良いわよ?来なさい!」


 黒影は彼女達が何を言っているのか理解できなかったが、おそらくマリーは表情豊かな子なのだろうと解釈した。


「アキラ…本当にこの子を近くの村に預けるの?」


 マリーが悲しそうな顔でアキラに問う


「…はい、僕たちの旅に赤ん坊はつれていけません。ここから一番近いリバーシック村の孤児院に預けるのがこの子のためにもなると思うんです。」


「そっか…残念だけど仕方ないわね…」


「マリー、気に病むことはないです。旅が一段落つけば必ず会えます」


「まぁー、それもそうなんだけど…」


「おい、お前ら。もうすぐリバーシック村につくぞ?」


 バビーの到着の合図で皆が一斉に降りる準備をし始める


「アキラ、このアホ山賊の大将さん。どーするよ?」


 ドーベルは右手に黒ずんだ金髪の髪をした男の首を持っていた。首はネジ切られるように引きちぎられており、未だに切り口からは鮮血が流れ出ていた。


 黒影の目から見ても柄が悪い男の生首を見るかぎり、この首の持ち主は元々は山賊か犯罪者だったのだろうと一目でわかるような容姿をしていた。


 やっぱり…この世界では人間の命を奪うことになんの躊躇いもないんだな。っていうか、躊躇えば奪われるのは自分の命なのだから殺さない方が可笑しい。俺は朱犁を救うためなら何人でも殺す覚悟が既に出来ていたので、その首から目を背けずにしっかりと見ておく。


「その首は…とりあえず衛門の人に見せてから役所までドーベルとラミで届けに行って賞金を受け取ってきてください。アリシアとバビーは宿をとって雑貨品を揃えてきてください。僕とマリーはこの赤ちゃんを孤児院に届けるので終わり次第酒場に集合ってことにしましょう」


「「「了解」」」


 どうやら俺は表情と雰囲気から察すると、このまま孤児院送りにされるようだ。俺としては若くて可愛いお姉ちゃん三人から離れるのは心苦しい。


 ここは、赤ちゃんという特権を存分に活かしてマリーちゃんのオッパイに顔をうずくめるとしようではないか。


 あれ?こいつキャラ違くね?とか不粋なツッコミはよしてくれよ、皆さん。娘の手前はエロいことを我慢してきたが男は皆オッパイ好きの変態!そう心は狼なのさ!


 などと、下らないことを考えているとすぐに目的地である孤児院へと着いたらしい。


「ここみたいですよ?」


 アキラが指差したのは如何にも潰れる寸前という言葉の似合う廃屋であった。


「…本当にここなの?」


「…はい」


 扉をアキラがノックすると目の濁った老婆が現れる。


「リバーシック孤児院になにかようかい?」


「あの…子供を運命の森で拾ったんですが、この孤児院で預かって貰えますか?」


「あぁー、そういうことかい。いいよ、どの子だい?」


 黒影はマリーの腕から老婆へと移されそうになり必死に抵抗する。この目をした人間は大抵は録な人間ではない。それに老婆よりも若いお姉ちゃんのほうが断然良い!


 しかし、所詮は赤ん坊の抵抗。無意味でしかなかった…


 アキラとマリーが孤児院から離れるのを老婆と共に見守り、俺は孤児院の中へと連れられて入っていく


「あんたら!なに見てるんだい!?さっさと働きな!」


 中には6歳から10歳ぐらいの少年少女たちが家事をしており、全員が濁った目をしながら手を動かしていた。


 ほら、やっぱり録な人間ではない。


 黒影は大きなベビーカーのなかに無造作に投げ出された。夕立になると10歳から15歳の少年たちが鎧や武器をもって帰ってくる。その少年達のリーダーらしき少年は金髪青眼で目付きの鋭い顔つきだった


「マーズ、今日の稼ぎは?」


「マザー、今日はこれだけです。すみません」


 そう言って老婆に小銀貨6枚を渡す。


「…これだけだって言うのかい?」


「あぁ、今日はファングスパイダーを一匹しか倒せなかったんです。許してください」


 少年は老婆に土下座をして謝るが、老婆は気にも止めない。老婆は自分の履いてるブーツの尖端を思いっきり少年の脇腹に振り抜く。


 少年は老婆の蹴りに受け身をとることも出来ずに後ろの洋服ダンスにぶつかる


「明日は銀貨2枚以上を持ってきな!」


 マーズと呼ばれていた少年は老婆がいなくなってからすぐに立ち上がり、後ろに隠していた大怪我の少年を部屋に寝かせる


「大丈夫か?医者に見せたらファングスパイダーの毒は完全にはまわってないらしいから、この解毒剤を飲めば治るってよ!」


 そう言ってから怪我をした少年に青い薬を飲ませてから包帯で怪我した箇所をマーズは巻いていく


「ごめんよ、マーズ。僕が怪我したから報酬で医者に…お金が足りなかったはずなのに大丈夫だったのかい?」


「あぁー、大丈夫だったさ!あのクソババァは俺が睨んでやったら尻尾巻いて逃げやがったぜ?見せてやりたかったよ…」


 黒影には彼らがなにを話してたのか理解は出来なかったが、行動でだいたいの予想はできた。


「…マーズお兄ちゃん、大丈夫?」


「おっ、ネオセラ。これからお仕事なのか?」


「うん…今日は肉屋の店主だって…私、もう嫌だよ…どうしてこんな辛い思いしなきゃ…」


「…ごめんな、あのクソババァだけならすぐにでも殺せるのにっ!」


「殺すなんてダメだよ!マザーを殺したら、鮮血の月に殺されちゃうよっ!?」


 黒影は二人を見守りながら自分の不甲斐なさに嫌気がさしていた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「「「乾杯っ!!!」」」


 リバーシック村の酒屋

《マタタビ酒と小猫》

その店内で赤原の猟犬メンバーは旅の疲れを癒してた。


「にしても、あの子供は勿体無かったな」

 ドーベルが腕を組ながら話しかける


「ドーベル、なにがです?」


「あぁー、あいつ魔眼もちだよ。しかもスゲェー魔力量だった。今から育てれば俺より強くなったかもしんねぇー。」


「アキラ…そうなんですか?」


「…うん、でも僕達と来るなら無理やりでも強くなっちゃうと思うんだ?望んでもない力を持たされるのは辛いから」


「そっか…」


「だけどよ、ガキの人生を決めんのはガキだぜ?聞いた話じゃ、最後はマリーにくっついて孤児院に入るのを拒んだらしいじゃねーか。そこんとこどうなのよ?マリーお母さん」


「…私、やっぱりあの子を返してもらう!」


「…私は…応援…する」


 ラミは両手をあげてファイトのポーズをとる


「おいおい、バビー。なんで言っちまうんだよぉー、せっかくアリシアが珍しく賭けにのってきたって言うのによぉー」


「ふん、こんな賭けは賭けと言いません」


「なっ!あんた達、私で賭けしてるんじゃないわよ!」


「そっか…マリーが決めたことなら僕も応援するよ。マリーお母さん」


 アキラはニコッと笑い。マリーはその笑顔にドキッとしながら今日が終わる。

ここらへんは主に主人公は活躍しません。むしろ主人公は黒影ではなく、アキラとマリーです(笑)


黒影は青年になるまでは成長の仮定を書いていけたら良いなぁーっと思ってるので青年になるまでは、ただの傍観者ですw

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