表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/18

prologue 5

どうせならprologueもキリ良く終わらせたかったんで異世界側のprologueも一話だけ追加してみました。

 スカイオールは剣と魔法が支配する世界である。外を歩けば魔物と山賊に遭遇し、力のないものが無暗に出歩けば骨と僅かに肉塊が残るだけで道端に転がるのが現状だ。


 そんな夜道で悠々と焚き火している男女がいた。元々はリーダーの白鳳 (はくほう あきら)の武者修行からできたこのパーティーはいまでは暁を含めて六人という人数になっていた。


 暁は黒い長髪を後ろで纏め、黒いコートの下に黒い皮の鎧を着込んだ男だった。瞳は黒く、その目には強さを求める確固たる信念が宿っていた。


「あぁー、まだ次の村につかねーの?俺っち早く女の子と楽しいお酒飲みたいよぉー!」


「うるさいわね!近くにこんな美少女いるんだからちょっとは黙りなさいよ!!!あっ、また錬金術失敗しちゃったじゃない!」


 暁の右隣には茶髪の短髪をオールバックにして犬っぽい顔以外をすべて青い鎧で纏った男がいた。


「それを俺っちのせいにしちゃうのはちょっと御門違いなんじゃない?マリーちゃんよぉー?」


 マリーと呼ばれる女は暁の左隣に座りながら魔方陣らしき図のなかで赤い薬草と蜥蜴のような変な生き物を擂り潰していた


 マリーは白い髪をツインテールにして、白い瞳をもった美しい女性である。マリーは白いワンピースのような服のうえに黒いローブを被る格好で、その姿は自他共に認める美女であった。特徴はその美しい顔から伸びる長い耳で彼女はエルフの中でも特に珍しいハイエルフと呼ばれる純血のエルフだった。


「私が失敗するような錬金術じゃなかったのよ!?これが貴方のせい以外にあるっていうの?」


「まぁ、まぁ、落ち着いてくださいマリー。そこの[犬畜生]…おっと、失礼。そこのドーベルが力以外で役に立ったことがありましたか?ないでしょう?つまりそういうことです。」


 マリーの後ろから濡れた金髪をタオルで拭きながら近づいてきた女性は力強い目でドーベルと呼ばれる青い鎧の男を睨み付ける。


「あれ、アリシアさん…?さきほどのことをまだ怒ってらっしゃるんですかい?」


「もちろんです!裸体を見られたのですよ!?裸体を!?」


 アリシアと呼ばれる女性はセミロングの金髪と青い瞳をもつ文句のつけようがない美女だった。アリシアは赤いドレスのうえから急所だけを守るように鎧で隠しており、腰には一振りの大きな両手剣を挿していた


「あんた!また覗きをしたの!?もう辞めるって約束させたのに…良いわ!わたしの魔法で消し炭にしてやるんだから!」


 マリーが叫びながら手に火を生み出すとドーベルは両手をあげて降参のポーズをとる


「マリー、私も賛成です。この駄犬にはお仕置きが必要です。命をもって償わせましょう」


「俺っちは暴力反対だよぉー!」


「…バビー…喧嘩…止めて」


「お前ら、もう飯だぞ?暴れてねーで食え」


 お盆には六人分の料理が並べられて。干し肉とジャガイモを使い、香料で味付けしたスープ。そしてヌエと呼ばれる生き物のコクのある乳からできたチーズを生地のなかに詰め込み焚き火で焼くことによりパンのなかにトロトロのチーズが入っているパンが置かれていた。


 お盆を持っている男は、眼鏡に赤い髪を乱雑にセットした人間で服装は普通の白いシャツにズボンを履き上から緑色のコートを着ている軽装な格好をしていた


「晩飯は五人で結構よ、すぐ終わるから待ってなさい。」


 そう答えてマリーは手から火球を連射していき、ドーベルは鎧を着ていながら火球を軽やかにかわしていくが、行く手にはアリシアの大剣があった。アリシア渾身の一撃は風圧だけで近くの木々を薙ぎ倒していき、ドーベルは命からがら避ける。


「ラミ、俺には無理そうだ。他をあたってくれ」


「…アキラ…とめて」


 ラミと呼ばれる少女は、緑色の髪をショートにしてクリクリっと大きな黒い瞳をもつ子だった。服装は一般的なシャツとズボンのうえに緑色の可愛らしいローブをした格好であった。


 ラミに言われて、暁はゆっくりとその場で立ち上がりドーベルとアリシアの間に瞬時に移動する。そのスピードはまさしく神業。


「あのぉ…喧嘩はよくないし、僕はお腹すいちゃったからご飯にしない?」


 背が160センチもない暁は3人を見回して、下からお願いする。物理的にも精神的にも。


「ったく、アキラは強いんだからもっと自信もちなさいよ!イライラするわね!!!」


 マリーが説得に折れて、行き場のない怒りを暁に向けてしまう。


「ごめんね…僕が男らしくないから…」


「アキラ、マリーはそういうところを言ってるのです。自分に自信を持ちすぎるのは戦場で不覚をとりますが、貴方は極端に自信がなさすぎます」


「…はい」


「そうお二人さんは攻めなさんなよ!アキラっちも考えてるんだからよぉー」


「ありがとう、ドーベル。でも覗きはしないって約束したんだからダメだよ?」


「うっ…はい」


 ドーベルは顔をシュンとさせて下に向ける


「ん?こんな森のなかに人の臭いがするぞ?こっちだ!」


 こうして、 スカイオールのノア王国付近にある運命の森で、娘を守るために最強を志すパパとノア王国最強S級パーティーである。赤原の狩人(せきげんのかりうど)が出会ったのであった。

今回は、主人公はでできません。

これから主人公が異世界で生きるうえで居なくてはならないメンバーの紹介を兼ねてprologueで一話使わせて貰いました。



次から本編が始まります!!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ