表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
旧・君を幸せにするためにパパは異世界最強になる  作者: メクラチビゴミムシ
第1章 パパは赤ちゃん?異世界に立つ!
10/18

part.05

 洞窟の最深部ではドラグーンと小さな男が向き合っていた。ドラグーンはいたるところに古傷があり 、特に左目は火でタダレてた肌の上から斬られたのであろう古傷が痛々しく残っていた。


「お前が頭領か?」


「あぁー、それにしてもまさか赤原の猟犬のリーダーがお前みたいなガキだなんて恐れ入ったよ」


「…これでも成長期だ」


「これでも長く生きてきたつもりだ。相手の力量ぐらいわかる。…なぜそこまでの強さを身につけた?」


「…力なきものを守るためだ」


 そう言ってアキラは双刀を構える。


「その構え…ハハハッ」


「っ!?」


「なにが弱きものを守るためだ?…お前はただの復讐に燃える悪鬼ではないか?この復讐者め!」


「おまえ!?白凰家を…あいつを知ってるのか!?」


「お前に答えてやる義理などない!『鮮血の月、頭領!!!泥沼のヤーウェー!』この命をかけて最後の戦いと挑もうではないか!!!」


「なっ!?答えろ!」


 ヤーウェーはアキラの叫びを聞くこともなく、大斧を片手で持ち上げて地面に叩きつける。地面は大斧の威力に耐えきれずに衝撃地点からひび割れていく。


「くっ、魔武器かっ!?」


「存分に楽しませてくれよ?復讐者よっ!!!」


 アキラの足場までひび割れてくると割れた地面から泥が現れてアキラの足を捕らえる。アキラは急に動きを停められてしまい、前の方に膝をついてしま う


「白凰家も地に落ちたな!」


 ヤーウェーは泥に飲み込まれて完璧に動きのとれなくなったアキラにトドメを刺すために大斧を引きずりながら駆け抜ける。


「死ねぇぇえええええ!」


 アキラに向かって大斧を振り上げながら叫ぶヤーウェー


 飛び散る鮮血は周りのものを真っ赤に染め上げていく。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 洞窟のなかでは10人ぐらいのドラグーンと剣と拳を交えている子供と大男がいた


「おぉー!マーズくんだっけ?けっこう戦えるじゃねーか?」


「…ドーベルさんは強すぎですよ」


「ハハハッ、まーな?」


 マーズの後ろから上段から切り裂こうとするククリを右拳で叩き割り、そのままドラグーンの顔を左手でぶん殴る。するとドラグーンの顔は左周りに勢い良く回り、更にその勢いは留まることを知らずに回ろうとした結果。ドラグーンの首は骨を粉々にし 、筋肉が千切れ、首の皮すらもネジ斬られてしまう 。


ぽーん!コロッ


 ネジ斬られて地面に落ちる頭にドラグーンが怯むところをマーズは斬ってるだけなので正直に言えば何もしてないのが現状だった。人間はあまりに規格外の化け物と相対させられると動けなくなるものなのだ


 ドラグーンも、残り三体になったところで突然ドラグーンの後ろの壁が風の衝撃に切り裂かれていく 。その風の衝撃に巻き込まれて三体のドラグーンも細切れとなって地面に落ちる


「あら?俺っちの獲物やられちった?」


 壁の向こうには、アリシアと赤ん坊を抱き上げるマリー。そしてアリシアに守られるように後ろにいる8人ほどの痩せ細った子供。


「…お兄ちゃん!?」


 アリシアの後ろにいた一人の金髪の女の子がマーズの元へと駆ける。


「コローネ!」


 マーズとコローネと呼ばれる少女は抱き合い涙を流す


「お兄ちゃんも…お兄ちゃんも助けにきてくれたの!?…ありがとう!怖かったよぉぉおおお」


「よしよし」


 マーズはコローネを抱き締めて、ゆっくりと頭を撫でる


「…なぁ?」


 感動のシーンを眺めるアリシアとマリーにドーベルが訪ねる


「なんですか?あなたは空気も読めない駄犬なんですか?」


「…いやぁー、俺っちも空気は読んでやりたいんだけどよぉ」


「なによ?煮え切らないわね!」


 マリーが中々に言い出さないドーベルのしゃべり方に腹が立ち怒る


「たぶん、洞窟が崩れんぜ?」


「えっ?」


 ドーベルが言うと洞窟の天井にヒビが入る


「走れぇぇええええ!」


 皆は勢い良く洞窟から抜け出すために走り出す。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ヤーウェーだっけ?せっかく俺を捕らえたんだから魔力の供給をしっかりしないとダメでしょ?トドメを刺そうとしたときにだいぶ泥の魔力が乱れたよ?」


 アキラは最後の一瞬でヤーウェーの魔力の流れを見切り、緩んだところを瞬時に居合い斬りの要領でヤーウェーの横腹を切り裂いたのだった


「…ぐふっ」


 ヤーウェーは身体を地面に倒し、口から溢れる血を吐き出して呼吸をしようともがく。


「さぁ、あいつのことをしゃべって貰おうか?」


「…嫌だね!」


 ヤーウェーは、部屋の中央にある洞窟を支える石を大斧で砕いて泥に変えてしまう。


 揺れる洞窟、ひび割れる天井。


「お前も、一緒に付き合ってもらうぞ!」


「チッ!」


 アキラは舌打ちしてから外へと駆けようとする


[…アキラ…天井…壊して]


「ラミか?」


[…うん]


 頭に直接と響く声の正体はラミの魔法であった。


 アキラはラミの指示通りに天井を壊すため、指輪へと魔力を込めてアキラの体より大きな大弓をとりだす。


「ケルベロス、悪いけど仕事だ。矢は狂犬」


 アキラがそう呟くと右耳にぶら下げた3つのピアスのうち1つが光の矢へと変わる。


「貫け!狂犬!!!」


 アキラが弓を放つと、光の矢は破壊の化身とも言えるような威力を持ち。そのまま天へと昇っていく。天井の石は床に落ちる前に矢の威力で溶かされていき存在すら残らなかった。


[…いま…わたしの召喚獣…向かわせた]


「了解」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 黒影は赤原の猟犬のメンバーを見て、あることを決意していた。


 俺は、こいつらに戦いを教えてもらおう。


 赤犁を守るために、そしてこの世界で弱い立場の人を守るためにも。


 黒影はアキラたちの戦いに感銘をうけた。力の弱い人たちを守るために力を奮う赤原の猟犬たちは、黒影には理想とする力の使い方だった。



とりあえず鮮血の月編は終わります。

ここでアキラの過去を匂わせたかったのと黒影が彼らと共に旅する理由と生き方を作りたいがために書いた話なんですが…


すげぇー、やりにくかったです(笑)

主人公が喋れないって無理ゲーとか思いながらも書いたんですがどうでしたか?w


とりあえず赤ん坊編はあと二話の予定です。

二話終わればパパさんの修行風景と赤原の猟犬メンバーの各人のストーリーをやりたいと思ってます!!!


次回は今回の鮮血の月攻略で出なかったあの人の本当の力がっ!てきな感じでやってきます(笑)


最後になりますが感想、アドバイス、質問、誤字脱字がありましたら気軽におっしゃってください♪

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ