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24.銀髪のヒーロー2

 俺の名は、セドリック・エーレンベルク。

 銀髪、紫の瞳、公爵家の嫡男だ。


 先日、偶然、たまたま、街でマレーネを見かけた。

 マレーネは市井の格好をしていても輝いて見えた。

 淡いピンクブラウンの髪に、薄紅色の瞳。派手すぎない美人。


 ああ……愛しのマレーネ。


 俺はずっと、彼女のことが好きだった。

 街でマレーネを見かけたときは、まさに運命だと思った。


 しかし、一緒にいたのは婚約者、ルート・ヴェルナーだった。


 そしてもう一人――深く帽子をかぶった、少年……いや、青年が一緒だった。

 顔はよく見えなかったが、とにかく知らない男。


 あれは誰だ?


 憎き男・ルートも、マレーネも。その少年に気を遣っているように見えた。

 まるで、彼がライナ殿下のような――。


 って、そんなはずはない。あれはどう見ても男だった。


 しかし、もしかしたら、王女が男に変装していた、という可能性はあるな。

 ……であれば、見事な変装であった。



 それから、昨日も偶然、本当にたまたま、王宮でマレーネを見かけた。


 マレーネは倉庫に入っていった。

 何をしているのか気になった俺は、彼女の背中を遠くから眺めていた。


 すると、侍女三人が、倉庫に鍵をかけたではないか。


 なんということだ! 許せん!!


 すぐに駆け付けようとして、はた、とする。


 これは、マレーネを助けて求婚する絶好のチャンスなのでは――!?


 すぐに助けてやりたいが、こういうのはもう少し、待ったほうがいいのではないか?


 マレーネが怖くなって、泣いてしまいそうになった、まさにその瞬間に登場するのがベストタイミング……!


 すまない、マレーネ。もう少しだけ、辛抱していてくれ。


 ――そう、思ったのに。


 またしても、先にライナ王女が彼女を助けてしまった。

 それも、なんと、マレーネと一緒に婚約者が閉じ込められていたではないか。


 おのれ、ルート・ヴェルナーめ……!!


 こんなことなら、すぐに助けに行けばよかった……。

 二人が密室で過ごしていたのかと思うと、悔しくてたまらない。


 ……俺は、本当に間が悪い。


 しかし、ライナ王女はとても怒っていた。

 やはり、ルートと王女はできていて、マレーネと二人きりだったことに腹を立てているのだろう。


 そう思ったが、どちらかというと、王女はルートのほうに怒っていた。

 マレーネを心配していたのだ。


〝王女とマレーネはとても仲がいい〟という噂を最近耳にしたが、あれは本当だったのか。


 それにしても、不思議だ。


 王女は男嫌いで知られているが、ルート・ヴェルナーだけは特別だった。

 彼らは浮気をしていたはずだった。


 それが、突然その婚約者の女性であるマレーネと、やたらと親しくするようになった。


 ……おかしい。一体、どうなっているんだ。



 ライナ王女には、婚約者がいない。

 それはルートのことが好きだからだと思って、疑わなかった。

 マレーネとの婚約が解消されてから、王女とルートが婚約をするはずだったのに。


 実は、俺の父は王女と俺を結婚させたがっている。


 俺は公爵家の嫡男だ。王女との縁談がくるのも当然だ。

 

 しかし、それはあり得ない。そんな未来はやってこない。くるはずがない。


 俺は、マレーネと結婚するのだから。


 マレーネとルートは、愛のない政略的な婚約をした。


 二人の婚約は、解消される。


 マレーネは俺を好きになってくれる。

 そして俺はマレーネを溺愛し、二人で甘くてとろけてしまいそうなほど情熱的な日々を送る――。


 はず、だったのに。


「……っ」


 このまま待っているだけでは、マレーネとルートが名実ともに婚約者になってしまうかもしれない。

 本当に結婚してしまうかもしれない。

 そんな未来は予定と違う。


 何かがおかしい。


「……ならば、もう待っているだけではいられない」


 こうなったら、俺の出番は俺自身で作ればいいんだ――。


 大丈夫。きっとマレーネも俺を好きになってくれる。


 俺とマレーネは、結ばれる運命なのだから。




銀髪のヒーローいよいよ怖くなってきたけど大丈夫?笑

次回、仮面舞踏会!

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