8.レオンがやって来て、軽くフォロー…そして微妙に甘い空気
アリアの研究室。
新聞の一面にドンと載った自分の名前を前に、アリアは机に突っ伏していた。
アリア
「うわああああ……どうしてこうなるの……!?
私、ただ魔力事故が減ればいいな~くらいで……!」
そこへ、ノックもそこそこに静かな足音が近づく。
レオン
「アリア、少しいいか?」
アリア
「ひゃっ……! ど、殿下……!」
レオンは散らばった新聞と資料をざっと目に通し、苦笑しながら言った。
レオン
「呼ばれ方はどうあれ、
君の改革が城を救っているのは事実だよ」
アリア
「い、いや、そんな……!
そんな立派なものじゃ、ぜんっぜん……!」
慌てて否定するアリアの髪がふわりと乱れる。
それを見たレオンは、ごく自然な仕草で手を伸ばし――軽く、整えるように触れた。
レオン
「胸を張るといい。
君の知識は、この国の宝だ」
ほんの一瞬だけ、アリアの頭を優しく撫でるような動き。
その人差し指の軌跡に、アリアの顔が一気に真っ赤に染まった。
アリア
「~~~~っっっ!!!」
その場に固まるアリアをよそに、レオンはまったく自覚がない様子で微笑む。
――そして、研究室の物陰。
護衛A(小声)
「殿下、今日も自然に距離を縮めてる……」
護衛B(小声)
「“恋の兆し”から“確信に近い一歩前進”にアップしたぞ」
アリア(心の声)
(やめて~~っ! 聞こえてるからっ!!)
研究室の空気は今日もほんのり甘く、
そしてアリアの心拍だけがありえない速度で跳ね上がっていた――。




