7.アリア、呼び名を知って大混乱
アリアの研究室。
机の上には、次の「魔力安定ストレッチ」案のメモが散らばっている。
本人は真剣そのもの……だったのだが。
ルチア
「お嬢様、街でこう呼ばれているそうです。
“平和の悪役令嬢”と……」
アリア
「…………は?」
一瞬、時間が止まった。
そして次の瞬間、アリアは両手で頭を抱える。
アリア
「いやおかしいでしょ!?
なんで私、悪役なのに平和をもたらしてるの!?
矛盾してない!? タイトルどうなってるの!?」
机の上のメモがぱたぱたと落ちるほどの慌てようだ。
対して、ルチアはにこにこと悪戯っぽい笑みを浮かべている。
ルチア
「でも素敵じゃありませんか?
“平和を広める悪役令嬢”なんて、世界でもお嬢様くらいですし。
さすが、“アリア様のやることは全部おもしろい”と言われるお方です」
アリア
「それ、褒められてるのかどうか分からないから!!」
ルチアは楽しげに悪役めいた微笑みを浮かべる。
ルチア
「おもしろくて、平和で、人を救ってしまう悪役……
とてもお嬢様らしいと思いますよ?」
アリア
「そんな悪役らしさ求めてない!!」
研究室にアリアの悲鳴が響くが、
城下では今日も“平和の悪役令嬢”ブームが広がり続けているのだった。




