5.民間でも“健康ブーム”が暴走的に拡散
街の市場は、いつもより活気に満ちていた。
だが、その賑わいには微妙に――いや、かなり――健康的な色が混ざっている。
店主の奥さん
「最近はね、朝に“アリア様の魔力呼吸”をするのよ。
あれを三回やると体が軽くてねぇ」
客A
「あれいいわよね〜。私、魔力酔いがしなくなったわ。
仕事中のイライラも減ってさぁ」
市場のあちこちで、肩を回す人、深呼吸をする人、妙に姿勢が良い人が続出している。
──そして、さらにブームは暴走していた。
客B
「ねぇ見た? “アリア式肩回し体操”の動画。
ほら、街角の魔法屋さんが朝に配信してるやつ!」
客C
「見た見た! あれ、途中で花粉対策の呪文まで教えてくれるのよね!」
客B
「それはもうアリア様関係ないと思うけどね!!」
市場の壁には、アリアの名を冠した健康メニューの紙が貼られ、
店先には“魔力すっきり茶”“アリア式栄養スープ”など、勝手に名前をつけた商品が並ぶ。
客D
「健康オタク令嬢って、ほんとすごいわねぇ。
この国の空気まで変えちゃうなんて」
噂はどんどん、勝手に、予想外の方向へと広がっていく。
――アリア本人が見たら、確実に叫ぶだろう。
アリア(幻聴)
「私、そんなブランド化した覚えないんだけど!??」




