4.アリア本人は“えっ私そんなに?”状態
アリアの研究室は、今日も平和だった。
机の上には、姿勢図・魔力流路のメモ・新作ストレッチ案。
アリアは湯気の立つハーブティーを片手に、いつものように集中している。
アリア
「最近、城の人たちが元気になってきた気はするけど……
こんなに広がるとは思わなかったなぁ。
あれもこれも、せいぜい“軽い改善”程度のはずなのに……」
そこへ、バタバタと足音。
勢いよく扉が開き、ルチアが新聞を掲げて突撃してきた。
ルチア
「お嬢様! これをご覧ください!」
アリア
「え、な、なに? また誰か魔力暴走したとか……?」
ルチアは無言で新聞を広げる。
その一面、大きな見出しが踊っていた。
◆【王城の魔力安定率、史上最高値を記録】
その下に、少し小さく。
だが、確かに書かれている。
◆《アリア・フォン・シュトラール嬢の生活改善改革により》
アリア
「ひぃっ!? なんで私が一面に!?
えっ、待って……もっとこう……王子殿下とか、偉い人を出してよ!?
私ただの健康オタクなんだけど!?」
ルチア
「皆さん、お嬢様を“魔力安定の恩人”として紹介したいそうですよ!」
アリア
「そんなの聞いてないーー!!」
研究室の天井を見上げ、アリアは項垂れた。
だが心のどこかで――ほんの少しだけ、誇らしい気持ちが芽生えていた。




