表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
健康オタク悪役令嬢、静かに城内改革を始めます  作者: 南蛇井


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

83/99

第14話 魔力安定率、史上最高を更新 ―“平和の悪役令嬢”誕生回― 1.王城の朝、驚異のデータが公表される

夜明け前の薄明かりが差し込む魔術研究局の会議室では、すでに慌ただしい気配が満ちていた。

 水晶板の前に集まった研究員たちが、信じられないという顔でざわめいている。


「見間違いじゃないのか?」

「いや……何度確認しても同じ結果です……!」


 巨大な水晶板には、魔力の推移を示す鮮やかな青い軌跡が、まるで一本の糸のように滑らかに伸びていた。

 波打つことなく、乱れもなく――これまで見たことがないほどの安定さで。


 そこへ、セドリック局長が重い足音を響かせながら入室する。


「朝からやけに騒がしいな。何があった」


 研究員たちが道を開け、局長を水晶板へと誘導した。


セドリック局長

「……魔力事故件数、ついに“ゼロ”だと?」


 普段は無表情に近い局長も、今日は目を見開いていた。


研究員A

「はい。ここ一週間、重大事故はおろか、軽微な魔力暴発すらほとんど発生していません」


研究員B

「安定率指数は観測史上最高値です。むしろ……異常値と言っていいレベルです」


 その宣言に、会議室がさらにざわめく。


「どういう仕組みなんだ……?」

「魔力線の構造が一時的に書き換わったのか……?」


 しかし、研究員Cが手を挙げて、はっきりと、しかし困惑した表情で言った。


研究員C

「……おそらく、原因は“アリア嬢の魔力姿勢改善策”かと」


 研究員たちが「やっぱりか……」と小声で頷く。


研究員D

「例のストレッチと呼吸法、今では王城の八割以上が毎朝やってますよ。私も試しにやってみたんですが……肩こりが消えまして」


研究員E

「魔力操作前の呼吸法なんて、古代魔術書にも載っていないのに……。あれは本当に効果がある」


 “肩こりが治った”などの健康談まで飛び交い始める始末だ。


 セドリック局長はこめかみを押さえ、深いため息をついた。


セドリック局長

「……あの令嬢は、一体何者なのだ」


 驚愕ではなく、半ば呆れ、半ば敬意のこもった言葉だった。


 魔術研究の専門家である彼らが、自分たちの常識を軽々と超える成果を、

“ただの令嬢”が成し遂げてしまったという現実。


 ――アリアの影響力は、もはや単なるお嬢様の趣味ではない。

 王国の魔力学に影響を及ぼす、“専門家レベル”として認識され始めていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ