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次回に続く“微妙に甘い空気”
夜。
静寂に包まれた王城のテラスで――
レオンは一人、月光に照らされた古代石板を手にしていた。
風が涼しくて、静かで。
昼間の喧騒が嘘のように遠い。
レオン
「……アリア」
ぽつりと名前を呼ぶ声は、
誰に聞かせるでもなく、ただ夜に溶けていく。
レオン
「きみと一緒なら……
この国をもっと良くできる気がするんだ」
その表情は、王太子としての責任と、
一人の青年としての想いが入り混じった穏やかさ。
レオン
「その想いが……いつか伝わるといいんだけどな」
そう呟くと、彼は石板を胸元に抱え、
ふっと柔らかく微笑む。
恋と呼ぶには遠い。
けれど確かに存在する、
あたたかな気配。
夜風がそっと彼の髪を揺らし、
その静かな決意を祝福するように流れていった。
――ゆるく、少しずつ。
否応なく、自然に。
二人の距離は、今日もまた縮まっていく。
(そして明日も、王城は元気に健康オタク革命中である)




