遠くから見守る(盛り上がる)取り巻きたち
夕暮れの中庭。
アリアとレオンが並んで歩くその少し離れた場所――
木陰と花壇の裏には、不自然なほど同じ方向に顔を出す影があった。
ルチア
「……お嬢様、さっきからずっと真っ赤ですね……!」
ヴァルノ
「王子殿下の声のトーンが通常より0.3低い。
これは“距離を縮めにきている音域”ですよ」
護衛A
「おい、今の言葉聞いたか? 『未来をよくできる気がする』だとよ」
護衛B
「動いたな……殿下がついに……!」
護衛C
「いや、まだ甘い。“兆しレベル”だ。
もう一押しイベントが来ないと正式ルートには入らん」
ルチア
「な、何の話をしてるんですか!?」
ヴァルノ
「殿下×アリア嬢の進捗予想ですよ。
私は“一週間以内にもう一段階進む”に一票です」
護衛A
「俺は“次の危機で急接近”に賭ける」
護衛B
「いや、“偶然の手が触れる”が先だろう」
ルチア
「ちょ、ちょっと!? なんで賭けまで始まってるんですか!?」
取り巻き全員、妙に真剣な目。
取り巻きたち
「王国の未来がかかっているからな」
そこへ、ちょうどアリアが振り返る。
アリア
(……なんか背後から視線がする……)
物陰の一同
(スッ……!)
※全員、揃って木の後ろに隠れる。
アリア
(やめて……お願いだから……!
もう放っておいて……!!)
夕暮れの中庭には、
レオンの優しげな声と、
それを見守りまくる取り巻きたちのざわつきが交錯していた。
アリアの“ゆる恋の気配”は、本人の意思をまるっと無視して
周囲の盛り上がりによってどんどん加速していく――。




