しかし、古参貴族が猛烈に反発(ゆる不和)
――学者たちがアリアを褒め称え、
“魔力健康学の母”などと持ち上げていたその裏で。
王城の別室では、古参貴族たちが会議室いっぱいに集まり、
どす黒い空気がむんむんと漂っていた。
古参貴族1
「魔力とはな、精神力でねじ伏せるものだ!!」
古参貴族2
「寝不足? 脱水? そんなものは怠け者の言い訳よ!!」
古参貴族3
「若い頃は三日三晩寝ずに魔獣を討伐したものだぞ!!
あれこそ若者の鍛錬というものだ!」
どこか誇らしげに胸を張る彼らだが、
アリアは眉尻を引きつらせた。
アリア
「いや……それ、普通に危険でしょ!?
生存率いくつだったのよその討伐!!?」
古参貴族たち
「ぐっ……!」
そこへ、さらに重厚な足取りで“もっと古い”名門の大貴族が立ち上がる。
杖を鳴らし、厳しい声で言い放った。
大貴族
「魔力暴走は精神の弱さが原因。
昔の魔術師は皆、根性で乗り越えたものだ」
アリアは一瞬、彼を観察し、
その周囲の魔力の濁りと疲弊を見て――
ため息をつく。
アリア(冷めた目)
「……その“昔の人”の中には、
根性で押しつぶされて暴走して亡くなった人も多かったでしょう?」
大貴族
「……っ!」
古参貴族1
「な、なんという物言い……!」
古参貴族2
「だが……否定できん……!」
古参貴族3
「ぐぬぬ……確かに……徹夜討伐で二人倒れた……」
アリア
「ね? だから根性じゃなくて“整える”のよ。
精神論で魔力を押さえつける時代は、終わりにしましょう」
貴族たち
「ぐ、ぐぐぐ……!」
――古参貴族たちの反発は強かったが、
彼ら自身の体調不良もあまりに明らかで、
アリアの正論に反論しきれないのであった。




