最大の敵は王子だった
“魔静タイム”を城内に広めるため、まずは上層部の理解が必要――
そう考えたアリアは、王子の執務室を訪れた。
扉を開けた瞬間、
ほの暗い部屋の中で、王子は魔導書の光だけを頼りに読み耽っていた。
アリア
「……すでに寝不足の現行犯がいるんだけど?」
王子
「ア、アリア嬢!? なぜ今ここに?」
アリア
「夜の魔力の濁り調査よ。あなたから行くわ。」
■“スクロール禁止令”を聞いた王子、即座に青ざめる
アリアが説明を始めると、
王子の顔色が見る見るうちに真っ青になった。
王子
「……寝る前の、魔導書スクロール禁止……?」
アリア
「そうよ。」
王子
「そ、それだけはやめてくれ……!
あれが無いと眠れないんだ……!」
アリア
「完全に現代人の悩みじゃないのよ!!」
■アリア、正面から斬り込む
アリア
「というかあなた絶対寝不足の顔よ!
その目の下のクマ、もはや芸術の域に達してるわ!!」
王子
「芸術的疲労は褒め言葉にはならないんだが!?」
アリア
「自覚あるのね!?」
■抵抗する王子 vs 容赦しないアリア
王子
「しかし! 夜は静かで読書に最適で――」
アリア
「言い訳しない!」
王子
「寝る前くらい好きなことを――」
アリア
「はい、魔力診るわよ。逃げるな。」
王子
「や、やめ――!」
アリアは素早く王子の手首を取り、
魔力脈へ軽く指を当てた。
アリア
「……はい、魔力濁度30%。寝不足確定。」
王子
「そんな数値化しないで……!!
心にくる……!」
アリア
「心にくるレベルで寝不足なのよ。」
結局、王子は“寝る前スクロール禁止”を
最も嫌がりつつ、最も必要としている人物だと判明した。
こうして王城の睡眠改革、最大の敵――
王子の説得は、アリアの圧勝で幕を閉じるのだった。




