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第7話 学校
今日も学校に来た。
教室に入ると、席はほとんど埋まっていた。
友達と挨拶を交わす。
「おはよう」と声をかけると、笑顔で返ってくれる。普通の朝だ。
授業が始まる。
黒板には先生が書き込む文字が並ぶ。
問題もいつも通り。手を挙げて答える。
でも、隣の席の人の数がいつもと少し違う気がした。
いや、気のせいだろう。気にすることはない。
休み時間になった。
校庭に出る。風が少し冷たくて、でも日差しは暖かい。
友達と一緒に遊ぶ。走り回ったり、話したり。
でも、時々クラスメイトの姿がスッと消えたり、違う場所から現れたりする。
……でも、別におかしいことではない。普通のことだ。
午後の授業も、変わらず進む。
先生の声が響き、窓の外には校庭の景色。
見慣れたはずの風景が、少しだけずれて見えることがある。
それでも、私は机に座り、ノートを書き写す。
普通に、日常をこなすだけだ。
放課後。
家に帰る道を歩く。
途中で誰かとすれ違った気がするが、振り返っても誰もいない。
でも、それも普通のことだと思う。
今日も、学校は普通だった。