表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この本を読む貴方へ  作者: 不明
4/11

第5話 食卓


夕食の時間だ。

家族がテーブルに集まる。母が作った料理が並ぶ。

いつも通りだ。普通の、夕食。

箸を手に取る。

ふと気づく。今日は赤が強い。昨日よりも赤いものが多い。

ああ、そうか。トマトが入っているのか。美味しそうだ。いや、味はまだ分からない。色が先に目に入った。

父が話す。

「今日は学校どうだった?」

ああ、そうだ。学校か。普通に過ごした。友達と話した。

「うん、普通だった」と答える。

父は笑う。母も笑う。みんな、普通だ。

でも、赤が気になる。

「この赤、昨日より濃いな」と心の中で思う。

箸で少しつつく。口に入れる前に匂いを嗅ぐ。

……変な匂いはない。

美味しいかどうかは、まだ分からない。

少し食べる。口に運ぶ。

味は普通だ。いや、普通以上かもしれない。

でも、赤が強い。やはり赤が目立つ。

これは今日だけのことか。昨日はどうだったか、少し思い出そうとする。

思い出せない。まあ、いい。今日の赤が強いのだから。

食事を終えると、母が片付けを始める。父はテレビをつける。

自分は席に座ったまま、今日の赤のことを考える。

今日も普通に食事をした。

でも赤は、やはり強かった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ