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第3話 友達
今日も学校に行った。
教室に入ると、◯◯がいつもの席に座っていた。
「おはよう」と声をかける。
彼は笑って「おはよう」と返してくれた。
いつも通りの朝だった。
授業中、◯◯と一緒にノートを写す。
彼は黙って私の隣に座り、同じことをしているだけだ。
時々、私の書き方を覗き込む。
でも変だと思わない。これが普通の光景だ。
昼休みになった。
「今日は何食べる?」と聞くと、◯◯は笑って答えた。
教室を出て、校庭で一緒に座る。
風が少し冷たくて、でも日差しは暖かかった。
笑いながら話す。笑い声も、ちゃんとここにある。
放課後、◯◯と一緒に帰る。
歩きながら、昨日の宿題のことを話す。
笑ったり、ふざけたり、いつも通りだ。
家に着くまで、ずっと一緒だった。
家に帰ってから日記を書く。
今日も普通の一日だった。
◯◯と過ごす時間は、何も変わらず、平和で、特別なことはない。
でもふと気づく。
今日、◯◯の声は私以外には聞こえていなかったかもしれない。
いや、そんなことはどうでもいい。
私にとって、これが普通なのだから。