マーティン4/4
ミランダが帰ったあと、私は自分のした事が恐ろしくなった。
ミシェルの表面しか見えていなかったなんて、サミュエルになんと謝ればよいのか。
私が執務をちゃんと分散していたら、ミシェルの体調を侍医に直接確認していたら。
あぁもう後悔しても遅いのだ。
この国はどうなってしまうのだ、コールデン伯爵家はこの国に大変な富を与えてくれた家だ。
大事にしなければならなかったのに、いやしてるつもりになって、ただ甘えていただけだったなんて。
「陛下今後はどうなさるのですか?」
「責任をとって退位をしたくても出来ないではないか⋯いや済まぬ」
「いえ大丈夫です」
「どうにもならぬな、王家の予算をだいぶ削減した所で今までが潤っていたのだから皆が納得するかはわからない、最悪は全員で首を差し出すしかないな」
「⋯はい私が至らぬばかりに申し訳ありませんでした」
「いや其方のその体は其方のせいじゃない、怪我をした時に臣籍降下させておればサミュエルに負担をかけずに済んであの二人も婚姻できていたはずだ、私の決断の甘さが原因だ。それでも、もしミランダ壌の言ったことが本当でセルビアンがあんな真似をしたのならミシェルは裁く。それは覚悟しておくようにな」
「承知致しました」
「あぁそれと二人に今回の婚約解消の話しをした時点でお前とミシェルは離縁せよ、王太子妃の仕事を仮病で放棄していたのだからな、離縁理由には十分だろう」
「わかりました」
「王女は後々利用されても困るから此方で引き取るが王妃が育てるかは解らぬ、手配だけはしておいてやるがそれて良いか?」
「はい⋯⋯」
もう何を言われても“諾”の返事しかできない。
私も責任をとって首を差し出さなければならないだろう。
それがいつなのか⋯⋯。
私にはまだわからない




