幸せへの道
それから半年が経ち今日私は領地の西側に位置するシャーワット王家へ輿入れする。
シャーワット王国の王太子妃が2年前ご病気で亡くなったから新王太子妃として嫁ぐ事になった。
そのまま我が家の領地毎シャーワットに吸収される事になる。
遥か昔のご先祖様がそう盟約の文言を追加していたから。
『いついかなる時でも、ハースティ王国がコールデン家を蔑ろにした場合、即刻独立できる事。これは未来永劫有効である』
サミュエル達が帰ったあと直ぐ様シャーワット王国は動き、ハースティ王国とコールデン領の間に国境を定め城壁を建設している。
これでサミュエルやミシェルも、もう簡単にこちらへ来ることは出来ない。
コールデン家はハースティ王国の予算の半分を税金で納めていた。
あの国はこれからどうするのだろう
私の気にすることではないわね。
迎えに来てくれたシャーワット王国王太子セルジュール様の手を取り馬車に乗る。
「婚約の申込みをして下さりありがとうございました」
「もっと子供の頃に申し込んでいたのだよ、断られていたけどね」
「そうなのですか?」
「あぁ君の父上に言われたんだ、大人になるまで待てるのならその時に申し込んでくれって、それで申し込もうと思ったら先を越された。一度は諦めたけれど今度は待たずに申し込んだから良かった」
「でも前の王太子妃様の事は⋯」
「あぁあれは架空の人物なのだよ」
「へっ?」
驚きすぎて変な声が出てしまって慌てて両手で口を抑えるとセルジュール様がニカッと笑った。
「あまりにも大臣達が煩いので国王陛下達に知恵を絞ってもらった。上手く騙せて良かったよ、結婚式は弟に女装させたんだハハハ」
あまりにも屈託無い笑い方に荒んでいた私の心が解れていった。
「第二王子の女装ですか?」
「あぁ綺麗だったよ」
そう言ったセルジュール様と目を合わせ再び笑い合う。
あぁ笑い方も覚えていた、また笑えて良かった。
シャーワット王国への道を進みながら領民が馬車に向かって手を振ってくれる。
それに二人で応えながら幸せへの道を進んでいく。
end
★余談
ハースティ王国はこの後5年後に重税に苦しむ民達によって革命が起きる
本当にend(本編)
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最後までお読み頂きありがとうございました
明日からは番外編を投稿します
お楽しみ頂けますと幸いです
今後も作品を作っていきますのでお目に止まりましたらお読み頂けますと嬉しいです
_(⁎ᴗ͈ˬᴗ͈⁎)_ maruko