サミュエル3/3
そんな事が頭の中を支配していたらソフィーがミシェルに3年会ってないと言った。
どういう事だ?
私には会ってると言ってたし、ソフィーは元気だと言っていた。
マリアの誕生日のお祝いに来てくれと招待状も持参するたびに断られたと《《当日》》に何度も言われたのに、会ってなかった?
では私が彼女に託したソフィーへの手紙は?
どうなったんだ?
考えてたらソフィーがミシェルに歳を聞いていた『24歳』ミシェルとソフィーは同じ年だ。
この国の女性の適齢期は20歳だ。
もう、そんなに時間が経っていたのか。
日々の忙しさに時間の感覚が無くなってしまっていた。
そうしたらミシェルがソフィーに知らなかったとか言い出した。
叫ぶように怒鳴るように言うから、ミシェルはソフィーに謝りに来たはずなのに何だその言い方は、頭に来たから苦言を呈した。
でもソフィーは私に6年間も忘れられていたと言った。忘れてはいない、でも交流は確かに《《人任せ》》だった。
でも今となってはそれも怪しい、なんせ3年も会ってなかったんだからな。
もう一度話したくて二人で話したくてソフィーを説得しようと思ったけれど、最後にとんでもない勘違いをソフィーがしている事を教えられた。
「ミシェル何を今更驚いているの?貴方の娘の年と同じだけ私は忘れられていたの。幼い子供に負けてしまったのよ私は。いえ貴方に負けたのかしら?だって貴方を支える為に私は待てと言われたのだものね」
「それは違う!私はマーティンの為に!」
「それは結婚してからでも支えることは出来たでしょう?それをしなかったのは貴方がミシェルを《《独り身のまま》》支えたかったからよね。でも今となってはそれで良かったわ、離婚なんてもっと大変だもの」
そんな風に思われていたなんて、でも確かにソフィーの年齢を考えれば籍を先に入れておくべきだった、会う時間も取れなくても籍さえ入れてれば誕生日だって祝えたんだ。
たった一つの私のこだわりがあの日二人っきりでは初めてのデートの時。
ソフィーが夢なのと言って私に理想のウェディングドレスを語ったんだ。
それを着せてあげたくて、拘ってしまった。
籍を入れてからでも良かったのに、私は何故、何故こんな事になったのだろう。
ソフィー、ソフィー、愛していたんだ。
ずっと子供の頃からずっと。
君が語ったウェディングドレスを着た君と結婚するのが私の夢だったのに。
城には帰らなかった。
マーティンに辞表を書いて机の上に置く。
もう何をする気にもなれないし、何も考えたくない。
ソフィーが居なくなったのは私のせいなのに、諦めなければならないこの気持ちは、張り裂けそうで、もう生きる意味もない。
私はソフィーとの結婚式の為に作った衣装を纏った。
だいぶ大きいのは私が痩せたからなのだろう。
脳裏にソフィーが浮かぶ。
悲しい思いばかりさせてごめん、ソフィーそれでも私は君を愛しているんだ。
そして、短剣を首に当て一気に引いた。
サミュエル⋯哀しい男でした(ρ_;)
あと2話で番外編も完結です
明日1話ずつ時間差で更新します
最後までお付き合い頂けますと嬉しいです
.(*´ `*).よろしくお願いします




