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投機

作者: 豆苗4
掲載日:2025/02/08

黄緑色の腕章。くすんだ紅色の指輪。

取り止めのないおしゃべりの続き。

押し合いへし合いひしめき合い。

コイの大群が滝へと殺到した。

滝壺には堅牢な妖が待ち構える。

ラスベガスから香港を引っぺがすのには骨が折れる。

紙の端と端をくっつけて、くるくると丸める。

縁を手前に折り曲げたらひとまず終いにしよう。

続きは寝ぼけたコインが立ちあがったら。

希望が見出せるのは、丁半つかぬ間だけ。

そうは思えぬのも無理はない。

あれに出会わなければ分からないだろう。

洞窟の奥に潜む自身の亡霊に。

鏡。ピカピカに磨かれた鏡。

覗き込まなければ忘れていたであろう記憶に。

覗き込む?

そんなことをしなくても流れ込んだであろう。

否応がなしに。

届くのは本当に一瞬だ。

次々と運ばれてゆく段ボール。

並々と注がれた御神酒。

進化の系譜を逆向きに辿れ。

枝葉のついた木。

嘘という嘘。

暴れるコイの尻尾を追う。

古代ギリシアの大地が揺れている。


喉がカラカラだ。辛うじて出てきた唾を呑み込む。垂れ下がった紐の色は?

遺されたものは?

暮れゆく神殿にはジリジリとした夏の残香が。

明けゆく宵にはローズマリーの香りが。

滝壺の裏には崩落した炭鉱路が。

重ねてはダメだ。重ねては。絶対に。

泥に塗れて散った栄華が。

吹きこぼれている鍋の下には。

チカチカと点滅する街あかりのそばには。

収歛するドーナツの真横には。


オリオン座はまだ見ぬ自由を望む。


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