第十四話「数十年後の惑星と神候補」
「よし!まずはここからだ!」
僕はナベシマ ミヤカの作った町に向かうことにした。
図書館で神補佐の勉強している間に神候補が作っている惑星は数十年たってしまっていた。
ちょっと長く勉強しすぎた・・・・わけではなくその星の時間の流れが速いためと弁明しておきます。
彼女の作った村が今では都市になっていた。
特に男性が多く顔はイケメンばかりで全員布地は薄い服を着ていた。
その反面、女性達は少なく布で顔と体を隠す姿をしていた。
町の者に聞いた所、都市を作った主が癇癪を起こし美しい女性の足を持ち放り投げた。
その威力がすさまじく体が粉砕する威力だったとの。
しかもその行動にハマったのか彼女は自分より綺麗な女性を見ると破壊衝動に狩られるらしいく次々犠牲者が増えていったそうな。
恐ろしい話だ。
『神候補は自分の作った世界の生物、眷属を自分で破壊してはいけない。』
さっそくこちらの規約を守っていない。
だから僕は神補佐として彼女を注意して神補佐から降りてもらおう。
僕は勇み足で彼女の作った神殿に向かった。
途中、門番役の兵士の男が槍を向けてきたが話をすると了承して入れてくれた。
おっ!
ナベシマ ミヤカを発見した。
神々の布のようなものを巻いてごまふあざらしのように横たわっていた。
周りには美形の側近が数人いる。
おや?
ミヤカが周りを見渡し始めた。
「ねえ、マルス。その果実をこちらへ持ってきなさい。」
「ひゃん!わかりましたマム・・・・・・」
ミヤカが近くにいた男が変な悲鳴をあげて果実のバスケットを取りに向かう。
・・・・・・
私は見逃さなかったぞ!
声をかけながらお尻をもんでいたのを。
「ほら早く!私に果実を食べさせなさい!いつものように口移しで!」
「あ・・・・はい。」
男は自分で取りに行った果実を剥き口にくわえる。
それをミヤカが
「いっただきまーす!」
「ふぐっ!はう!ひゃぐ!」
「もいしいわ!じゅるじゅるじゅる!」
「はぐっ!わぐっ!・・・・・・・・・・・」
加えた果物を食べつくす。
恐怖なのか男は気絶をしてしまった。
その姿を眺めながらミヤカは舌なめずり
ぐったりする彼を抱きかかえて社の方に・・・・・・
「ちょっとまった!何をしている!」
その行動を見て僕は声を上げた。
大きな声を出したので驚いたミヤカがこちらを見る。
「あ、神補佐。あんたいたの?」
素っ気ない反応を見せる。
だがこちらを敵意を持った眼差しで見てる。
「ああ、いちゃいけないか?」
「誰もいてはいけないとは言ってませんが?『何でいるのですか?驚きました。』と言う意味で言っていますの。」
「言い訳を・・・・」
「いいわけではありませんが?で何故いるんですかの問いに答えてほしいのですが?」
「ふん。じゃあ答えるよ。ナベシマ ミヤカ。あなたは『神候補による注意点十二カ条』を読んでいますよね?」
「神候補による注意点十二カ条?ああ、あの本ね。もちろん読みましたわ!それが何か!」
「そう、それなんだけど。君、規約違反してるよね?『神候補は星の生物と交わってはいけない。』これを君は守っていないだろ。」
「・・・・・何を根拠に?」
持っていた気絶した男を床に置く。
「根拠?」
「そう、根拠や証拠は!?どうせでたらめでしょ?無いんでしょ!?」
「無い?」
「そうよ。どこにあるって言うの?見せてみなさい!」
ふんぞり返って威張っている。
あのさー。
それはわかるだろう。
町で聞き取り調査してるんだからさ。
「じゃあ、一つ聞こう。何故、町にいる男たちの顔。全員あなたに似ているんだ?」
「何を言っているの?私の加護を受けてるのですから似てるのは当たり前ですわ!」
おまえさー。
普通は似てないんだって。
だってこの世界、日本じゃないから。
ハーフ顔は出来ないんです。
「ならばこれはどう証明する?『神候補は自分の作った世界の生物、眷属を自分で破壊してはいけない。』と言うものは。君はこの都市を作っている時に女性を連続で殺害してるよな?」
僕はミヤカに指を指して言う。
逆〇裁判の弁護士みたいに!
「え、えっとそれは・・・・・」
ミヤカが言いどもる。
良し!
これなら僕の方が優勢だ!
そんな時だった。
「マム、何をしていらっしゃるんですか?」
一人の男性が彼女に駆け寄った。
その男性は確か・・・・
「彼女の雷に亡くなった・・・・・はずでは?」
驚く僕に彼女は
「私だって一応神候補ですよ。私の力で復活させたのです。」
「復活?お前にそのような能力は・・・・・」
「できないとでも?私を舐めないでいただきたいわ。さあ、お客様がお帰りですよ。ここから追い出しなさい。」
彼女の側近が僕を取り囲む。
「わかった。証拠を集めてくる。あといつでも監視してるからな!忘れるな!」
「あーはいはい。大丈夫ですよ。ほっといてください。あなたがいなくても国は作れますし。さっさとお帰りを。」
僕は側近の付き添いで神殿の外まで追い出された。
門番の男は僕に声をかけたかったようだが我慢して僕が去るのを見送ってた。
次は我が身。
僕はナベシマ ミヤカの証拠を探すため努力することにした。
「ふーん。ならば・・・・・・・・火の如し」
そう町の一人がつぶやいてるなど知るはずがなかった。