結婚
「王子様ー! 王子妃様ー! おめでとうございます!!」
国民たちの祝福の声が鳴り響く中、わたくしと殿下の結婚式が始まりました。
今日の殿下も大変愛らしく、それでいてか、か、かっこいぃ……恥ずかしいですわ!!
やけに結婚が早くないか、ですって? わたくしの殿下が世界各国から狙われているとわかって、なぜ結婚まで待っていられるとお思いで? わたくしの力が及ばず、殿下がとられることがあってはいけませんからね?
「マリアはすごいなぁ。父上を本当に説得できるなんて。僕、マリアと早く結婚出来て、嬉しいよ!」
にこにこしている殿下の腕をつかませていただき、一歩ずつ進みます。
「わたくしたちの愛の前では、陛下も頷くしかなかったみたいですわ! すぐに承認してくださいましたもの」
陛下に少しおねだりしたら、学園卒業後三年過ごすはずの結婚準備期間をすべてなくしてくださいました。
「大変だった……異例だと神殿からも異議を申し立てられ……わしの寿命縮んだ……」
なぜか疲れ切った表情を浮かべている陛下にわたくしはお礼申し上げます。
「陛下。おかげで早く殿下と結婚出来て幸せですわ! 例え陛下の寿命が縮もうとも、わたくしがこの国を盛り立てて見せますわ!」
「……もう隠居しようかな。ところで、マリアーシャ嬢。友好国のワラプール国になにかしたのか? 突然留学生の変更を申し出てきたかと思えば、今日の結婚式は急病で代理に第三王女を派遣するなんて……友好国だぞ?」
「まぁ、心配ですわね?」
わたくしが微笑むと、国王陛下は困った表情を浮かべていました。
「マリアーシャ様ぁ!!」
遠くから、ワラプールの第三王女殿下が走っていらっしゃるのが見えます。あの時の婆やと護衛たちが一緒に追いかけてきています。
「第三王女殿下。本日はわたくしたちのためにいらしていただきありがとうございます。とても嬉しいですわ」
「わたくしもマリアーシャ様とお会いできるの、楽しみにしておりましたの!!」
「姫様! このお方にはもっと丁寧に接してくださいませ!!」
婆やが叫ぶのを聞いて、国王陛下がぶつぶつとつぶやきます。
「マリアーシャ嬢、絶対にワラプールの国王と第三王女になにかしてるじゃん。お付きの人たちの怯え方から明らかじゃん」
第三王女殿下が差し出してくださるお花を受け取り、お礼申し上げます。それを見ていた殿下がおっしゃいました。
「おぉ! マリアにぴったりの花だな!」
「おわかりいただけますか? 初めてお会いした時のマリアーシャ様の神々しさを表すには、このお花が一番だと思いまして!!」
きゃっきゃと盛り上がるお二人。恋敵としてはなしですが、かわいいものクラブって感じでおかわいいですわ。
思わず、わたくしがにやにやとしていると、婆やと目が合い、大きく頷かれました。あら、気が合いそうですわね?
「マリアーシャ嬢……すまない、歓談中だったか」
「まぁ! メルティア様!」
わたくしに挨拶に来てくださり、殿下や陛下の姿を見て慌てて逃げていくメルティア様。今日も麗しい男装姿で、下手したら乙女を恋に落としてしまいそうなかっこよさですわ。
「……かっこいぃ~」
「あ……」
第三王女殿下がメルティア様の色気にあてられたようです。……いつ女性だと種明かしするべきでしょうか? まぁ、面白そうですから、しばらく放っておきましょう。
「……マリア、僕のことも見てくれるか?」
さみしそうに腕を引く殿下の可愛さに悶絶しているうちに、わたくしたちの式は終わったのでした。




