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【リレー小説】ヤバいものを飲み込んだかわいい生き物が瞬間移動能力に目覚めて異世界を超えて逃げ回る【アンソロジー】  作者: しいなここみ、柴野いずみ、雨澤 穀稼、アホリアSS、腰抜け16丁拳銃/クロモリ440、城河 ゆう、歌池 聡、キハ、弓良 十矢 No War、島猫。、ひだまりのねこ
3/11

第参話(作者:雨澤 穀稼)


 過去にヤラカシちゃたかも知れ無い?

 ココミ・シイナ Presents&後始末係


 ピ〜ポ! ピ〜ポ! ピ〜ポ!


 今回ヤラカシちゃったかも知れない張本人……コイツ→雨澤稼穀(要注意暴走監視対象)


 ウルトラセブン55周年のこの御年に……12話(欠番)「遊星より愛をこめて」より約55年弱!

 新たな封印作品が、ココミ産まれてしまった!


 ⚠良識ある皆様へ

 Skipボタンを押して、第肆話へお進み下さいませ(何の問題もありません! 寧ろスラスラ進む事でしょう!)! 


 Skip ポチッとな!


 大変ご迷惑をお掛けしております!

             ペコリマ〜ク!


 懲りない奴の、懲りない暴走!

 ヤラカシちゃったは、伝播する……。


第参話(欠番) ミルフィ〜ユ((第零號試写ライカリ〜ル版)封印作品)!


   ミルフィ〜ユ…… (←確信犯です!)


 ミルフィ〜ユ


 何処から 食べても


 ミルフィ〜ユ……



   とうきび畑、もしくはトウモロコシ畑


 ジッ……。


 ジジッ……。


 ジジジジジッ……。


ヒュ〜ン……夜空にきらりんこと壱筋(ひとすじ)の光りが、壱瞬(いっしゅん)ピュ〜ンと走り、吸い込まれるように消えて行きました……。

 名壱杯(めいいっぱい)皮を被ったトウモロコシ、もしくはモロコシが、ニョッキリ突き出し、(あか)いモッコリとした繊毛(せんもう)が緩やかな微風(そよかぜ)(こま)やかに揺れ揺れしていました。

 ポワン……シュン! 半系弐m(にめ〜とる)4πr(よんぱいあ〜る)^2(じじょう)メロンの網目の様な蒼白っぽい稲光りが、猛烈な稲妻の如く走り目も眩むようなビリビリ電撃がトウモロコシ畑を照らしたかと思うと……シュン! と消えさり、暗闇が急速に覆い尽くして行きます。

 くねくねと揺れる黒い影達ちが見詰める先に、ポッカリと焼き切り取られた円の空間……ゆらりくゆりと煙を上げるトウモロコシ、もしくはモロコシが、その謎の事象があった事をゆらゆらと示していました。

 その円の中心に壱匹の、謎のモケモケ耳の白い生物が立っておりました。

 その白い生物はおどおどキョロキョロとしてから……もう壱度(いちど)ちゃんと辺りを見廻した後、蒼白い電撃でホクホクに蒸し上げられた名壱杯(めいいっぱい)皮を被ったトウモロコシ、もしくはモロコシだけを器用にチョイスしまくり、トウモロコシもしくはモロコシ畑を荒らしに荒らし……無惨にも散乱する薬莢の如く、喰い散らかされたトウキビ、もしくはトウモロコシ、もしくはモロコシ達ち……ポンポンとお腹の満足具合を確かめるとヒュ〜ン! と、壱声上げてその謎のモケモケ耳の白い生物はシュン! と、消えて行きまた……ザワワ……ザワワ……ザワザワ……ザワザワと……その取り残された同胞達ちの、亡骸を見詰める黒い影がゆらゆら揺れていました……。



   解決! 即決ジョニ〜さん!


 プッ! プッ! プッ! プ〜ン!


「は〜い! 今日も壱日始まったぜぇ! 誰が聞いてんだか、俺は知らねぇし知ったこっちゃねぇ! 番組タイトル相変わらず(なっげ)ぇ〜! 駄目だよな! 酒の勢いで盛り上がって付けちゃあさ! おっと! 今年で、お見事拾周年だぜ! ありがとよ! どっかの誰かさん! おっとっと! 提供忘れてたぜ! 貴方の暮らしに鮮血を! 目覚めさせよ! 蚊血鬼(かぁけつき)! 蚊血鬼(かぁけつき)育成キット販売促進人生捧げちゃったヘルチング研究所LABO様の、壱社提供で御座います! Dr.ヘルチング博士! 何時も有り難う御座いま〜す! 何やって稼いでんですかね? 拾周年ですぜ! アザッす! 何でも解決! 即決ジョニ〜は、今日も健在ですよ〜!」


 パフパフパフパフパフ〜……!


「は〜い! 今日のお便りコ〜ナ〜だぜ! ペンネ〜ムモロコシ太郎くん! 毎日御手紙ありがとね! ペンネ〜ムモロコシ太郎くん、御手紙は良いけどね? 早く幽霊おばさん送ってよね? 約束したよね? 守らないとメッだぞ! おっとっとと……御手紙行くぜ! ペンネ〜ムモロコシ太郎くんからのお便り……何時もはね手作りの和紙の御手紙(なん)だけどね? 今日は初めて和紙の封筒(なん)だよね? ふんふん、ふん……ん? 和紙に写真がプリントしてあるのかな……? トウモロコシ畑か? ペンネ〜ムモロコシ太郎くん()は、トウモロコシの栽培農家さん(なん)だよね! 結構な枚数入ってるな……あっ御免ね! 何時も解決! 即決ジョニ〜さんはね! みんなも御存知の通り、事前に読まない派だもんね! ディグダグ! ディグダ! シュポシュポ! グダグダ(なん)て怖くねぇ! リアルなうっすい薄氷を踏む様な、リアクションが売りだからね! いえ〜い!」


 ジョニ〜さん! 遊んでたら時間無いよ!


「はいはいはい……内の蜻蛉眼鏡(とんぼめがね)に、御叱り受けちゃいましたよ! えっと……ジョニ〜さん大変(なん)です! おっと御手紙冒頭から、ペンネ〜ムモロコシ太郎くんの悲痛な叫びだぜ! どうしたんだ! ペンネ〜ムモロコシ太郎くん! えっと……ココだよな? 大変(なん)です! (うち)のモロコシが白いモケモケ耳の毛獣(けだもの)に荒らされたんです! いま幽霊おばさんに慰めてもらってます……あ〜そう言う事情なら仕方無いよね! で……念写したんので送ります! 何時も解決! 即決ジョニ〜さんの豊富な見識で、この(けだもの)(なん)なのか教えてく下さい。 宜しくお願い致します! もう少ししたら、幽霊おばさん送ります! ゴメンナサイ! 何でも解決! 即決ジョニ〜さん! 明日も御手紙書きます……」


「……(何だろ……こりゃ……?)」


 ジョニ〜さん! ラジオだから喋ら無いと、放送事故になるぞ!

 ……マジマジとペンネ〜ムモロコシ太郎くんからの、和紙に念写された念写真を見詰め……言葉を失う……。

 ジョニ〜さん……喋って!


「……」


 駄目だこりゃ? パコちゃん! 歌でも曲でも何でもいいから……入れちゃってよ!

 は〜い! あの〜相談(なん)ですけど……これ、流してくれって頼まれたのあるんですけど……流せる時がないクライアント案件(なん)ですけど……。

 ああ! 忘れてたな……あったな? 其れシレッと、流して終わらせとくか?

 良いんですか?

 いいから……流して! どうせペンネ〜ムモロコシ太郎くん以外、誰も聞いて無いんだしさ?

 分かりました! 了解です!

 ヒュンタの詩が、シレッと流れて……。

 この放送時間中に……何でも解決! 即決ジョニ〜さんの声は発せられる事無く、番組はひっそりと帳の中……終わって行きました……。

 


   助手くん! 謎ネズイヌモドキ!


「助手くん! これを見給え!」


「先生! 今、手が離せないんで……後でいいですか……? 出来れば話しかけないで下さい!」


「わかった!」


 ドタドタドタドタ……。

 どぉ〜りゃ〜っ!

 パタパタ! パタパタパタパタパタパタパタパタパタパタ……。


「なっ……何するんですか……?」


 パタパタパタパタパタパタパタパタ……。


「そんな物よりも、コレを見て見給え! この壱大事に、何をそんな下らない者に青春を捧げかまけているんだ! わたしが壱大事だと言っているんだぞ!」


 パタパタパタパタパタパタパタパタ……。


「あっ〜……壱月(ひとつき)の汗と涙の結晶がぁ〜……今日は先生の仕事じゃ、無いんですからね?」


 パタパタパタパタパタパタパタパタ……パタッ。


「落ち込むのは後廻しにしといて……いいからコレを見なさい!」


 パタパタパタパタパタパタパタパタ……。


「……」


 パタパタパタパタパタパタパタパタ……。

 放心状態の助手くん……。


「後で片付けるの手伝ってやるから……いいから、騙されたと思って来て見給え!」


 パタパタパタパタパタパタパタパタ……。


「そんなフラグ立てなくても、分かってますから……行きませんよ! 騙す気満々(なの)が、顔にハッキリと滲み出てますよ!」


「そうか……聞き分けの無い仔猫ちゃんが、其処にまだいたのか……?」


 パタパタパタパタパタパタパタパタ……。

 てくてくてく……ピタッ!


「では……この向こう側の大広間へと続く壱本道……このストッパ〜を、外すと言ったらどうするかね……? 助手くん! このストッパ〜が全てのストッパッ〜と、連動している事等調べはついているのだよ! ワシに抜かりは無いわっ!」

 

 決意を込めた血走った目を、助手くんへ向け先生は(のたま)うのだった!

 パタパタパタパタパタパタパタパタ……。


「……先生にそんなだいそれた事は、出来ませんよ! 莫大な損害が、約束されてますからね……? 明後日の放送は決まってるんですからね!」


 パタパタパタパタパタパタパタパタ……。

 先生! 無意識の内にストッパ〜を外している……。


「ふ〜っ! 仕方ないですね……」 パンパンパン! と、埃を祓いながら先生の元へと、気怠そうに歩いて行く助手くん!


「分かりました……見るだけですからね?」


 パタパタパタパタパタパタパタパタ……。


「最初からそうやって素直になれば、こんな危なかっしい橋を渡らずとも済んだのじゃ! あははははは……」


 パタパタパタパタパタパタパタパタ……。

 チラッと……先生の手に持たれたストッパ〜を確認し……。


「先生! ちゃんとストッパ〜戻しといて下さいね!」


 パタパタパタパタパタパタパタパタ……。

 ぷるぷる……ぷるぷる……ぷるぷる……。


「何……(何時の間に……?)? わ……分かっておる! 心配ご無用じゃ! あははははは……」


 パタパタパタパタパタパタパタパタ……。

 ぷるぷる……ぷるぷる……ぷるぷる……。


「先生! これ……何ですか? 生物のパタ〜ンモデルか何かですかね……? 動いてますけど……? イヌ? ネズミ? ウサギ?」


 ぷるぷる……ぷるぷる……ぷるぷる……。

 パタパタパタパタパタパタパタパタ……。


「今は……話しかけては、駄目な事位……分かるじゃろ! わしは謎のネズイヌモドキと名付けたぞ! 其れにな!」


 ぷるぷる……ぷるぷる……ぷるぷる……。

 パタパタパタパタパタパタパタパタ……。


「何? 逆ギレですか? 倒さないで下さいよ! そっちの爆破ドミノは外のマウンテン不死に、導火線繋がってますからね? 謎のネズイヌモドキねぇ……? 当を得てませんけどね? 謎のホボイヌモドキじゃないですかね? 仮の名前付けるんなら?」


 ぷるぷる……ぷるぷる……ぷるぷる……。


「五月蝿いぞ! 集中が途切れるでは無いか?」


 コツン……「あっ!」 パタ、パタ、パタパタ、パタパタ、パタパタパタ、パタパタパタ、パタパタパタパタパタパタパタパタパタパタ……。


「ふ〜ん……お嬢! 後はまかせたぞ!」


 トコトコ……トコトコ……。


「今、手が離せ無いんで……後で見ますから、置いといて下さい! 想定内(なん)で……予想通り! 先生がヤラカシてくれたわよ! 撮影スタ〜トさせといてビンゴね!」


「分かった! 頼んだぞ! 口座から必要な分は、引き落としておいてくれ!」


「ランちゃん! ドロ〜ン追えてるわね?」


「は〜い! 行けてま〜す!」


「ミキちゃん! 素材で使えそうなの、後で仕分けするからドンドン撮っといてね!」


「合点承知之助!」


「ス〜ちゃん! マウンテン不死の噴火……何方向から撮ってる?」


「打ち合わせ通りの、(ろく)方向です! オ〜ルクリアです!」


「助手くんのパ〜トの分は、後日撮り直しだからね! マヤちゃん段取り組み直しといて! それと、請求は先生宛でメ〜ル飛ばして、即時口座から引き落としといてね?」


「予測計算出来てます! 既に引き落とし予約入れてあります! (はち)時間後には撮り直し可能ですが……?」


「助手くん次第って事ね?」


「そうです!」


「助手くん! 捌時間後に撮影スタ〜トよ! 先生の造ってたドミ造使っていいから……パタ〜ン入力は済ませておくわ! 先生も手伝ってくれるしね!」


 パタパタパタパタパタパタパタパタパタパタパタパタパタパタパタパタパタパタ……。


「分かった! 手伝おう!」


「先生は入りませんけど? 邪魔しかしませんから! ドミ造はドミノセットするの面倒(なん)ですけどね?」


 パタパタパタパタパタパタパタパタ……。


「先生! 何シレッと何事も無かったかのように、コッチ戻って来てるんですか?」


「あれは! ワシの手から離れた! 責任はお嬢が全て負ってくれる! 確約はとったぞ! 録音もしてあるから問題無しじゃ!」


 パタパタパタパタパタパタパタパタ……。


「知りませんよ? 温厚そうな時程、切れてますからね? ほとぼりが冷めた後で御城(おじょう)さんにブチ切れられますよ? ご機嫌とるのに、結構高く付きますよ! 先に言っときますけど!」


 パタパタパタパタパタパタパタパタ……。


「そんな先の事など、先のワシが何とか切り抜ける筈じゃ! あははははは……」


 パタパタパタパタパタパタパタパタ……。


「先生の覚悟が決まってるんなら、何も言いませんけどね?」


「そんな事より! コレをよく見て見給え! 助手くん!」


「何か蠢いてますけど……フレ〜ムデ〜タだけでは謎のホボイヌモドキって先生につられて言っちゃいましたけど? 実際のとこ、何か良くわかりませんけど……?」


「フレ〜ムデ〜タ等ではないぞ! 捕まえておる!」


「えっ? 何かの生き物を、捕まえてるんですか? 新発見では……?」


「簡易時空転移装置を、遊びでこさえておってな……偶然引っ掛かったようじゃな」


「そうですか……クライアントの仕事、放ったらかしで遊んでたんですか?」


「今日だけで弐拾件は、済ませておる! 多少の時間は稼いだはずじゃぞ!」


 バチン!


「何をするんじゃ! お嬢! イキナリ電源OFFは、お勧めできん荒業じゃな? 偶々(たまたま)偶然が重なって奇跡が起きておったかもしれんのにな……?」


「全く! 先生が絡むと何時もトラブル続きですよ? 対策の上を軽く飛び越えきますよね? マウンテン不死が、トラブルで噴火しないんですからね? 点火してるんで調べようにもね……近付け無いんで! 何時噴火する分からないですからね? 回しっぱなしで、噴火待ちですよ! やり直すとなったら、大損ですからね! 先生! そんな壱圓にも成らない物にかまけてないで、クライアント案件こなして下さい!」


「コレはおとこの浪漫じゃよ!」


「はいはいはい……明日明朝の本会議でプレゼンする! 本厄蒟蒻(ほんやくこんにゃく)朝までって言ってましたけど、早くこさえて下さいよ! 適当に資料デ〜タは制作できてるんですからね? 現物を下さい!」


「気がのらんのじゃから、仕方無かろう! 朝までにはテ〜ブル上に置いて置く!」


「何々ですか、その子供じみた言い訳は? 馬鹿売れの壱筋(ひとすじ)蒟蒻にそれらしい加工して下さい! それで明日は乗り切りますから! ふん、何……この蒟蒻に壱本切れ込みが入ってるだけなのに、何で馬鹿売れしてるんですかね……? ほぼ詐欺ですよ!」


「何を言っておる! 詐欺等では無い! 厳選された特別な蒟蒻芋を、専属契約農家に大枚を叩いて丹念に手塩に掛けて育ててもらい! 全ての工程に最高の歴史ある伝統技術の粋を結晶させた超貴重なプレミア蒟蒻に、蒟蒻筋入れ職人さんが朝陽が昇る前に海で身を清め、清水に晒した特別縫製の白絹褌(しらぎぬふんどし)を締め、毎朝壱日に壱本だけ! 丹精と気合い込めて入魂……神懸かり的な、壱筋(ひとすじ)を、入れておるんじゃぞ! あのナンバリング壱筋(ひとすじ)蒟蒻には、魂が宿っておるんじゃ!」


「男の浪漫だかポラン千秋だか知りませんけどね、遊んで無いでとっととこさえて下さいよ!」


「先生! 本厄があるんなら前厄、後厄もいるんじゃ無いですか……?」


「あ〜……それを遂に、口に出してしまったか……? 助手くん! 誰もが面倒臭いのを口実にして口にするのを、(はばか)っておるとゆうにな……? 遂に口走ってしまったか?」


「えっ……不味かったですか……?」


「不味い事など無いぞ! ナンバリング壱筋蒟蒻は、全てにおいてゴ〜ジャス! 美味しい蒟蒻じゃからな! 食べてよし! 使って良しじゃ! 助手くん! それを口にしたと言う事は、既に覚悟が出来ておると解釈してもよいのじゃな? 助手くん! さあ、良案を出してもらおうかのう!」


「マヤちゃん! 前厄と後厄、蒟蒻資料に追加して!」


「了解です! 着色蒟蒻で行きますね! 色指定はお任せ下さい!」


「何を急に言い出すんですか? 先生?」


「助手くんは駄目よ! アレの撮影があるからドミノ立ててもらわないとね?」


「ぐぬぬぬぬ……おのれ〜助手くん、はかりおったな?」


「先生が蹴り倒したんですよ!」


「ぐぬぬぬぬ……痛いところをつくのう……」


「先生! アレ! 外に変な生き物がいます?」


「何がアレじゃ? ワシはそんな低俗なふりには乗ったりしないからな?」


「振り何かじゃないですから……アレ……何ですか……? 白いモケモケの耳長の犬っ気75パ〜セント蒼瞳がコチラをガン見してますけど……?」


「何じゃと……新種の生物か何かの生き残りかもしれんのう? 興味無いわい!」


「えっ……何よ……アレ……? ガン見してるけど……? 先生! 何かしたんでしょ? それしか想い付かないわ!」


「御城さん! 同感です!」


「助手くん! 偶には気が合うわね!」


「何じゃと? お嬢に何アレと言わせるだけのモノが彼処に居ると言うのか!」


 ダッダッダッ……ガシッ!


「ん……おらんぞ! ワシを担ぎおったな弐人して……?」


「ふん……先生! 余っ程嫌われてるんじゃないですか?」


「もしかして? 本当に捕まえてたんじゃ無いてすか? アレで?」


「何? 謎のネズイヌモドキが、彼処に居たと言うのか……ぐぬぬぬぬ……見逃した〜……(バンバン! バンバン!)」


「先生! 捻くれてて、素直に成らないからですよ!」


「ぐぬぬぬぬ……謎のネズイヌモドキ〜……何たる不覚〜……(バンバン! バンバン! バンバン! バンバン!)!」


 

   ヒュンタくんの詩


 ヒュン ヒュン ヒュン


 ヒュン ヒュン ヒュン


 ぱっくんこ ぱっくんこ


 世界を 世間を揺るがす


 転がる実 コロコロ 実


 コロコロ 実


 ぱっくんこ ぱっくんこ


 テンヤワンヤ テンヤワンヤ

 

 ヒュンタく〜ん!


 ヒュン……?


 ぱっくんこ ぱっくんこ


 ぱっ!


 世界の始まり 世界の終わり


 ぱっ!


 朝に晩に 朝に晩に 朝に晩に


 ぱっ!


 朝に晩に 朝に晩に 朝に晩に


 ぱっ!


 沈んで昇って 降りてる?


 ぱっぱっぱっ!


 昇って沈んで 登ってる?


 パッパッパッ!


 上だか? 下だか? 天だか? 地だか?


 パッパッ パッパッ


 時を超え


 パッパッ パッパッ


 次元を時間を駆け回る


 パッと現れ!


 パッパ パッパッパ


 逆巻く毛並み 空間纏いて


 くるくる くるくる


 くるくる くるくる 

 

 ピキピキ ビリビリ


 パッと消えて!


 ヒュンタく〜ん!


 ヒュン……?


 何処から来たのか?


 何処へとゆくのか?


 ヒュンタく〜ん!


 ヒュン……?


 彼方此方 こちこち


 彼方此方 こちこち


 あっちあっち 彼方此方


 あっちあっち 彼方此方


 ヒュンタく〜ん!


 ヒュン……?


 世界の始まり 世界の終わり


 どちらへと 導き出すのか


 時と 天と ヒュンタくんだけが


 知ってるのかも?


 ヒュンヒュン ヒュンヒュン


 くるくる くるくる


 くるくる くるくる


 パッ!


 あなたの世界へ お邪魔様〜っ!


 ヒュン! ヒュン! ヒュン!


 ヒュンタく〜ん!


 ヒュン……?


 世界を 世間を揺るがす


 世界樹の種実(みらい) 何処(いずこ)


 ヒュンタくんと共に ぐるぐる世界の果てへ……


 いってらっしゃーい!


 ヒュンヒュン! ヒュンヒュン!


 ヒュンタく〜ん!


 ヒュン……?

 


   頼も〜っ!


「よいしょっと! 何……この殺風景な所は? わたしの知ってる地獄とは大分違うけど! まっ、いっか!」


 キョロキョロキョロキョロ……。


「頼も〜! 頼も〜! モッチ〜ナ出てこ〜い!」


 し〜ん……。


「あれ……頼も〜っ! 頼も〜っ! やあやあやあ! わ〜れこそは〜……蟻地獄モッチ〜! い〜ざ! いざ! いざ! いざ! 尋常に勝負〜っ……!」


 し〜ん……。


「お〜〜〜〜〜い! 誰かいないの〜……? 鬼さんとかワンサカワンサ、ワンサカワンサ出て来るんじゃないの……? 誰だ! 誰だ! 誰だ的なの無いの〜っ……?」


 し〜ん……。


「モッチ〜ナ! 出てきなさいよ〜っ! 分かってるわよ! あんた、武器が無いんでしょ! ポンポン! ちゃ〜んとあなた用のダマスカス超巨大御徳包丁持って来てあげたわよ! 受け取りなさい! わたしはコレ! 三節棍で華麗に、いなしてあげるからね!」


 し〜ん……。

 物凄〜く遠い所にパッと、紅い何かを首の当たりに着けた謎の白いモケモケがキュ〜ンと鳴きながら駆け抜けていった。

 蟻地獄モッチ〜は気付く気配など全く無い!

 続けて、鎧の集団がパッパッパッパッと現れたが何やらドタバタ吸った揉んだした後、何処かへと去っていったようだ。

 が、蟻地獄モッチ〜の眼中にすら無いのは、見ての通りで御座います。


「あ〜! 小腹空いたな〜……どっか食堂とか無いのかな? ここって、ラック王国公式コイン金貨って……使えるかな? あっ……あっちに掘っ建て小屋があるから聞いてみよっと?」


 ふわふわ飛行モ〜ドで飛んでった先で、突然にバトルは開始されていました。


「ええ! あんたがモッチ〜ナ!」


 カンカン! カンカン! カンカン!

 ブサッ!


「超合金DX三節棍ブラックヴァ〜ジョンが〜……何て斬れ味の鋭い包丁何だ?」


「あんた天然の大馬鹿者なの? 敵に塩を送っといて忘れるってね?」


「かくなる上は、これよ! くるくる蟻地獄棒! 地面をくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくる……出て来いアリパックン!」


「砂掛け蟻地獄!」


 ガチンガチンガチン!

 クイッ! クイッ! クイッ!

 バッサ! バッサ!

 クイッ! クイッ! クイッ!

 バッサ! バッサ! バッサ!


「止めてよ! 卑怯な真似バカリして! 亡者の砂を掛けるのは止めてよ! ペッ……ペッ……ペッ……これ下ろし立てなのよ? 染みになっちゃうじゃ無い……?」


 モッチ〜ナと蟻地獄モッチ〜との不毛な戦いは続く……。


 その不毛な戦いを、傍からジロジロジロジロ覗いている者の存在があった……。

 ジロジロジロジロジロジロ……。

 388888882ジロジロ(ちょう)応答せよ! ジッ!


「はい! こちら388888882號 只今シイナ階層殺風景地獄にて、壱阡モッチ〜の会所属蟻地獄モッチ〜をジロジロ中です……」


 (ほか)のメンバ〜は、誰かいるの?……ジッ!


「現時点では見当たらない模様で御座います……」


 抜かりなくジロジロ継続して! ジッ!

 些細な事でもいいから……定期連絡するように……ジッ!


「了解!」


 あっ! わたし今からお風呂入るから暫く連絡つかないわよ! 後で纏めて聞くわ! ジッ!


「了解! チッ!」


 はっ? 今……チッて聞こえたけど……始末書出しなさいよ! ジッ!


「了解! チッ!」


 はぁ? 今直ぐ帰還命令よ! 即刻帰って来なさい!


「チッ! ジロジロ任務中です!」


 駄目駄目駄目駄目……そんな言い訳では、わたしに対してのチッ! 参回の言い訳にはならないわよ!


「チッ! チッ! チッ! 了解! 直ちに帰還いたします! 蛇骨ババ様……」


 あんた! いい度胸してるわね? 何時になったら覚えるわけ……蛇骨娘の参女の三途って言ってるでしょ!! 三途ちゃ〜ん! 今いい湯加減よ〜……は〜いママ〜直ぐに行きます! お風呂にはいるからね! ジッ!


「了解! 任務を切り上げ帰還致します! チッ!」


 あっ! 壱途です! 三途お風呂長いから、わたしの所に直接来てくれたら良いよ。

 ジッ!


「(ブルブルブルブル……)はっ! りょ……りょりょりょ……了解致しました! す、直に出頭したします!」


 バタバタバタ! バタバタバタ!



   待つですのこと……!

 

 シュン……!


「ん……(カチン!)? このわたくしを、御挨拶も無しに抜かすとは……? (なん)ですのこと〜っ……! カッチン来たですのこと!」


 シュンシ……シュシュン……シュン……!

 

「其処の白い毛溜まり〜……待〜つですのこと〜……!」


 シュンシシュンシ……シュシュシュシュシュ〜ン……!


「紅いマフラ〜が、余計に腹立つですのこと〜……!」


 シュンシュン、シュンシュンシュン……。

 何処へ行くとも定まらないヒュンタに、鬱陶しい位にしつこく纏わりつく者がありました。


「ねえまねえねえ! 君! 何て言うの? 初めて見る生物だよね? どっから来たのかな? シカト? 無視! 聞こえて無いのかな? あんまりぶっ飛ぶの慣れて無さそうだよな? アレに追われてるんだろ? 助けてやろうか? アレ結構目付けられたら、しつこいよ! 何処へ逃げても飽きるまで追ってくるよ! どうするどうするどうする? いや……君のこと何かさ……放っといてもいいんだよ? どうするどうするどうする? どうするどうするどうする?」


 シュンシュンシュン……クシュッと大きな(くしゃみ)した時にヒュンタは、思わずコクリと(うなず)いてしまいました。


「そうかそうか……君も辛いよね! 契約成立だよ! 助けて上げるから、出禁になってる僕の国に帰るの手伝ってね! ふ〜っ! おーい! 風の糞ババア! リンシ〜ルですのこと〜! クララベルの糞ババア! リンシ〜ルですのこと〜……!」


 壱迅の風が巻く……。


「誰だい! チラッ! おう! ラック久しぶりだねえ……わたしに任せて行きな! 風の道!」


「クララベル有り難う! アイツ面倒臭くてさ!」


「リンシ〜ルかい! 任しときな!」


「恩にきるよ! おい! 白モケ! 行くぞ!」


  ラックはヒュンタ首根っこを掴み、クララベルの放った風の道に乗ってピュ〜ンとどっかへ行ってしまいました!


「ラック王国に便り飛ばしといてやるよ! フゥ〜! 待ちなリンシ〜ル! わたしが相手だよ……あたしに糞ババアってよく言えたもんだねえ……若作りババアがよ!」


「な……何を言うですのこと……其処をどくですのこと! 元クララベル! ですのこと! 付き纏わないで、ですのこと……わたしは今カッチンきてるですのこと!」


「カッチンてね……わたしに喧嘩売ってんだろ! 買ってやるよ! リンシ〜ル!」


「そんなの売って無いですのこと……どくですのこと……元クララベル、道を開けるですのこと! 見失うですのこと……」


「何を見失うんだい……自分かい……えっ! リンシ〜ルさんよ!」


「違うですのこと違うですのこと……自分は見失わないですのこと……プンプンですのこと!」


「ふん! どうやらやる気になってきたようだね!」


「チッ……余計なのに摑まっちゃったですのこと……逃したですのこと……アレ……? わたくし何をしてたですのこと……? 良いですのこと……ハフリ〜ルに聞くですのこと……ル〜ンはっと? アッチですのこと! また怒られるですのこと……仕方無いですのこと……行くですのこと……」


「何ゴチャゴチャいってんだい! やるのかい? やらないのかい? どっちだい? リンシ〜ル!」


「もう良いですのこと……ル〜ンに帰るですのこと……ハフリ〜ルに聞くですのこと!」


「何だない? 折角出てきてやったんだよ! 相手しなよ! リンシ〜ル!」


「相手しないですのこと! 相手しないですのこと! 嫌な臭いの風に、巻かれるの嫌ですのこと! サヨナラサヨナラですのこと!」


 瞬と拾字に光り! リンシ〜ルはその場をあとにした!


「何だい!」


「お母様! こんなとこまで急に飛び出されては困ります? クララベルへのお祈りの時間ですよ?」


「言われなくても、分かってるよ? アイツへの借りを返してただけさ! クララベルは何処行っちまったんだろうねぇ……?」


「あの娘はお母様似の、あの娘ですもの……急にいなくなって、急に嵐を連れて現れて嵐を残して去って行くんですから」


「会いたい会いたいと願っていれば、そのうちヒョッコリと嵐を連れて戻って来ますって! 時間はタップリとあるんですから気長にお待ちしましょう! お母様!」


「帰るよ!」


「はい! お母様! わたしの春風の道で参りましょう! 春風マイマイマ〜イム!」


 くるくるくるくる〜……ヒュ〜〜〜ム……。


「お待ち下さいリンシ〜ル様! どちらへ行かれますやら?」


「チャイクロン! いいとこに来たですのこと! わたくし何してたですのこと……?」


 コクリと首をかしげるリンシ〜ル!


「リンシ〜ル様、何をしてたのでは無く、何処へ行くうとしていたのかを……このチャイクロン目に、あ訪ねで御座いますね?」


 「そんな細かいことは良いですのこと……(なん)でもいいから答えるこですのこと……宇宙ゴキゴキの分際でゴチャゴチャはいらないですのこと! チャイクロン!」


「はぁ、はぁ〜っ! アチラで御座います!」


「コッチ(反対側を指差し!)が、ル〜ンですのこと……? ハフリ〜ルに聞くですのこと……?」


「アチラ(リンシ〜ルとはキッチリ真逆を指して……)で御座います! リンシ〜ル様! ナンシ〜ル様の所へ行かれるのでは……?」


「おお! そうですのこと! そうですのこと! ナンシ〜ルの所へ行くですのこと!」


「では……アチラへ参りましょう! ナンシ〜ル様の、復活祝いに遅れてしまいますよ!」


「思い出したですのこと! 大金星(だいきんぼし)に行くですのこと?」



   ル〜ン!


「おい! ハフリ〜ル……外ヤケに騒がしく無いか?」


「知らないわよ……」


「新作のピッツァ試食してくれ!」


「マッカロン! 頂くわよ!」


「美味しく頂こうとしてるだろ? 試食してくれって言ったんだぞ!」


「試食も美味しく頂くのも食べるのに何が

違うのよ?」


「ドッチでもいいから……的確な判断をくれ! 明日の朝食に出したいんだ?」


「分かったわ!」


 ぱく……はむはむ……もぐもぐもぐもぐ……。


「美味しいわ!」


「そうか……有り難う……う〜ん作り直して……また持ってくる?」


「そう? 美味しいわよ! マッカロン?」


「……何度も言わなくて、もいいだろ!」


 ピタピタピタピタ……。


「何よ……?」


祝長(はふりおさ)達ち! 集合!」


 ザワザワザワザワザワザワ……。


「料理長! 駄目だったんですか?」


「ぱく……はむはむ……もぐもぐもぐもぐ……だった……」


「ええ〜っ……そんなに辛口の判断が……」


 ザワザワザワザワザワザワ……。


「壱口目に……何コレが出ないとは……?」


 ザワザワザワザワザワザワ……。


「全てを洗い直す……意見を求める!」


 ザワザワザワザワザワザワ……。


「はい! 御連絡有り難う御座います! コチラ! ル〜ン電算室です! 担当は下限の月モッチ〜です! 着やすく下限ちゃんとおっしゃって下さいね! お客様、何かのル〜ンサ〜ビスに対しての激怒なクレ〜ムでしょうか? 大変申し訳御座いません! とっとと最初に謝らせて頂きますね 御要件の程はsssランクから申しますとどの位ですか……?」


「下限ちゃん! 緊急だよ! コチラ! ア・ヴァウヴァウ・ヴァウ〜……何も言わずデトロイトモンスタ〜ちゃんとこ最大火力で、超延々距離超電磁レ〜ル砲ぶっ放して! ステルス彗星発見せり! 碧球の拾倍の大きさ何だよ! つべこべ言ってられないんだって……」


「御客様? 壱先(ひとまず)深呼吸致しましょうね! 落ち着きましょうね? まだ…御名前聞いてませんよ?」


「下限ちゃんの、イケズ〜! いいわよ! コッチで何とかしろって事ね……ガンッ! ブチッ!」


「おやまあ……? 血の気が多いことで!」


 ポン!


「何? 下限の月ちゃん?」


「ビッグワンちゃんさ? ル〜ン騎士団展開させてるの……?」


「あ〜……ヴァルキリ〜ちゃんにブチ切れられてる……アレね? 前面展開してるけど……ステルスだからねぇ……現物確認出来無いとさ……そっちに飛び火しちゃったの? 御免ね! ソロボン……ピ〜ナッツ〜……位まで様子見かな?間に合わないとアジャパァ〜になっちゃうから準備進めといてよ? 大規模停電か何かにしてさ? ハフリ〜ル様には事後報告って事でね!」


「あ〜……面倒臭いのに巻き込まれちゃったな〜……何とかしてみるけど……いくらド天然でもね……変な感だけは鋭いんだよねハフリ〜ル様?」


「お願いね! 此方もさ今シッチャカメッチャカでさ! じゃあねえ!」


「了解!」


 ル〜ン電算室に衝撃の発言が発せられる事となった(面倒くさいから割愛だよ……時間も無いし!)!


「ええ〜っ……!」


「兎に角! 皆んな協力して!」


 ステルス彗星を目前にしてある弐匹……。


「ジャンケルちゃん! スカイソ〜ドちゃん! やるしかないね! ル〜ンからの支援は諦めるしかないから……?」


「うん……」


「マジか〜……」


「ツベコベ言わずいくよ!」


 お〜っ……!


「輝けジャンケル!」


「スカイ剣!」


「ヴァルキリ〜! グ〜パンチ!」


 シャキ〜ン!


「ル〜ンエネルギ〜……全面カット! 電算室以外の全てのエネルギ〜徐々に供給ストップします!」


「デトロイトモンスタ〜ちゃんの準備整い次第! 全部ぶっ込んじゃて!」


「超延々距離超電磁レ〜ル砲へのル〜ト確保……弐漆パ〜セント!」


「コソコソやるから、時間掛かるよね……?」


「仕方無いよ……彼方此方フェイク情報入れながら、細かい悪戯テロ繰り返して、ル〜ン全域にも嫌がらせも同時進行してるから!」


「流石はル〜ン電算室の結束はかたいよね!」


「月モッチ〜軍団を、本気にさせるからでしょ!」


「ステルス彗星捉えました……絶句ですけど……」


「デトロイトモンスタ〜ちゃん! 準備は整ったわ……貴方のタイミングで、何時でもどうぞ……外さないでね!」


「了解で〜す! 外しちゃったら御免ね! 壱発出たとこ勝負だぜ! うふふふふふふふふふふふふ……激熱展開! 燃えるよ〜……角度調整馬鹿になってるから! 目算でいくよ!」


「……保険うっといた方がいいかな……?」


 ポン!


「下限ちゃん……何? 珍しいな?」


「キンケロン! この前の貸し、返してもらっていいかな……?」


「なに? まだ用意が出来ておらぞ! オイラをスカンピンにするつもりか……? 鬼! 金の亡者! まだ……壱期経っておらんぞ!」


「何あたふたしてんのよ……あんたらしくも無いわね守銭奴!」


「五月蝿い!」


「今から言う、わたしのお願い聞いてくれるんならさ? 全部チャラにしてもいいんだけどね!」


「何? 本当だな? 確かに聞いたぞ! いいぞ! 分かった聞いてやる! 今は忙しい! 相場が動いているんだ! あ〜っ! お前……確信犯だな? この壱番動きが活発になるこの時を狙ってくるとは? イケスカン奴! ハイニャ〜ンとホイニャ〜ン行かせるるから! アイツ等に言ってくれ! 聞いたぞ! 言ったからな! チャラだぞ! あははははは……!」


 ブチン!


「よし! 次は何で嵌めてやうかしら? チョロいのよね! キンケロン!」


 ル〜ン、謁見の間……。


 ピュタピュタピュタ……。


「おい! ハフリ〜ル! コレでどうだ……」


「はむ……ん〜……もぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐ……」


「分かった……出直してくる……」


 ピュタ……ピュタ……ピュタ……。


「え……? マッカロン? 美味しいわよ?」


「おい! 祝長(はふりおさ)たち集合だ! 方向性を変えるぞ!」


 ザワザワザワザワザワザワ……。

 パチパチ! パチパチ! ブ〜ン……バチッ!

 ピンポコパ〜ン! ポコポコポコポコポコポコ〜……。

 ル〜ン電算室よりお願いです! 諸事情によりまして、ル〜ンのエネルギ〜供給が全域に渡りまして……多分……少しの間ストップいたしま〜す! 復旧まで御時間を頂く事と相成るかも知れませんので……適当に各自楽しみを見つけて、お待ちくださいませ!

 ル〜ン電算室からの、お知らせでした!

 尚、此の件に関しましての苦情には、知らぬ存ぜぬで対応しますので……無駄な暇潰しには御時間をさきませんので……あらかじめ先にぶっ込んでおきます! 悪しからずです!

 ピンポコパ〜ン! ポポポポポポポポ……。



   勝手に怪盗不死身ちゃん!


 バリバリバリバリバリバリバリバリ……。


「勝手に怪盗、不死身ちゃん登場! 区間ちゃん! 後お願いね!」


 ピ〜ポ! ピ〜ポ! ピ〜ポ!


「あっ! 困りますよ! クラン女王様! またコスプレして! 野良未開の地、調整無しで持ってくるの止めてくれませんかね? 後処理大変何ですから? 今月参件目ですよね……全く! 未開ちゃん! 開拓ちゃん! 登録ちゃん! 計画ちゃん! 野良を定着させるの手伝って〜!」


「忌々しい……その名は出すな! 目隠し怪盗頭巾をかぶって、怪盗ヒラヒラマントを装着してる時は、怪盗不死身ちゃんでしょ!」


「はいはいはい……(ああ、面倒臭い……)」


 シュン! シュン! シュン! シュン! シュン……!


「あっ! また、クラン女王かよ!」


「またですか……?」


「このクッソ忙しい時に……」


「サッサとやっちゃうよ! (いつつ)のわたし達ちが集まる時! 荒くれ空間もいい子ちゃんになっちゃうよ! 承認言っちゃいます! 未開ちゃん! 承認!」


「開拓ちゃん! 承認!」


「区画ちゃん! 承認!」


「計画ちゃん! 承認!」


「登録ちゃん! 承認! (いつつ)の承認頂きました! 空間定着と同時に、ラック王国合国国仮国編入登録致します! 合掌!」


「いい国になってね!」


「ふ〜っ!」


「あれ? クラン女王は……」


「飽き性何だから……野良連れて来ては、置き逃げはクラン様の常套手段でしょ?」


「だったね……」


「探偵ちゃんに、此の地の身辺調査依頼しといて!」


「探偵ちゃん! まだ……この前の件の身辺調査で頭の抱えてたよ? 手掛かりがみつからないって?」



   黒鳩来たりて……


 ピポパポ! ピポパポ! ピポパポ……。


「はい……御記録です……」


「黒鳩来たりて……白鳩飛んだ……黒鳩……来たりて……白鳩……飛んだ……」


「えっ……待って下さいね……えっと……鳩さんの暗号表何処置いたかな……あっ……これだこれだ……えっと……ヤ・キ・イ・モ……タ・ベ・タ・ラ・オ・ナ・カ・パン・パン……」


「スキヤキでは……無いのかな……?」


「えっ……ヤキイモです……間違いありません!」


「スキヤキだぞ! ヤキイモは前期の暗号だ! 間違えるな!」


「あっ……本当だ…済みません……了解です……」


「白鳩さんから御手紙ついたよポ〜ポ〜無くだ! 了解では無いぞ、何処で誰に聴かれているやもしれん……駄目だよ!」


「あっ……済みません! ゴツン……痛たたた……頭ブツケちゃったよ……白鳩さんから御手紙ついたよ……ポ〜ポ〜無く……」


「では……検討を祈る……」


 ガチャン……プ〜プ〜プ〜……。


「誰からだったの……?」


「あっ! 伝承ちゃん! いいとこ来た! ラック王国また休国するんだってさ!」


「えっ? また? この前の休国から伍期経ってないよ?」


「また暫くの間、ラック王国合国国の緊急窓口ここに開くよ! わたしは連絡来たら、関係のあるところに振って御記録取るだけだから……美味しいんだよね!」


「ギャラ良いの?」


「壱件取り次ぐと、壱萬ラックコインだからね!」


「そんなに貰えるの?」


「うん!」




 休国いたします……


「第玖拾玖期ラック王国、国民の皆様! 第玖拾玖期ラック王国壱番番頭頭(ばんとうがしら)のパンパパパンで御座います! この度、風の国より伝達がありました! あの忌々しきラック国王の奴が、風護りの国を突破した模様で御座います! 何だこうだと身に覚えの無いイチャモンを付けられる前に、只今の放送を持ちまして! 第玖拾玖期ラック王国を休国といたします……地下休国専用ラック王国を開国しております! 地下休国専用ラック王国への避難……地下休国専用ラック王国直行地下蒸気の緊急臨時便を運行いたします……是非ご利用下さいませ! 尚、記念すべき時期につきましては……寿全面推しで企画しておりますので! 御期待に添えます様に番頭壱同頑張りますので、第壱百期ラック王国の再開迄ご機嫌用で御座います! 前期のラック国王襲来より、伍期の間皆様にご愛寵頂きまして誠に有り難う御座いました! ではお名残り惜しゅう御座いますが……パン! 解散! 失礼いたします……」


 お〜っ……パチパチパチパチパチパチ……。

 ピンポン……ポンポン……パン……ポ〜ン……。

 尚……ラック王国合国国(がっこくこく)の方は、今期は休まず営業致しておりますので……緊急連絡先から……御記録ホットラインへと繋がりますので……ソチラをご利用下さいませ……ピンポン……ポンポン……パン……ポ〜ン……。



   先生! お久方ぶりです……


「あっ! 先生! ここです! ここです! ここで〜す!」


「おお! モッチ〜! 久方ぶりじゃな! 元気しておったか?」


「モッチ〜! 元気してたかい?」


「お妙さんも! お元気そうで何よりです!」


「モッチ〜……(ムギュウ!)」


「シシリ〜さんも! 相変わらず元気ですね……痛いです……」


「モッチ〜! 本当に蜂蓮(はちばす)の実の食べ放題何てあるの……すっごく高いんだよ!」


「おまかせ下さい! ぽん! メッチャンコに、ご用意させておりますので!」


「ヤッピ〜!」


「お静! とっとと、モッチ〜の用意した幌馬車に、荷物積み込んじゃって乗っちゃいなよ!」


「お妙姉さん! もうみんな乗っちゃてますって! 節穴! 何時でも出発出来ますよ〜!」


「節穴じゃないよ! 馬鹿言ってんじゃないよ!」


「ねぇモッチ〜さ! 何でパカパカじゃ無くて……海月型給水ポット何だい?」


「ふっふ〜ん! 先生との旅の時の再現何だかです! 味は変えて、甘熟グロウパイン味にして見ましたけど……?」


「懐かしいのう……これで始まりの地へと、お前さんと旅立ったのも……ココからじゃったのう……(過去のあ〜だこ〜だを思い出しながら……遠くを見詰める蛙壱閃(かわずいっせん)先生!)」


「そうかい……有り難よモッチ〜! この穀潰しを、連れ戻って来てくれてさ! 感謝してるよ!」


「そんなそんなそんな……わたしも先生にすっごくお世話になったんで!」


「おい! モッチ〜! 何やってんじゃ! 行くぞ! ラック王国迄まだ半日は掛かるんじゃぞ! 天ノ叢雲(あまのむらくも)亭の予約時間に間に合わないぞ!」


「あっ……すみません! 行きましょう! 行きましょう!」



   無駄だぞ!


「何処だよ……? 此処は……? 時空の羅針盤(ラックの左目奥の空間部屋に侵食している!)で見てみっか? アイツの気配は……っと……いたいた! 行き成り、やって来れるじゃねえかよ!」


 シュン……。

 ヒュンタに非ぬところまでぶっ飛ばされたラックは戻って来て、ヒュンタの背後を取り……。


「てめぇ! リンシ〜ルから助けてやったのに、何しやがんだよ? これがてめぇの礼儀なのかよ?」


 グリグリグリグリグリグリグリグリ……。

 ヒュンタの全身の毛がビリビリ逆立ち! うっすい、ほぼほぼ透明に近いゆらゆら蒼白い静電ビリビリが覆うと!

 ラックが、パッ……。


「何処だよ……此処は……あゝ! アイツ面倒臭え! カッチン! (あったま)来た」


 パッ! パッ! パッパッ! パッパッ! パッ! パッ! パッパッ……と、ヒュンタとラックの、どちらが鬼だか飛ばされてるんだか、追われてるんだか、分からない鬼ごっこはひたすら続く……。


「ブッチンプチンに! (あったま)来たぞ!」


 ラックは、ヒュンタの首根っこガッチリ掴み!

 足をバタバタバタバタバタバタバタバタ……暴れるヒュンタ!


「おお! 何してんだ……こんなとこでさ……? ラック! そんな知らない謎の白いモケモケ、虐めてたら……祟られっぞ!」


「よう! ケロロン! リンシ〜ルに追われててさ! 面白そうな奴かなって、助けてやったのにさ! コイツ(ポコリ!)壱百パ〜セク飛ばしやがんだぜ! ヒュンヒュンしか言わねぇし、御礼もヘッタクレも無しの礫何だぜ……酷くねぇか? ケロロン! お前の次元の羅針盤で、お灸がわりにさ! 次元の壁超えさせて来てくれよ! まだ空間移動とか素人(とうしろ〜)だからさ? ほっとくと危なっかしいんだよ! コイツにさイロハを教えてやって来れよ!」


「おっ! まあ良いぜ! (つら)貸しな!」


 ケロロンに首根っこ掴み、渡されたヒュンタは……バタバタするのをやめた……これは駄目な奴だと悟ったのだった(君は賢明だぞヒュンタ! こいつ等に目を付けられた時点で、もう積んでいるのだからね!)!


「タヌタんとこに行く途中だったんだ! 時間時空次元の淵狭間で落ち合おうぜ! じゃあ! 後でな! 行くぜ! 白いモケモケ野郎!」


 むわんとした次元空間に巻かれるようにケロロンとヒュンタは旅立って行きました……。


「お〜い! 白いモケモケ〜! 楽しんで来いよ〜っ!」


「さてと……タヌタんとこだったな……」


 パッ!


 

   ラックさん……急に何でしょう……?


 パッ!


「よいしょっと! タヌタ〜! 来たぞ〜!」


「ラックさん? 急に何でしょうか……? 約束してましたっけ……記憶に無いですけど……う〜ん……時間を遡っても見当たりませんケド……? 俗に言う! 嫌がらせという奴ですかね?」


「違うぜ! ヒョンな事でケロロンとさ、此処で落ち合おう事になっちまってよ! 邪魔するぜ!」


「あっ……そういうことね! ケロロンさん急に囲碁を教えろとかで……来られるんですけど……あの性格だから無理ですよって言ってもね……イッペン位はやらせろ! イッペンだけで、駄目かもしれねぇけど……駄目元でも……もしかしたら、天性の何かがあるかも知れねぇだろと……で……来られるんですけど! ケロロンさんは、何処(いずこ)ですか……?」


 パッ! パッ! っと、ケロロンとゲッソリ青ざめたヒュンタがやって来た!


「タヌタ! ケロロンは引き受けてやるからよ! この白いモケモケに時間の羅針盤でさ! 時の世界教えてやって欲しいんだけど! お前! 教え上手じゃん!」


「どうせさ! ここんとこの(いにしえ)の引き籠もりの神さん、相手してるだけだろ!」


「俺からも頼むぜ! 教えてやって来れよ! (なん)か気に(なん)だよ……コイツさ! 次元空間、散々引き摺り廻して来たんだけどさ! コイツ多分迷子だぜ! 帰れなくなってるんじゃ無いか? 元いたとこにさ……?」


「時間空間のお勉強ですか? 少しの間だけ神様達ち見てて下さいね……恒河沙、阿僧祇、那由多、不可思議、無量大数とかヘッチャラで長考して思考の中で居眠りしてるだけ何で! お願いしますね!」


 タヌタに首根っこ掴まれたヒュンタは、参匹の中で壱番厳しい先生にビシバシと、永遠とも思える……永〜い時間旅行しながら鍛え上げられる為に、時間空間へと引き摺りこまれて行きました……。


「あははははは……お〜い! 白いモケモケ〜頑張れ〜っ!」


「愉しんで来いよ〜っ!」


「戻りました! ラックさん! ケロロンさん! お留守番有り難う御座いました! (いにしえ)の神様達ちからの苦情とかありませんでしたか……?」


「えっ! もう終わったの……?」


「お帰り〜! 白いモケモケ!」


「はい! タップリと時間を掛けて、時間の基本的な事や、概念的な事は壱通り恥ずかしくは無い程度には、教えて参りましたよ! 立派になりましたよ! 白いモケモケ! 目が違うでしょ! 旅する前とは……?」


「コイツの碧目……何考えてんのか? わかんないんだよね?」


「あっそう……? 有り難うタヌタ! あっ!そうだ……モッチ〜どっかいないかな? どうせだからさ! コイツに空間の使い方とか……教えてやるか? こんなに覚えが早いんならいけるぜ!」


 ブンブンブンブンと首を横に振って、嫌だ嫌だを必死で伝えるヒュンタの思いは誰にも届かない……。


「お〜い! ラック! ラック王国行くぞ! 行くんだろ? 俺の赤い車に乗ってけよ! ウォ〜タ〜サ〜ヴア〜で、水満タンだからさ! 怒虫(いかりんちゅう)も新しいのに替えてもらってるから、途中で止まったりしねぇからよ!」


「ふふふふ……モッチ〜ラック王国に来てるじゃん! 行くぞ! 白いモケモケ! ケロロン頼むわ〜!」


「おっ! 任せときな! このアナログ感が最高! 何よりだぜ! パッと行けるとこをあえてノロノロ行くのが……逆にオツだろ!」


「何でもいいから……ぶっ飛ばして行ってくれよな!」


 ギコギコ……グルン……グルン……グルン、グルン、グルン、グルン、グルン……ふ〜っ! ギコギコ……グルン……グルン……グルン……。


「おい! ケロロン……早くしろよ!」


「何言ってんだ! これが醍醐味だろ! 楽しもうぜ!」


「ああ……そうだな……?」


 ギコギコ……グルン……グルン……グルン……グルン……グルン……ふ〜っ……。



   あれ! 閉まってる?


「皆さん……どうも済みません! わたしの不手際です……ペコリ!」


「モッチ〜のせいじゃ無いよ! 急に何かの事情があって……休国になっちまったみたいだね?」


「どうも……雲行きが怪しいな? 黒い雲がこの上に集まって来ておる?」


「(チラッ……内とこのは関係して無いよね……?)どうするかね〜……?」


 プップ〜! プッ! プッ! プ〜ッ!


「お〜す! みんな! 元気してたか〜っ!」


「おっ……御喋りアライグマ! 何であんたがココに居るのよ!」


「(ケ……ケロロン……? 何しに来たんだかね……? こりゃ……早々に退散したほうが言いようだね!)」


「ここは! おいらの国だぞ! 居ても可笑しく無いだろ? モッチ〜!」


「気安く呼ばないでいただけますか? わたしをココにほっぽってって……今ですか? よう……久しぶり〜ですか? どの口から、そんな言葉が飛び出すんですか? 御喋りアライグマ!」


「あんた! 巻き込まれない内に帰るよ! みんな〜……撤収だよ! 始まりの地に帰るよ〜! 目が腐っちまうから……あの翠の厄災は見ちゃだめだよ〜!」


「分かりました〜……お妙姉さん!」


「そのようだな! みんな! 始まりのの地に戻るぞ!」


「もう! あたしが言ったよ! 何? 繰り返してんのさ?」


「ダディ! 帰っちゃうの! 蜂蓮の実の食べ放題残念ブンブンだよ!」


「シシリ〜! 彼処にね! 厄災って言う、面倒くさいの翠の塊がいるからね! 阿呆と馬鹿の下駄は片方づつ履いてんだよ! クルクルパ〜が伝染る前に帰るんだよ!」


「ママ! シシリ〜……クルクルパ〜嫌だよ〜……帰るよ! ママ! 分かったよ! 臭いものには蓋をするんだね!」


「シシリ〜! 何でもいいから……帰るよ!」


「モッチ〜! コイツ……白いモケモケってんだけどさ! 空間の迷子何だよ! お前の空間の管理の仕方教えてやれよ! 何なりと手に職付けてやりてぇだろ! 壱匹ぽっちでこの世知辛い世界を渡り翔んでかなきゃいけないんだぜ! ポンポン!」


 ヒュ〜ン……ウルウルウルウル……。


「(か……可愛いい……ぶるぶるぶるぶる……駄目だよモッチ〜……アイツの常套手段だよ! 引っ掛かっちゃ! 駄目駄目ちゃんだぞ!)誘拐でもしたんですか……? その白いモケモケを……! (あ〜……そんな……ウルウルしたつぶらな悲しそうな、吸い込まれそうな碧目で見詰めるのは……反則だよ〜……ドキュ〜ん……だよ〜……?)」


「ラック……アイツど天然だな! 間違いなく!」


「モッチ〜! あれが始まりの地、出禁のケロロンだ! 初見だろ! 関わるな! 目を合わすな! 口も聞いてはならんぞ!」


「はい先生! マッカロンさんから! よ〜く噂は伺っております! プイッ!」


「おい! モッチ〜! このウルウル碧い目の白いモケモケが、可哀想じゃねぇのかよ! 自分の世界に返してはやれないけど……何処から来たか知らねぇしな? コイツ(ポンポン!)ヒュンヒュンしか、喋んねぇから分かんねぇからよ〜……えっと……アレだ! アレだよ! なっ! 分かるだろ! 感じろよ……この空気の中からよ!」


「お妙さん! 先生! 御免なさい! ペコリ! あの白いモケモケさんは……わたし……やっぱり……ほっとけません! あの危なっかしい連中の、魔の手から必ず救い出してみせませす! バンババンです! 大きな櫛羅さんはお腹の中には入れです! ピノッキオも実践しました! ペコリ!」


「そうかい……また遊びに来なよ! 暫しのお別れだね……モッチ〜!」


 ムギュ〜!


「暫しのお別れだね! モッチ〜!」


「おい! シシリ〜には注意しないのか……? 暫しのお別れ被りだぞ!」


 ボコン!


「……殴らなくても良いじゃろ?」


「シシリ〜! 怪我ばかりしないでよ!」


「怪我はわたしの勲章だよ! モッチ〜!」


「(ホカホカのデッカイタンコブを撫で撫でしながら……)ではな! モッチ〜達者で暮せよ! お〜い! 海月型給水ポット引き幌馬車をだせ〜!」


「みんな〜……サヨナラ〜……」


「サラバじゃ! 厄災どもよ!」


「先生! わたしは違いますからね〜! 壱緒(いっしょ)にしないで下さいね〜……!」



   ケロロン見つけたぞ……


「ふふふふふふふふふ……あははははは……遂にケロロン尻尾を掴んだぞ! ラック王国周辺に網を張ってて正解だったな! 暗黒要塞バリバルバリ〜ン浮上! ラック王国へ向け発進……! 空間折り畳み機作動! 千鬼傀儡転送開始! 蜃気楼フィルタ〜全面展開!」


 第壱層展開開始……空間安定後転送開始致します……。


 第弐層展開開始……空間安定後転送開始致します。


 第参層展開開始……空間安定後転送開始致します。


 第肆層展開開始……空間安定後転送開始致します。


 第伍層展開開始……空間安定後転送開始致します。


 第陸層展開開始……空間安定後転送開始致します。


 第漆層展開開始……空間安定後転送開始致します。


 第捌層展開開始……空間安定後転送開始致します。


 第玖層展開開始……空間安定後転送開始致します。


 第拾層展開開始……空間安定後転送開始致します。


「ケロロン首を洗って待ってろよ! あははははは……あははははは……」


 (時間の都合上ここからは、ダイジェストでお送りいたします! ペコリ!)



   戦闘開始!


「なあ! ケロロン? どう見てもアレ……お前の方のヤツだよな? あのお前を分割した時の……最後に引き抜いた黒い奴だろ? アレ?」


「そうだな! オレの片割れだな……? 今何て……名乗ってるかは知らないけどさ……?」


「じゃあ……頑張れよ! オイラは用事あるからね! モッチ〜、白いモケモケ! 行くぞ!」


 ポンポンとケロロンの方を叩き去って行くラック(空耳ワワ〜を取り出し通話をしながら、後ろ手で手を振り去って行く……)


「お〜い! ラック……チェッ! 面倒臭えの来ちゃったよ……全くよ〜! ココ暫く使え無くくなるけど、俺じゃ無くてアイツのせいだからな! 間違えるなよ! と、空間に言葉だけは残しておくぜ! 誰も気にしちゃあいないだろうがよ! これ使っちゃおっと! (ポイ!)」


 ポン! モクモクモク〜……。

 地面からぴょこりと可愛らしい雄呂血の芽が顔をだしました……ぴょこりぴょこりぴょこりぴょこりぴょこりぴょこりぴょこりぴょこりぴょこりぴょこりぴょこりぴょこりぴょこりぴょこりぴょこりぴょこりぴょこりぴょこりぴょこりぴょこりぴょこりぴょこりぴょこりぴょこりぴょこりぴょこりぴょこり……と八百萬の雄呂血の幼木が、可愛らしい愛らしい眼でケロロンを見詰めています。


「取り敢えずアレをココから先に通すな! 分かったか? ここの地を未来永劫護ってやって来れ! お父さんからの最初で最後のお言葉だ!」


 ピャムピャムピャムピャムピャム……。


「は〜……始まっちゃったね厄災がさ! シシリ〜! 壱寸だけ手伝っておやりよ?」


「(ウズウズウズウズ……)……ママ……良いの……? (ウズウズウズウズ……)迷惑掛けちゃうよ……?」


「ウズウズしてるじゃないかさ? 普段のウップンを、ココで思いっきり晴らしときな! こんな機会、そう滅多に無いからね! 限定解除でいいよ! あんたの磨き抜いた躰道(たいどう)を、思いっきり華麗に魅せつけて暴れてきな!」


「(ウズウズウズウズ)でも……折角のヒラヒラのお洋服が……?」


「新しいのお買い物しようよ! 後でね!」


「(ウズウズウズウズ)本当にいいの(キラキラキラキラ!)! うん! ママ有り難う! 大好き〜っ! ムギュ〜……(囁くように)シシリ〜はママと、蛙堂(かわずどう)主人(あるじ)の誓を護って、正々堂々と熱いハ〜ト、熱い拳、熱いペタペタ足、全身漲るパワ〜で……ここの地を踏み躙る黒い鉄の悪魔を砕いてぶっ飛ばしてまあります! 合掌! チュッチュッチュッ!」


「力の限り! お行き! シシリ〜! 何かあったらさ……バックにはあたし達ち、(めかけ)漆疋(ひちひき)衆が着いてるからね! 安心して暴れてきなよ!」


「はいママ! (くるりんこ!)ふ〜……!」


 ガシャンガシャンガシャンガシャン……。

 壱礼! 押忍!

 ダッ! ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ……ガキン!

 転技! 運技! 変技! 捻技! 旋技!

 転体雷動! 卍蹴り! 応転雷火! 海老蹴り!

 ドゴゴゴゴゴゴゴ……バタバタ! バタバタ! ドッカア〜〜〜ン! モクモクモク……髑髏マ〜ク! 髑髏マ〜ク! 髑髏マ〜ク! 殲滅マ〜ク! 髑髏マ〜ク! 髑髏マ〜ク! 殲滅マ〜ク! 髑髏髑髏髑髏髑髏髑髏マ〜ク! 殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅マ〜ク……。

 野生に帰った……留まることなく疾走するシシリ〜は、もう誰も止められない……。


「ボコン! あんたもだよ? シシリ〜頑張ってるでしょ?」


「痛いぞ! タンコブの上は止めてくれ! 弐段になっておるでは無いか? お妙? ワシも行くのか? 分かった! 仕方が無い! シシリ〜にばかり美味し所を持ってかれてばかりでは、蛙堂主人としは立つ瀬が無いのう……デクノボリ〜来〜〜〜〜〜〜〜〜〜い! 轟、驚き、伝説の木……やって来い来いデクノボリ〜……来たれ〜い!」


 プチ! プチ! プチプチ! プチプチ!

 ラップ音が鳴り響く……。

 空間に縦に壱本線が走り、中より手が空間を切り開き……ニョッキリと長〜〜い左足が伸び大地を踏み締め、壱気に多本腕の木の巨人が姿をを表しました。


「ねぇ〜(旋技)! ママ〜(運技)! その巨人さんって〜(卍蹴り)! よく詩ってくれてた〜(変技)! 星巡りの詩の巨人さんなの〜……(海老蹴り)?」


「そうだよ〜! シシリ〜! ナナ〜プッシ〜だよ〜!」


 戦闘中のシシリ〜の胸中には、いさおさんのキャシャ〜ン、次いでいさおさんのゲッタ〜、次いで影山さんのヒ〜トのその次に、小さな頃お妙が詩っていた子守詩……星巡りの詩が流れていた……。



   星巡りの詩


 それは それは それは

 昔し昔しの 大昔し

 その又 昔し

 又々 昔しの

 むか〜し 昔しの

 星の 囁やき

 星の 煌めき

 星は謌い

 ナナープッシーは

 ピ〜ヒャラ ピ〜ヒャラ 

 ピ〜ヒャラ トットト

 ピ〜ヒャラ ピ〜ヒャラ

 ピ〜ヒャラ トットト

 笛吹き トットト

 ピ〜ヒャラ ピ〜ヒャラ

 ピ〜ヒャララ

 トットト トットト

 舞い踊る……

 壱夜(ひとよ) 星夜(ほしよ)

 舞い踊る

 ピ〜ヒャラ ピ〜ヒャラ

 トットト トットト

 ナナープッシーは 

 星と壱緒(いっしよ)

 笛吹き 笛吹き

 ピ〜ヒャラ ピ〜ヒャラ

 トットト トットト

 星は 嗤いい

 トットトト

 とっととと

 星は 哭き

 ピ〜ヒャラ ピ〜ヒャラ

 ピ〜ヒャラ

 旅する星は……

 羨ましいそに

 ホホホホ ホ〜と

 箒星 通り過ぎ

 プ〜プ〜プ〜っと 

 膨らむ星

 グルリン グルリン

 グルリン ポッポ

 渦巻き星

 ナナープッシーが 

 ピ〜ヒャラ ピ〜ヒャラ

 笛吹き トットト

 空間宇宙(おそら)

 ヒョッコラ ヒョッコラ

 星を 星を 渡り歩いてく

 ナナープッシーが

 ピ〜ヒャラ ピ〜ヒャラ

 トットト トットト

 星を繋いでく

 ナナープッシーの

 ピ〜ヒャラ ピ〜ヒャラ

 ピ〜ヒャラ トットト

 星護謌(ほしもりうた)

 ピ〜ヒャラ ピ〜ヒャラ

 新たに生まれる星

 ナナープッシーの

 葬送狂騒曲

 ピ〜ヒャラ ピ〜ヒャラ

 トットトト

 星は生まれて 星は哭いて

 ピ〜ヒャラ ピ〜ヒャラ

 トットトト

 消えた星 消えゆく星

 ナナープッシーは 見守り

 ピ〜ヒャラ ピ〜ヒャラ

 ピ〜ヒャラ トットト

 優しく 星を育む

 宇宙(そら)の揺り籠

 漆色(なないろ)渦巻き

 星の瞬き 星の囁き

 星の雫

 トットトト……

 

 大きな ビカ〜が

 宇宙(おそらに) 起きた(とき)

 ナナープッシーは

 星に バイバイ

 バイバイ バイバイバイ

 すべての ナナープッシーが

 手と手と手と手と手と手と手

 手と手と手と手と手と手と手

 手と手と手と手と手と手と手

 手と手と手と手と手と手と手

 手と手と手と手と手と手と手

 手と手と手と手と手と手と手

 手と手と手と手と手と手と手

 手と手と手と手と手と手と手

 手と手と手と手と手と手と手

 手と手と手と手と手と手と手

 繋ぎ愛

 ピ〜ヒャラ トットト

 ピ〜ヒャリ ピヒャリト

 光りを押さえて

 ピ〜ヒャラ トット

 トットトト

 ドンドン ドンドン

 グルグル グルグル

 ピ〜ヒャラ ピ〜ヒャラ

 グルグル トット

 グルグル グルグル

 トットト トットトト

 小さく トット

 グルグル グルグル

 トットト 小さく

 ピ〜ヒャラ ピ〜ヒャラ

 グルグル グルグル

 ピ〜ヒャラ トット

 トットト

 ピカ〜っと 真っ白

 真っ白け

 トットト トットト

 真っ白 ケッケノケ

 ピ〜ヒャラ ピ〜ヒャラ

 まっしろ けっけのけ

 パリリ パリパリ

 パリ パリリ

 グルグル トット

 ピ〜ヒャラ ドンドン

 ピヒャリ ピヒャリ

 グルグル トット

 パリリ パリパリ

 パリ パリリン

 満る 宇宙(おそら)

 パリ パリリン!

 ピ〜ヒャラ トット

 グルグル グルグル

 クル クルリン

 宇宙(おそら)の ピカ〜が消えて……

 真っ黒 真っ黒

 トットト トット

 真っ黒け

 ピ〜ヒャラ トット

 真っ黒ケッケ ケッケノケ

 ピ〜ヒャラ ドンドン

 スド〜ンと 裏の宇宙(おそら)へ……

 ピ〜ヒャラ トットト

 ナナープッシー

 グルグル グルグル

 ピ〜ヒャラ トット

 ドンドコ ドンドン

 ナナープッシー

 消えてった……

 シ〜ンと 静かな

 漆色(なないろ) 渦巻き

 残して

 そして それから

 星達は

 救し 友への

 鎮魂歌

 光り 瞬き

 沈黙す……

 ナナープッシーを

 ずっと ずっと ずっと

 想いて……

 新星(あたらしい) 星の子供(こら)

 生まれたら

 星達ちは 沈黙破って

 謌い出す

 ナナープッシーと

 星巡りの詩を

 星の子供(こら)に 語り

 次々 謌いいだす

 ナナープッシーと

 この 星巡りの

 (うた)を…… 



   パックン!


 パッパッのパッ!

 ドロロロ、ロ〜ン……モクモクモク……ッ。


「勝手に怪盗! 不死身ちゃんだよ〜! ウ〜ニャ〜ン先生! 直に準備致しますから、ちょっち待ってて下さいね! 野槌ワ〜ムホ〜ル結界怪怪〜!」


 地面からニョロリ……ニョロリ……ニョロリ……ニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリニョロリ……と、傀儡をぐるりと取り囲みました。


「ん……ドリャ〜……不死身ちゃんキィ〜ク! パンパン! ウ〜ニャ〜ン先生! 準備出来ましたよ〜! は〜い! みんな〜っ! お待ちかね〜! アレ! いっちゃよ〜! パックンタイムだよ! 零! から巻き戻して〜っ! 参! 弐! 壱〜っ! せ〜の! パックン!」


 野槌ワ〜ムホ〜ル事、空間の大きな口がパックンしました!

 透明な透け透け時空櫛羅(くじら)の優しい目が微笑んでいました。


「よ〜し! 不死身くん! 次のパックンへ行くぞ! 今日は後、拾件あるからな! まだまだ序の口だぞ! 大忙しだぞ! あははははは……」


「はい! ウ〜ニャ〜ン先生! 直に参ります!」


「では、行こう! ク〜ジン! 参ろうぞ!」

 透け透けうねうね空間が方向をかえ、次なるパックンをする為、何処へやらと去って行きました……。



   ピンポンパ〜ン! ご注文の品です!


 ピンポンパ〜ン……コチラは神橘蜜柑かみたちばなみかん柑橘かんきつ王国の転送配達であります! ラック国王様よりの特急便をお届けいたします……直ちに光りラインよりどけ! 尚、巻き込まれは自己責任ですので、我が身はおのれ自身で保全下さいまし! カウントダウン放送無しの、拾秒後に自動送信ですので悪しからずです!


 ピンポンパ〜ン!


「おっ! 来た来た!」


 ピッカ〜ン! シュ〜ン! シュ〜ン!

 ジジ……ジジ……ジッ……ジッ……ジジ……ジッ……ジッ……ジッ……ジッ……ジッ……壱時間経過……。


「お〜し! やっと来たな! 標準セットしか無かったから、しかたないか? 時空ボ〜ンバスタ〜ランチャ〜! 照準セット!」


 ラックは何の躊躇いも、躊躇無く引き金を引く!

 クロロロロ〜ンの空中城塞は、ラックの壱撃でアッサリ大破し空間の歪に侵食されて行く……。


「おのれ! ケロロン! 次は必ず痛い目に合わせてやるからな! ク〜ロ、クロロロロ〜……退散(パッ!)!」



   アイミ〜


「ふん……お前も懲りないな〜……壱阡機の傀儡を……もう失ったのか……この前やっと全機体を納品したとこだそ! 何回目だっけ……全滅! もう殲滅だよな!」


「アイミ〜! 更に強力な傀儡が必要だ! アイツがラック王国にいる間に、もう壱度仕掛けたい?」


「無理だよ! 壱阡機体も、そんなに早くは納品出来ないよ!」


「アイミ〜! お前なら何とかなるだろ? 1.5倍払おう!」


「試作とか……既存の機体でも良いのなら壱週間で用意出来るけど!」


「もっと早くはならないのか……今すぐ欲しい! 其れに空中城塞もだ! 3倍出そう!」


「それはマイケルの鼻だよ! 崩壊の序曲が鳴ってるけど! クロロロロ〜ン! 伍日だ! 其れが嫌なら、この話しは無しだね! 空中城塞は無理だから……簡易通信ポットだね! どうする……?」


「……仕方無い! それで頼む伍日ラック王国へ直接納品してくれ! 其処で……受け取る……邪魔したな!」


「毎度あり〜! 常得意様! (壱礼!)


 何だかんだあって……。


 それからこれから……どしたの!



   おい! モッチ〜行くぞ!


「おい! モッチ〜行くぞ!」


「気安く話し掛け無いで下さい! 御喋りアライグマ!」


「コイツの事? 楠の木の母様に聞いて見ようと思うんだ?」


「楠の木の母様? ですか……?」


「知ってるだろ……?」


「楠の木の母様なら……宇宙の樹、次元の樹、空間の樹、他世界の色々な樹さんとネットワークで繋がっておられますから……聞いて見る価値はあるかと……? でも……わたしは……合わせる顔がありません? 何も成し遂げておりませんから……?」


「ツベコベ言わずに行くぞ! おいらん家の裏庭に居るから、城を越えて直だぜ!」


「えっ……ずっと……探してましたのに……そんな場所に移転されてたんてすね……? 母様……」


「ああ! オリハルコンに空間切り取ってもらって、おいらが移動させたんだからな!」


「そうだったんですか! 有り難う御座いました…… 御喋りアライグマ! 楠の木の母様をお救け頂きまして! ペコリ!」


「行くぞ! モッチ〜! 白いモケモケ!」


「えっ……はい!」


「ヒュン!」



   楠の木の母様……


 か……母様……モッチ〜・モッチ〜無事戻りました! ペコリです!


 サラサラサラサラ……ふふふふふふふふ……。

 サラサラサラサラ……キラキラキラキラ……。


「うああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ……ぐしゅん……」


 サラサラサラサラ……キラキラキラキラ……。

 サラサラサラサラ……キラキラキラキラ……。


「ぐしゅん……ぐしゅん……泣いたり何か……泣いたり何か……泣いたり何か……ぐぬぬぬぬ……ただいま〜です……母様……」


 むぎゅ〜〜〜〜〜っ……!


「帰りたかったよ〜〜……あいたかったよ〜……母様〜〜〜〜〜っ……! モッチ〜は……モッチ〜は……失敗ばかりで……皆んなに助けてもらってばかりで……えつと……えっと……あ〜ん……褒めてもらえる事……無いです〜……ゴメンナサイです〜……母様〜〜〜っ……!」


 何しにここへ来た! モッチ〜・モッチ〜泣き言を言いに、わたしの元へと来たのなら直にここを去れ!

 わたしの子に、無能意気地なし等、用無しだよ!


「済みません! 母様! ついつい甘えてしまいました! 今日訪れさせて頂きましたのは……ご紹介致します! ラック王国合国国初代統括合国国合国王様に御座います! 御喋りアライグマ! こっち来て! 楠の木の母様です!」


「よっ! おっ久!」


「えっ……(カチンコに固まるモッチ〜!)」


 久しぶりだな! 我が子よ!


「ええ? 何何何??? 母様! あれ! ただの御喋りアライグマですよ!」


 わたし達ちの恩アライグマだ! ここへと召喚しこの地へと導き縁を繋ぎ賜り合国国の御神木と相成った!

 モッチ〜の耳には届いておらなんだか?


「届いてませんです!」


 下らんことに時間を使うなモッチ〜!


「すみません……(引き攣り笑顔を浮かべながら、ジッと御喋りアライグマを睨みつけるモッチ〜)」


「あっ! これさ拾ったんだけど……何かな? ほれ!」


「ヒュ〜ン……」


 もふモッフィ〜じゃな……知らんのも無理はない、それも謎だらけの新種じゃろ!

 生命の樹に司る、世界樹の依り代になっておるわ!

 次の世代の根を張る場所を探し求めておる。

 その毛玉の内に根を張る、次世界の世界樹のな!


「母様! この子は元には戻れないんですか……?」


 ふん……旅に飛び出した時より、そのものの覚悟は決まっておるようだな……。


「ヒュンヒュン!」


「定められし……導かれし地へと旅立つがよい! ヒュンタよ!」


「ヒュンヒュンヒュン!」


 ずっと飛び立とうとしておったのに、お前たちが直ぐに捕まえるから如何のじゃ!

 行かせてやれ……運命の旅路にな!


「ヒュンヒュン!」


「でもさ! 覚悟決めてるのコイツだけだろ? 他の奴は開放してやってもさ……よかないか?」


 お前がそう思うのなら、好きにすれば良かろう!


「母様? 何なんのお話しをされてるのか? わたしも仲間に入れて下さいよ?」


「へへ! そんなら遠慮なく行かせてもらうぜ! てめぇ! ジッとしてろよ! 瞬間移動しようたって、時間の無駄なだけだからな? 分かってるよな?」


「ヒュン……」


 煮るなり焼くなり好きにしろと言わんばかりに、ドッカと腕を組んで座り込むヒュンタ。


「いい度胸してんじゃねぇかよ!」


「ヒュンタ! もしお前が望むんならココにいても良いんだぜ! お前の国を造って置くからよ! 戻りたくなったら何時でも戻って来な!」


「御喋りアライグマ! ヒュンタくんはどつか行っちゃっうんだよ? 誰が国を立ち上げるのに国王になるの?」


「おっ! 早速立候補したか?」


「え? 誰がですか? 立候補って(なん)ですか……?」


「何、オオボケかましてんだ! どう考えたって……お前しかいねぇだろ? 国王代理何て肩書きが、壱個位増えたって痛くも痒くも無いだろ? 壱杯抱え込んでんだろ……どうせさ……? コイツの面倒見てた腐れ縁だよ! エスカレ〜タ〜式で、そんなの決まりだろ?」


「えっと……ふんふんふん……分かりましたけど? わたしじゃなくても、わたしならいいんですよね?」


「お前でも、お前っポイ彼方此方ウヨウヨいるアイツラの誰でもいいからよ……Ok何だな? 後の場所とか手続きとか面倒臭いのやっといてくれよ! 段取りする奴に伝えとくからさ!」


「分かりました! わたしの方も段取りしてくれる子に伝えときます!」


「よし! 決まりだな!」


「はい! しょうが無いです! ヒュンタの為ですからね!」


 あははははは……。

 ラックとモッチ〜は、満面の笑みでヒュンタを見つめていました。

 ゴクリ……ぶるるるる……。


「いかせて頂きます!」と、ラックの手の平周りが、蜃気楼のようにゆらゆら……ヒュンタの後頭部を押さえながら真剣な眼差しで覗き込むと……丸で本を開き、ペ〜ジを捲るようにして、ヒュンタの頭をペラペラペラペラ捲り……次の瞬間!

  ペッペッペッペッペッペッペッと早技……ヒュンタの頭の天辺から、色とりどり漆色(なないろ)のヒュンタを抜き取りました!

 抜き取られた漆色(なないろ)の元ヒュンタ達ちは、其々思い思いの空間へとパッパッパッパッパッパッパッと消えてゆきました……(やが)てそれぞれにそれぞれの自我が、芽生えてゆくことでしょう。


「な……何をしたんですか……御喋りアライグマ? ヒュンタから色んな色のヒュンタが、壱杯飛び出してって……どっかへ行っちゃいましたけど……?」


 そして……ヒュンタもそっと……こそっと、気付かれない内に……静かに旅立ってゆきました………。


「あっ! ヒュンタくん……キョロキョロ……? 気配が何処にもありません……? 何処かへ行っちゃいました……?」


「何処で覚えたんだ? アイツ……気配消してやがるぜ……?」



   くるりんこ 〜おねむねむね〜


 見上げる空に 何時もおやすみするんだ


 何処かのあの宇宙そらの


 ヒュンタに おやすみなさいってね


 何処かの 何処かで


 今はヒュンタ…… おねむねむね……


 何処か空 何処かの世界で


 今はヒュンタ…… おねむねむね……


 ヒュンタ〜……


 ヒュンタ〜……


 何処行っちゃったんだよ〜……


 ヒュンタ〜〜〜〜っ……


 ふにゃ〜にゃにゃ……


 くるりんこ


 ふにゃ〜にゃにゃ……


 くるりんこ


 幸せ時間 カチカチカチ


 ふにゃ〜ふにゃ〜……


 むにゃにゃにゃにゃにゃ…


 くるりんこ


 今は〜ヒュンタ〜…… おねむねむね〜……


 今は〜ヒュンタ〜…… おねむねむね〜……


 寒々空間 くるりんこぉ


 くぅ〜〜〜ん……


 ヒュンタ〜…… ヒュンタ〜……


 きっと……きっと……


 あの〜空の〜 向こう側


 あなたを〜 思う〜……


 ヒュンタ…… いるんだよね……


 見上げる宇宙そら


 キラキラ キラキラ キラキララ


 ヒュンタ〜、何時でもいいから……


 戻っといで……


 ヒュンタ〜……冒険に疲れたら


 何時でもいいから……


 何時でもいいから……ね!


 ヒュンタ〜……


 戻っておいでよ……


 サムサム空間で 寂しい想いしてないで


 壱杯 壱杯 抱きしめてあげるよ


 ヒュンタ〜……ヒュンタ〜……


 君の愛くるしい くるりんこ


 わたしに 見せてよね


 ヒュンタ〜…… ヒュンタ〜……


 ヒュンタ〜〜〜〜〜……


 今はヒュンタ…… おねむねむね……


 今はヒュンタ…… おねむねむね……


 今は おねむねむね おやすみ


 ヒュンタ〜……




   ガンバ〜る応援団!


「タルタルちゃん! ココでいいのかな……?」


「何故に何時もわたしに聞くわけ……? ガンバ〜るちゃんがさ、請け負ったんでしょ? わたしが知るわけ無いじゃん? お店忙しいんだけど……? 毎月葡萄酒に新曲披露するのに手壱杯(ていっぱい)何だけど……?」


「何時も御免ね! タルタルちゃんが居てくれるから、わたしが彼方此方行けるんだから……感謝感激雨何だっけ……?」


(あられ)!」


「あははははは……アラレだ!」


「来月は白の巣窟に、行かないといけないからね! 日にち開けといてよ? 最近当日キャンセル……確信的でしょ? 現地からとか有り得ないしね?」


「まあまあまあ……そう御冠為さりますなよ! タルタルちゃん! 来月はガンバ〜る応援団で、タルタルちゃんのフィッシュ&チップス、壱週間貸し切ってるじゃんか!」


「其れ罪滅ぼしの積もりなら、逆効果だからね?」


「どうして? 貸し切りだよ? 壱週間もさ? ウハウハじゃんか?」


「常連さんお断りしないと行けないんだからね? その分、天外販売にみんな来るから仕込みが大変何だけど……? アルバイト雇わないと行けないしさ! 屋台の増設とか、塵拾いとか、行列の出来るとこの、ご迷惑お掛けしますの挨拶廻りに、菓子折り持ってかないといけないしさ?」


「大変だね? ガンバ!」


「何時もそう! 他人事だからね! ガンバ〜るちゃんはさ!」


「あはははははははは……」


「ほ〜ら……そうやって困ったらさ! 笑って誤魔化すの、ガンバ〜るちゃんの悪い癖だよ?」


「メンゴメンゴ!」


「はいはいはい……でさ……何するのよ? こんな大草原でさ……遂に空にでも応援するのかな? 其れにさ……他……誰が来るのよ? 壱向に姿を表さないけどさ? ガンバ〜るちゃんさ? 何時も秘密主義は良いけどね? 最低限の事は打ち合わせ、内の店で毎晩してるんだからさ? 言ってくれると助かるんだけど……?」


「話してるじゃん?」


「いやいやいや……全然話せて無いからね!」


「うっそ〜……ショック!」


「うっそ〜……ショックじゃ無いからね? わたしの問に、今も答えて無いの判ってるのかな?」

「えっ? 何のこと?」


「ほ〜らね……はぁ〜っ……全く! で、誰が来るのよ!」


「えっ! 全員揃ってるけど?」


 キョロキョロキョロキョロ……。


「何処かに、会場あるとかなの……?」


「ココだよ!」


「誰も見当たらないよ……(キョロキョロキョロキョロ……)?」


「えっ? お店で言ったと思うけどな?」


「打ち合わせの時に、言ってたの?」


「何時ものメンバ〜でって、言ったじゃん!」


「確かに言ってたけど……? 固定メンバ〜何ていないじゃん?」


「失礼ね! 居るよ固定メンバ〜!」


「誰よ?」


「タルタルちゃん!」


「何で私だけなのよ?」


「皆勤賞だよ! タルタルちゃんが、壱番参加してるじゃん! わたしが居ない時も、やってくれてるじゃん! わたし以上にガンバ〜る応援団活動してるじゃん!」


「えっと……確認するね! 貴方のね……尻拭いでね!」


「確認しなくても! タルタルちゃんだけだよ! 固定メンバ〜! 覚えて置いてね! ショ〜トカットだよ!」


「ガンバ〜るちゃんは? 何なの……?」


「わたしは、唯壱無弐のガンバ〜る本人メンバ〜だから!」


「何それ? 意味わかんないや? で、誰来るのよ?」


「聞いて無かったの……? タルタルちゃんらしくも無いぞ! 揃ってるけどって、言ってるじゃん!」


「はいはいはい……分かりました! ガンバ〜るちゃんとわたしだけなのね!」


「御明察!」 


「で……ここの場所を応援するの?」


「違うよ! モッチ〜・モッチ〜に頼まれたの?」


「それは分かったから……応援する対象は何なのよ? って、聞いてるんだけど……?」


「ヒュンタくんへの応援だよ!」


「えっと……ヒュンタくんて何?」


「ヒュンタくんは、ヒュンタくんだよ! ヒュンタくんに決まってるじゃん! タルタルちゃん! ジッ……」


「誰も分からないと、思うよけどな……? ヒュンタくんて、どんな奴よ?」


「知らないよ! 白いモケモケっていってたかな?」


「白いモケモケね? で……その白いモケモケは、何処に居るのよ……? 見当たらないけど……?」


「どっかだよ! この広い世界の何処かだよ! んん……この広い世界全部かな!」


「はいはいはい……分からないって事ね? モッチ〜・モッチ〜と、ガンバ〜るちゃんの天然さんの掛け合いには叶わないや? 準備出来てるから……何時でもいいよ! タンタカ、タン! タン!」


「流石だね! タルタルちゃんは話しが早いから、最高だよ〜! ムギュ〜!」


「はいはいはい……始めるわよ! ヒュンタくんへ捧げる応援!」


「うん! いっくぞ〜!」



   監督ちゃんお願いがあるんだけど……?


「見つけたぞ! へへへ……ヒュンタくん! みっけ! チョッチ来て来て……」


 モッチ〜・モッチ〜に首根っこ掴まれたヒュンタくんは、ヒュンと壱声上げる事も無く何処かへと、文字通りパッと連れていかれてしまいました……もう少しだけ……アンコ〜ル引き留めにより、ヒュンタくんの冒険は足留めされてしまいました……散々引き摺り回しといて、今更壱体何処へ……。




「ねぇ! 監督ちゃん?」




「あっ! ビックリした? モッチ〜・モッチ〜かよ? 気配も無くバック取らないでくれるかな? てめぇ暗殺者かよ?」


「この子何なんだけど……使ってやってくれなあかな?」


「スポンサ〜ゴリ推しって奴ね! 予算安! 全面解答OKって事だね……何が出来るの……?」


「瞬間移動!」


「他は……?」


「白いモケモケ!」


「他は……?」


「ヒュ〜ンて鳴くよ!」


「他は……?」


「撫でると気持ち良いよ!」


「他は……?」


「うるうした碧い目がズキュンだよ!」


「ドレッサ〜ちゃん! ザブザブやって来て! ブラッシング指導しといて!」


「ヒュンタくん……おいで! ザブザブは初めてかな……? ドライヤ〜激熱派? 熱々(あつあつ)派? 熱波派? それとも太陽直熱派? どれかな……?」


 ……ホカホカふわふわのヒュンタが戻って参りました……。


「お待たせ致しました! ふわふわ綿菓子直熱自然風仕上げです!」


「分かった! ヒュンタ! そこ立って! キャメラ全方向回せ! 少しの変化も撮り零すんじゃねぇぞ! 青天井だかんな! 何でもやりたい事今なら許す! 全部やれ! 全体から碧い目のアップ! ヒュンタ! ウルウルだ! 必ずココに! (ジ〜ッとヒュンタを睨みつけ!)壱分で戻って来い! やかったな!」


 オドオドオドオド……キョロキョロキョロキョロ……。


「ヒュンタ! キョロキョロするな! ウルウルの目しろ! 目のキラキラは参つまでだ! 絶対に行った先で面白い物を瞬時にみつろ! キュ〜で、瞬間移動して! 何か掴んで戻って来て、ヒュン! の壱鳴きだ! よ〜し! ヒュンタ! 飛べ〜っ!」


 カンペでキュ〜が出る!

 キョロキョロキョロキョロ……!


「飛べ〜っ! ヒュンタ〜っ! ヒュンタ〜っ! 飛べ〜……っ!」


 ヒユ〜ンと壱声! ヒュンタはパッと消えた!

 ここへとヒュンタが再び戻って来る事は、弐度と無かったよ!



   本当に・サ・ヨ・ナ・ラ

        オ・ラ・バ・ヒュンタ!


「ポイント到着と同時に、タイムアンカ〜全方向に射出! 干渉予定区域特定後、艦が安定次第、保護領域領域展開開始して!」


「弾幕ブラック拾壱枚の予定です! 今回は前回の反省を踏まえて、大幅に増やしてます!」


「そん何じゃ、全然足りないわよ! 壱百枚にして!」


「艦長! 壱百枚ですか?」


「時間無いわよ! 命令に従うのみにして! 文句があんなら後で纏めて聞くから!」


「了解! 実行します!」


「タイムちゃん! モッチ〜・モッチ〜から、預かって欲しいって言われたこの子……怯えてるんだけど……?」


「ヒュンタくんだね! ジキに慣れるよ? かなり酷い目に、合わされたんじゃ無いかな? 想像しただけで鳥肌もんだけどさ?」


「あっ……そっか……災難だったね? トラウマになって無いと良いけどね? よしよし……(何……この癒やされる撫で撫でゴコチ……♥)」


 ヒュ〜ン……。


「御免ねヒュンタくん! 撫で撫で♥」


「あっ! わたしも撫で撫でしたい!」


 と、次から次へとヒュンタくんにとっては無限とも思われる終わることのない撫で撫で地獄がはじまっていました……!


 撫で♥撫で♥撫で♥撫で♥撫で♥撫で♥撫で♥撫で♥撫で♥撫で♥撫で♥撫で♥撫で撫で♥撫で♥撫で♥撫で♥撫で♥撫で♥撫で♥撫で♥撫で♥撫で♥撫で♥撫で♥撫で♥……♥。


「可愛いね! わたし飼ってみたいな?」


「もふもふだよね!」


「ビッグバンプログラム始動! (チッ! わたしも撫で撫でしたい……)」


「ビッグバンプログラム始動します!」


「お目々保護フィルタ〜壱阡枚! 前面射出開始!」


「射出しました! 壱零零秒後にはセット完了です!」


「ビッグバンちゃん用意はいい?」


「うん!」


「みんなわたし達ちの故郷への贈り物、ビッグバンちゃんに預けて……ル〜ルは絶対厳守よ! 壱匹壱個だからね!」


「お願い!」


「あ〜……モロコシ人形手放したく無いけど……あ〜! お願いします!」


「うん! 分かってるよ! 毎月の事だよ!」


「守れないから言ってるんだからね!」


 次から次へとビッグバンちゃんの持ち出し用の神輿に、詰められていくガラクタが……壱杯になる頃……。


「時間だよ! 出て! ビッグバンちゃんコレ! ちっちゃいビッグバン珠! (みっつ)! 約束してよ! もう作らないって? 毎月数が増える傾向にあるからね! 厳重注意だかんね? あのメンバ〜達ちと壱緒だとストレス溜まるの分かるけどさ……?」


「うん……我慢する!」


「よし! じゃあ……行って!」


「うん!」


 タイムカンスのお口がゆっくり開いてゆく……。


 神妙な面持ちで見守る、みんなとヒュンタ……。


 ビッグバンちゃんが空間へと……神輿ボックスを押し出す……。


 激スピ〜ドで見えなくなる……キラリ✨ 神輿ボックス。


 目を瞑り……ビッグバンちゃんの、掌と掌の間にエネルギ〜珠が光っている……目を見開き……。


「ビッグバン! ヴォン!」


 放出後、壱瞬で見えなくなるビッグバン珠! 螺旋状に三つ巴で回転しながら……進んで行く……。


 タイムカンスの口が閉じられ……。


 次の瞬間……。


 ピッカ〜ン……。


 ビッグバン現象!


 ヒュンヒュンヒュンヒュン……と消えてゆく保護フィルタ〜……。


 ビッグバンの輝きを目に焼き付けている……ビッグバンの子供達ちの成れの果て……モッチ〜達ち……。


「た〜まや〜っ!」


「何度見ても綺麗よね〜……」


「ウットリするね〜っ……」


「あれ……ヒュンタは……?」


「えっ……消えちゃてる……?」


「わたし達ちは大丈夫だけど……ビッグバンの影響で、とろけちゃったとか……?」


「皆んな意識がビッグバンに向いてる間に、トンズラこいたに決まってんじゃん!」


「ずっと……トンズラこく()きを狙ってたってこと……ヒュンタくんは、そんなズルッコしないよ!」


「サヨナラって、突然やって来るんだね……」


「そうね! あんまし面識無かったけど……壱緒に今月のビッグバン体験した仲だしね」


「それでも……ちょっぴり寂しいね……」


「……うん」


「……帰ろっか!」


「タイムちゃん! もういいよ! また来月お願いね!」


「了解だよ! タイムカンス発信準備! (撫で撫でしたかったよ〜……くそ〜……!)」


「タイムアンカ〜収納します!」


「は〜い! みんな其々の居たいところに戻ってよ!」


「タイム空間、開きます!」


「タイムカチャカチャセット完了!」


「タイム空間安定しました! 何時でもいけます!」


「では皆々様……お名残り惜しゅう御座いますが、タイムカンスわたし達ちの時間空間へ! タ〜イムカァ〜ンス! 出発進行! ようそろ〜……!」


「カウントスタ〜ト!」


 エイト! セブン! シックス! フゥアイブ! フォ〜! スリ〜! ツ〜! ワン! ゼロ〜ッ!


「タ〜イヌ! カァ〜ンス!」 


 くるっ……?


「えっ! 艦長 タ〜イヌって……今……噛みましたよ……?」


「言ってた言ってた!」


「タイムちゃん! やっちゃったね!」


「だねだね!」


「ヒュンタに、引っ張られたんじゃないかな……?」 


「だね……」


「ほう! タイムちゃんはヒュンタの事を、イヌっポイと思ってたって事か?」


「流石のタイムちゃんも、年季が入っちゃったね!」


「気が散るから静かにして!」


 チャンチャ! ランチャ!


 ランチャチャチャ!


 チャンチャ! ランチャ!


 ランチャチャチャ!


 チャ〜ンチャッ!


 ボォッカァ! ヴォカァ〜ン!!


 クネクネ クネクネ……。


 クネクネ クネクネ……。


 タイム空間をクネクネクネクネ……。


 クネクネ クネクネ……。


 タイムカンスはクネクネクネクネ……。


 クネクネクネクネ……恐らく戻るのは、元の時間位かな……。


 クネクネクネクネ壱寸ちょっとだけ彼方此方あちこち其方此方そちこち寄り道したり何かして……クネクネクネクネ……偶にヒュンタくんの首根っこ捕まえて撫で撫でして……クネクネクネクネ偶々偶然出逢ったヒュンタくんの首根っこ捕まえ撫で撫でして……クネクネクネクネバッタリ! 出逢わせたヒュンタくんの首根っこ捕まえて、撫で撫でしてを散々繰り返す繰り返すして……クネクネクネクネ……流石のヒュンタくんにも知恵が付いちゃって……クネクネクネクネヒュンタくんを完全に見失った位の頃に……クネクネクネクネ、タイムハウスへと皆んなは戻って行きました……。


 サラバ! ヒュンタくん! サ・ヨ・ウ・ナ・ラ! ヒュンタくん! ガンバレ! ヒュンタくん!


 今の君ならどんな困難も苦難も、亜空間も乗り越えれる筈だよね!


 その曇り無き蒼い眼、その曇り無き純真無垢なその心に、壱体いったい何を刻んで行くのだろう……それを知るのは、君!


 ヒュンタくんの心象源風景には、壱体いったい何が映っているのだろう……。


「あれれ……完全に見失っっちゃたな……? チェッ! 白亜ちゃんとこの真っ白空間! 白亜の殿堂へ招待しようと思ったのにな……? 流石だね……わたしを煙に巻くなんて! ヒュンタくん……」



   無限軌道に思いを乗せて


 ヒュンタ!

 無限軌道に 想いを飛ばせ

 ヒュンタ!

 無限軌道に 想いを飛ばせ

 ヒュンタ!

 無限の彼方に 想いを飛ばせ

 ヒュンタ!

 遥か遥かな 未知へと……

 ヒュンタ!

 想いを飛ばせ

 ヒュンタ! ヒュンタ!

 ヒュンタ!

 無限の彼方に……

 ヒュンタ! ヒュンタ!

 ヒュンタ!

 想いを飛ばせ

 ヒュンタ! ヒュンタ!

 ヒュンタ!

 無限軌道に

 想いを乗せて……

 ヒュンタ! ヒュンタ!

 ヒュンタ!

 無限軌道を 突き進め!



   星の(こえ)


 いたい いたい いたい

 いたい いたい いたい

 ずっと星は 言ってるんだ

 いたい いたい いたい

 いたい いたい いたい

 ずっと星は 星の子供達ちに

 語りかけてるよ

 いたい いたい いたい

 いたい いたい いたい

 星の子らは 生まれて散って

 いたい いたい いたい

 いたい いたい いたい

 星の子らは 咲いて散って

 いたい いたい いたい

 いたい いたい いたい

 星は凸凹 穴だらけ

 掘っては埋めて

 埋めては掘って

 いたい いたい いたい

 いたい いたい いたい

 星の聲を 聞いて御覧よ

 ずっとずっと ずっとずっと

 星の子供達ちに 語りかけてるよ

 星の子らに 囁いてるよ

 いたい いたい いたい

 いたい いたい いたい

 星に生まれて 星に還る

 星の子らは やり放しの

 散らかし放題

 星はじっとじっと くるくるくる

 見つめてる

 いたい いたい いたい

 いたい いたい いたい

 生まれし 散りし 星に還る

 いたい いたい いたい

 いたい いたい いたい

 星が閉じ込めた 悪い果実を

 どうして 星の子らは 掘り返す

 星が眠りにつかせた 悪い果実を

 どうして どうして

 星の子らは 追い求め

 いたい いたい いたい

 いたい いたい いたい

 星はいつも いつもかたっているよ

 いたい いたい いたい

 いたい いたい いたい

 星を蝕む

 星の子供達ちを……

 いたい いたい いたい

 いたい いたい いたい

 ずっと ずっと

 星の花と散り逝く日まで……

 いたい いたい いたい

 いたい いたい いたい

 ずっと ずっと ずっと……

 星の子らと共に……



   言霊深層(ことだましんそう)世界!


 クララベル……


 わたしわたしわたしわたし……わたしのわたしのわたしのわたしの……わたしにわたしにわたしにわたしに……わたしよわたしよわたしよわたしよ……わたしをわたしをわたしをわたしを……わたしがわたしがわたさがわたしが……

 わたしわたしにわたしがわたしをわたしの……わたしよ……


 クララベル……


 わたしはわたしを知ってるの……?


 クララベル……


 わたしはわたしを分かってる……?


 クララベル……


 わたしはどこ……?


 クララベル……


 わたしは……いるの……?


 クララベル……


 毎年毎月毎日毎時毎分毎秒増幅していくわ

たし……


 クララベル……


 時の壁 わたしの壁 時間の壁


 クララベル……


 世の壁 空の壁


 クララベル……


 刻の門 生の門 天の門 地の門


 クララベル……


 生まれたわたし……去るわたし……笑うわたし……眠るわたし……怒るわたし……無くてもいい……いらない子……黒いわたし……白いわたし……あかいわたし……ぴんくのわたし……過去のわたし……今のわたし……未来のミライわたし……


 クララベル……


 来世のわたし現世のわたし過去世のわたし……


 クララベル……


 わたしのわたしがわたしよわたしのわたしを……どんどんどんどんどんどんどんどんどん……増えていくわたし……わたしはわたしの中のわたしの外のわたしを見詰めてる……わたしはわたしをわたしがわたしのわたしにわたし……笑ってる


 クララベル……


 わたしは……何 何でも有り 何でも無い


 クララベル……


 わたしわたしわたしわたしわたしわたしわたしわたし……わたしのわたしのわたしのわたしの……わたしがわたしがわたさがわたしが……わたしのわたしのわたしのわたしの……わたしにわたしにわたしにわたしに……わたしをわたしをわたしをわたしをわたしをわたしを……


 クララベル……


 わからないのわからないよしってるよしらないよしってるだろわかってるはずわかってるでしょわかってる……しらなふり……しったかぶり……わたしはわたしをかぶり……わたしはわたしをぬぎすて……わたしはわたしをむきだしにして……


 クララベル……


 うるさいうるさいうるさ〜い!


 クララベル……


 あっちいけ! どっかいっちゃえ〜〜っ!


 クララベル……


 いいよ! ほんとにいいの? わたしだけで本当にいいの? わたしだけで大丈夫? わたしのせいにできなくなるよ……? いいの? いいのね?


 クララベル……


 さよならさよならさよ〜なら………。

 ぷくぷく……ぷくぷく……ぷく……ぷくく……

 深層の空 言霊の空

 ぷくぷく……ぷくぷく……ぷく……ぷくく……

 深層の雲 言霊の雲

 ぷくぷく……ぷくぷく……ぷく……ぷくく……

 深層の山 言霊の山

 ぷくぷく……ぷくぷく……ぷく……ぷくく……

 深層の森 言霊の森

 ぷくぷく……ぷくぷく……ぷく……ぷくく……

 深層の海 言霊の海

 ぷくぷく……ぷくぷく……ぷく……ぷくく……

 深層の大海原 言霊の大海原

 ぷくぷく……ぷくぷく……ぷく……ぷくく……

 深層の渦巻き 言霊の渦巻き

 ぷくぷく……ぷくぷく……ぷく……ぷくく……

 深層の底 言霊の底

 ぷくぷく……ぷくぷく……ぷく……ぷくく……

 深層の深層 言霊の言霊

 ぷくぷく……ぷくぷく……ぷく……ぷくく……

 深層の宇宙 言霊の宇宙

 ぷくぷく……ぷくぷく……ぷく……ぷくく……

 深く儚く脆い無限のグルグルグルグル渦巻き言霊深層世界……ぷくぷく……ぷくぷく……ぷく……ぷくく……

 光りの世界

 ぷくぷく……ぷくぷく……ぷく……ぷくく……

 闇の世界

 ぷくぷく……ぷくぷく……ぷく……ぷくく……

 音の世界

 ぷくぷく……ぷくぷく……ぷく……ぷくく……

 水の世界

 ぷくぷく……ぷくぷく……ぷく……ぷくく……

 言霊の世界

 ぷくぷく……ぷくぷく……ぷく……ぷくく……

 風の世界

 ぷくぷく……ぷくぷく……ぷく……ぷくく……

 塊の世界

 ぷくぷく……ぷくぷく……ぷく……ぷくく……

 天の世界

 ぷくぷく……ぷくぷく……ぷく……ぷくく……

 地の世界

 ぷくぷく……ぷくぷく……ぷく……ぷくく……

 色の世界

 ぷくぷく……ぷくぷく……ぷく……ぷくく……

 無の世界

 ぷくぷく……ぷくぷく……ぷく……ぷくく……

 法則の世界

 ぷくぷく……ぷくぷく……ぷく……ぷくく……

 時間の世界

 ぷくぷく……ぷくぷく……ぷく……ぷくく……

 時空の世界

 ぷくぷく……ぷくぷく……ぷく……ぷくく……

 次元の世界

 ぷくぷく……ぷくぷく……ぷく……ぷくく……

 無限の世界

 ぷくぷく……ぷくぷく……ぷく……ぷくく……

 面の世界

 ぷくぷく……ぷくぷく……ぷく……ぷくく……

 裏の世界

 ぷくぷく……ぷく……ぷくく……

 先の世界

 ぷくぷく……ぷくぷく……ぷく……ぷくく……

 後の世界

 ぷくぷく……ぷくぷく……ぷく……ぷくく……

 知ってる世界

 ぷくぷく……ぷくぷく……ぷく……ぷくく……

 知らない世界

 ぷくぷく……ぷくぷく……ぷく……ぷくく……

 知りし世界の数だけ

 ぷくぷく……ぷくぷく……ぷく……ぷくく……

 わたしは縛られてゆく……

 ぷくぷく……ぷくぷく……ぷく……ぷくく……

 わたしの気付けない知らない言霊深層世界はまだまだ無限にあるはず……

 ぷくぷく……ぷくぷく……ぷく……ぷくく……

 わたしの中の言霊深層世界は溢れ出す……

 クララベル……

 ぷくぷく……ぷくぷく……ぷく……ぷくく……

 今のわたしは、いったい……何処にいるんだろう……?


 クララベル……


 ぷくぷく……ぷくぷく……ぷく……ぷくく



   嘆きの願い星


 願いの園に、溢れる願いの渦……。

 もしも……叶わぬ願いが叶うのなら……。

 願わぬモノなど、あろうものか……。


 ズズ〜ン……ズズ〜ン……。

 ズズズズズ……。

 ズズ〜ン……ズズ〜ン……。

 ズズズズズ……。

 ズズ〜ン、ズズ〜ン……。

 ズズズズズ……。


 グヴォ〜〜〜〜……!


 雲を貫き、嘆きの(ひと)つ目

 (むっ)つの、厄災と……。

 (ひと)つの、嘆きの祝砲携たずさえて……。

 ラッキ〜モンスタ〜……漆哭(ななく)……。

 嘆きの空を見つめて、何思う……。

 グヴォ〜〜〜〜……。

 漆哭(ななく)の祝砲は、天おも貫きて……。

 漆哭(ななく)は、漆度(ななど)なくから……漆哭(ななく)……。


 ズンズンズン……嘆きの碧球(あおぼし)……。

 ズンズンズン……見上げる空に……。

 ズンズンズン……誰が呼んだか、名付けたか……。

 ズンズンズン……願い願われ、願い星……

 ズンズンズン……。

 誰が語りてろ……誰が願うか……願い星……。

 ズンズンズン……巡り巡りて……。

 ぐるぐるぐるぐる……。

 ズンズンズン……願い願われ……願い星……。

 ズンズンズン……煌めく。

 ぐるぐる渦巻き銀河に……。

 ズンズンズン……流るる星……(ひと)つ……

 ズンズンズン……輝かね陸等星(ろくとうせい)(ひと)つありました……。

 ズンズンズン……満天の星屑の中……こえ(こえ)の残滓に包まれし妖星……。

 ズンズンズン……限軌道の、定められし廻廊より、自ら外れして……

 ズンズンズン……目指すは、願いの園……碧球(あおだま)……。

 ズンズンズン……嘆きの願い望むモノにしか……見えぬ……。

 ズンズンズン……気付けぬ(ひと)つ星

 ズンズンズン……(ひと)〜つ、ありました。


「ん〜ん……あ〜あぁ……よく寝たな〜? んっ……!」


 御目々……パチパチパチパチ……?


「此処……何処だろう? ん〜ん……真っ暗なのかな? 真っ白なのかな〜……? ん〜……どっちでもあるようで……? どっちでも無いよな〜……何だろな? ココ……? 変なとこ来ちゃったな? 多分……? わたし、何かしらやらかしちゃってるの……かな?」


「う〜ん……(ポンポン!)な〜んにも、思い出せないや? あたしって、存在してるのかな? 何かな〜……? 頭の中、全てが朧おぼろげで……覚えているんだけど……? 思い出そうとすると……ぼやぼやぼんやり、ぼやけちゃうんだよな〜……何でだろ……?」


「わたしの感覚的には、歩いてるんだけどな? ふわふわしてて、飛んでるようでも……ある様な……不思議な感じ何だよな〜! ふ〜む……? そうだな! 分からないんだから、考えても仕方無いか? でも、名前は覚えてる? クララベル? でもこれって、そもそも名前なのかな? ん〜……怪しいな? でも、今わかる事は、この、クララベルだけ出し! クララベルって思う事で、今のわたしの寄り所にもなるしね! オッケイ、オ〜ライ! おいおいに、思い出すかも知れなないしね! よ〜し! わたしはわたし、わたしなんだし! わたしらしく、胸を張って歩こう! (ふみふみ)地面を踏み締めて、歩いてる感覚はあるんだけどな〜? 何だろな? 胸を張りきれ無いやっ? アレレ! 突き抜けちゃうよ? 御祖母(おばば)様なら、だらしないね〜クララベルって! あははははって、高笑いするんだろ〜なぁ……? んっ? 御祖母(おばば)様? 誰? 御祖母(おばば)様だから、わたしの祖母(おばば)様だよね? やっぱりわたしの名は……クララベル何だね? よ〜し! (ひと)つ確定、よしよしだね! ん〜ん? もしかして……寝ぼけてる? もしかしてもしかして……わたし、起きて無くて、夢の中なのかも……? ありがちだよね!」


 御目々、パチパチパチ……キョロキョロキョロキョロ……。


「夢の中……何じゃ? 無いかな? 多分だけど……? 何の確信も、もてないや……? う〜ん……なんでわたし、意味も分からず、とことこ歩いてんだろ? んんん? 何? どこ向かってるの……わたし? アッチに向かってるっポイ感じ……何があるって言うの……かな?」


 ずっと……お花畑のビジョンはあるんだけど……? 何にも無いよね? 辺り壱面? どっちが本当なのかな……現実……夢の中……わたし……わたしじゃ無い?


 願いの園に、溢れる願いの渦……。

 もしも、叶わぬ願いが叶うのなら……。

 願わぬモノなど、あろうものか……。


 ズズ〜ン……ズズ〜ン……。

 ズズズズズ……。

 ズズ〜ン……ズズ〜ン……。

 ズズズズズ……。

 ズズ〜ン、ズズ〜ン……。

 ズズズズズ……。

 グヴォ〜〜〜〜……。

 雲を貫き、嘆きの(ひと)つ目

 (むっ)つの、厄災と……。

 (ひと)つの、嘆きの祝砲(たずさ)さえて……。

 ラッキ〜モンスタ〜漆哭(ななく)……。

 嘆きの空を見つめて、何思う……。

 グヴォ〜〜〜〜……。

 漆哭(ななく)の祝砲は、天おも貫きて……。

 漆哭(ななく)は、漆度(ななど)哭くから……漆哭(ななく)……。

 ズンズンズン……嘆きの碧球(あおだま)……。

 ズンズンズン……見上げる空に……。

 ズンズンズン……誰が呼んだか……名付けたか……。

 ズンズンズン……願い願われ……願い星……。

 ズンズンズン……誰が語りて……誰が願うか……願い星……。

 ズンズンズン……巡り巡りて……。ぐるぐるぐるぐる……

 ズンズンズン……願い願われ……願い星……。

 ズンズンズン……煌めく……ぐるぐる渦巻き銀河に……。

 ズンズンズン……流るる星……(ひと)つ……。

 ズンズンズン……黒き星……輝かぬ陸等星(ろくとうせい)(ひと)つありました。

 ズンズンズン……満天の星屑の中……言靈(こえ)の残滓に包まれし妖星……。

 ズンズンズン……無限軌道の、定められし廻廊より、自ら外れして……。

 ズンズンズン……目指すは、願いの園……碧碧球(あおだま)……。

 ズンズンズン……嘆きの願い望むモノにしか……見えぬ。

 ズンズンズン……気付けぬ(ひと)つ星

 ズンズンズン……(ひと)〜つありました。


「ん〜ん……あ〜あ、よく寝たな〜? ん……!」


 御目々、パチパチパチパチ……?


「此処……何処だろう? ん〜……真っ暗なのかな? 真っ白なのかな〜……? ん〜……どっちでもあるようで……? どっちでも無いよな〜……何だろな? ココ……? 変な処とこ来ちゃったな? 多分……? わたし、やらかしちゃってるの……かな?」


「う〜ん……(ポンポン!)な〜んにも、思い出せないや? あたしって、存在してるのかな? 何なんかな〜……? 頭の中、全てが朧おぼろげで……覚えているんだけど……? 思い出そうとすると……ぼやぼやぼんやり、ぼやけちゃうんだよな〜……何でだろ……?」


「わたしの感覚的には、歩いてるんだけどな? ふわふわしてて、飛んでるようでも……ある様な……不思議な感じ何だよな〜! ふ〜む……? そうだな! 分からないんだから、考えても仕方無いか? でも、名前は覚えてる? クララベル? でもこれって、そもそも名前なのかな? ん〜……怪しいな? でも、今わかる事は、この、クララベルだけ出し! クララベルって思う事で、今のわたしの寄り所にもなるしね! オッケイ、オ〜ライ! おいおいに、思い出すかも知れなないしね! よ〜し! わたしはわたし、わたしなんだし! わたしらしく、胸を張って歩こう! (ふみふみ)地面を踏み締めて、歩いてる感覚はあるんだけどな〜? 何だろな? 胸を張りきれ無いやっ? アレレ! 突き抜けちゃうよ? 御祖母おばぱ様なら、だらしないね〜クララベルって! あははははって、高笑いするんだろ〜な? んっ? 御祖母あばば様? 誰? 御祖母おばば様だから、わたしの御祖母おばば様だよね? やっぱりわたしの名は……クララベル何だね? よ〜し! 壱ひとつ確定、よしよしだね! ん〜ん? もしかして……寝ぼけてる? もしかしてもしかして……わたし、起きて無くて、夢の中なのかも……? ありがちだよね!」


 御目々、パチパチパチ……キョロキョロキョロキョロ。


「夢の中……何じゃ? 無いかな? 多分だけど……? 何なんの確信も、もてないや……? う〜ん……なんでわたし、意味も分からず、とことこ歩いてんだろ? んんん? 何? 処向かってるの……わたし? アッチに、何があるってゆうの……かな?」


 ずっと……お花畑のビジョンは、あるんだけど……? 何にも無いよね? 辺り一面? どっちが本当なのかな……現実……夢の中……わたし……わたしじゃ無い?


「考えてるんだか? 喋ってんだか……? 廻りと自分の境界線すらも、混じり合ってる感じがして、何だか曖昧で……訳わけ分かんないよ〜? 誰か〜っ、何とか言ってよ〜! 教えてよ〜?」


 ふふふふふ……。


「誰? いるんじゃん? 誰が笑ってるの? 誰よ〜? 姿表しなさいよ〜!」


 ふふふふふ……此処は、わたしの世界。

 ここには……(いにしえ)より、願い願われて来た、切なる願いの言靈(こえ)が溢れておるわ!


「誰? (いにしえ)よりの願い……言靈(こえ)? 溢れてるの? 此処に……?」


 ふふふふふ……。

 お前さんも、願ったんじゃないのかね?

 クララベル! クララベル!

 ああ……クララベル!

 言ってやろうか? ええ! クララベル!

 とっても身勝手な、願いばかりしよって?

 忌々しい……

 それに飽き足らずに……真逆な!

 此処まで、乗り込んでくるとは……?

 見下げたものだよ! クララベル!


「何故? わたしを知ってるの? わたし……何も知りません? 気が付いたら、ここにいたんです……? 本当です! 教えて、誰かさん?」


 ふふふふふ……あはははは……???

 何故! 問い掛ける?

 何故! 迷っておるのだ! クララベル!

 なぜ笑わぬ?

 願って! 願って! 願った!

 お前が、願っていた……。

 此処へと、来たのだぞ!

 笑え! 笑え! 笑え! 忌々しいクララベル

 嗚呼……忌まわしき、クララベルよ!


「五月蝿い五月蝿い、うるさ〜い! 何なのよ! 藪から棒になによ! 何も知らない……何も分からない……わたしに頭ごなしなんて……? 酷くないですか? わたし……願って何ていませんし? この状況で、笑えるもんですか! 笑える筈ないでしょ! いったい貴方は、何者? 何様ですか? 何故……わたしを知ってるの? 教えて下さい? 五月蝿(こうるさ)い誰かさん……?」


 忌々しいクララベルよ? ガチャガチャした……その心の耳を済まし……よ〜く見ればよかろう!


「心の耳? ガチャガチャしたって……?」


 帰りたい…… 帰りたい…… 返して……

 たすけて〜…… お救い下さいまし……

 おたすけを〜…… 富を築きたい……

 栄誉を与え給え…… 子宝が授かりますように…… 何故わたしの才能に、皆は気付かぬのだ…… 美しくなりたい…… 良き縁に巡りあわさしめ給え…… 失敗しろ…… わたしを有利に導きたまえ…… われこそを、偉大なる王たらしめたれ…… 貧乏何てクソ喰らえ…… 


 この言靈(こえ)が聞こえるか? 忌々しいクララベル? 感じるか? 忌々しいクララベル?


 どうか、お母様に永遠の命を与え給え……


「何なんですか? 此処へと貴方が捕らえた者たちの、叫びなのでしょうか?」

 あはははは……笑え! 笑え! 笑え!


 まだ分からぬのか? まだ解らぬのか……?


 クララベル! クララベル!


 嗚呼……忌まわしき、クララベルよ!


 何故? 何故? 何故?


 願い星等と……ワシに名付けだ?


 何故? 何故? 何故?


 何故? 皆は、ワシに願うのだ?


 何故? お前は、ワシに願ったのだ?


 永遠とも思える……永い時の彼方……。


 途方もない無限とも思える程の、願いの様々な感情が、クララベルの中へと容赦なく入っていきました。


 永い時の中に、言の葉を失うクララベル……ポトリポトリ……ポトリ……溢るるものがありました……ポトリ……ポトリ……ポトリと……。


 さあ! 笑え! 笑え! 笑え!

 忌々しいクララベルよ!


「貴方の愁い、貴方の嘆きは……さっぱり何の事だか、わたしには分かりません……ここが何処かも? わたしが本当は誰かも? 苦しまれてる、こえこえの方々も? 貴方が誰なのかもです? 貴方の背負われているものは、見せて頂きました」


 お前は幾度も幾度も、生まれ代わり、生まれ代わる度に……幾度も幾度も、その又継の世でも、幾度も幾度も……場所を変え、姿を変え、時空を超え、勝手にこのワシに! 願い星等と、名を付けおってからに? 願うだけ願って、何時も消え去り! 現れてはまた、ワシに願う……お前だけでは無い、多くの者たちがワシに……何故願う……? 逆に、ワシに名を付けた、お前に聞きたい! クララベルよ? 何故! 願うのだ? 何故だ? 何故だ? 何故だ……?


「わたしが、名付け親だ何て……そう言われましても、(にわか)には……信じられません? 貴方は、願い星なのですね?」


 お前が何を言おうが(しら)を切ろうがな? 時代に刻まれし真実は曲げられん! 変えられんのだよ! 忌まわしきクララベルよ!


 ワシは尋ねておるのだ! 答えよ、忌々しいクララベル?


「今のわたしに……全てを受け止めろと、仰るのでしょうか……何も分からない、このわたしに?」


 そんな些末な事など、知らん!


 ワシは尋ねておるのだ!


 答えろ! クララベルよ?


 何故だ? 何故だ? 何故だ?


「何故って? 私に聞かれても……昔々むかしむかしのわたしの事なんて、わたしは知りません? 今のわたしの中には、御祖母おばば様の言われた、クララベルの名だけです!」


 ふん……忌々しきは、クララベル!


 そんな都合良く、全てを隠して、此処へと来たと申すのか?


 答えよ! クララベル! 何故! ワシに、願い星等と名付け! 時を超えてまで、願い続けたのだ? 答えよ! クララベル! 今のお前が、忘れていようが、ワシには関係が無い! 答えよ! 忌々しきクララベルよ!


「貴方が何と言おうが……知らない物は答えられません! アレ? 何だろう、アッチから懐かしい……暖かな……温もりを感じる……?」


 ふふふふふ……あははははは……アッチか? そうかアッチか! アッチだな! アッチ何だな! 彷徨い探した碧球(こたえ)はアッチに……あるんだな? クララベル!


 行こう! 碧球(アッチ)へと……。


「貴方に答えた訳ではありません! アッチに何があるって言うの……?」


 帰りたい! 返して! お願い!


 クララベルの内なる内に、どっと願い星が抱えている、行き場を無くした全ての願い達ちの潮流が……グゥウォ〜……亡者の如く流れ込んできました。


 溢れいでる悪しき願いの洪水に……クララベルは何も為す術もありません。

 暫くは……願い星の嘆きすら、届かないでしょう。

 クララベルの心から、溢れ出す涙の様な感情が……。


「御免なさい御免なさい御免なさい……願い星さん……貴方の苦しみを知らずに、何度も何度も、生まれ変わってはお願いをして……貴方は多くの方々の想いを……ずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっと……背負って来られたんですね……すみませんでした……謝っても謝っても……全然追いつきません……」


 さあ語りあおうぞ、忌々しきクララベルよ!

 無限に刻まれる……時は幾らでもあるのだからな!


「みんな……還りたがっています? 願い星さん?」


 アッチだったな? ふふふふふ……お前が此処へと来る、ずぅ〜っと前から向かっておったはグルグルグルグルと……ただ、目指す先が分からず、彷徨っておっただけだ……この念の渦、忌々しきモノから、開放されるのであらばな? 碧球(あおだま)であろう? お前もだな? お前は達ちも何か……? 開放されたいのか……? 忌々しいクララベルよ!


「わたしも……碧球(あおだま)から来たのでしょうか? 願い星さん?」


 そうであろう……あそこから、ずっと幾世代を超えても……このワシに願っておったではないか……?


「なら……わたしも帰りたいです?」


 では行こう碧球(あおだま)へと……忌々しきクララベルよ!


「さあ! みんなも壱緒に還りましょう! あなた達ちを願われた、貴方達ちの御主人様達ちは、もういらっしゃない世界かもしれませんが……?」


 ふん! 悠久の時より忌々しく重ね重ねられてきた願い諸共……ワシ自らがワシ諸共……碧球(あおだま)へと送り返してやるわ!


 あははははは……。

 ズンズン ズン! ズンズン ズン!

 ズンズン ズン! 瞬く時、瞬く星は、過ぎ去りて……。


 無限軌道を突き進み……目指すは願いの園……碧球(あおだま)へと……!


 長い長い気の遠くなるような年月を突き進み、流星と化した願い星は……碧球(あおだま)を目指し長く長く尾を数千光年にも渡って伸ばして……。


 やっとだ! あはははは……!

 直ぐだ! もう直ぐに到着だぞ!


「えっ? 誰なの……? 漆哭(ななく)? 来ては駄目って? 何処へ……? 壊す! 壊す! 壊す! 貴方が救けてくれるの……? わたしたちが碧球(あおだま)を壊すって? 哭いているんだね……漆哭(ななく)……悲しみに押し潰されそうだよ〜……わたしたちは願いの園に還りたい……ただ……其れだけだよ……願い星さんだって……」


 グヴォ〜〜〜〜……!


 哭哭哭哭哭哭哭哭哭哭哭哭哭哭哭哭哭哭哭哭哭哭哭哭哭哭哭哭哭哭哭哭哭哭哭哭哭哭哭哭哭哭哭哭哭哭哭哭哭哭哭哭哭哭哭哭哭哭哭哭哭哭哭哭哭哭哭哭哭……!


 あはははは……………………碧球(あおだま)、美しき星……ワシもあのように、産まれたかった……碧球(あおだま)よ! わしを、開放してくれるのか……。


 願い星は、漆哭(ななく)の慟哭に当てられ、パッカ〜ン! パカン! パカン! パンパン! パンパン! パリパリパリパリ! プチプチプチプチ……半分半分半分半分……無限半分を、繰り返し繰り返して細分化してゆきました。


 散り散り粉々となり、碧球(あおだま)様にキラキラキラキラと、無数に輝く(おびただ)しい、光りの筋を描き出しました。


 そして、(いにしえ)よりの願いたちと共に、流星群の様に降り注ぎました。

 勿論! わたしも壱緒ですよ!


 時は流れて……わたしはこの星に、また生まれました……善きかな善きかな。


 小さな小さな透明色の、壱つ目のカメレオンみたな、漆哭(ななく)の雌に生まれました。


 漆哭(ななく)は厄災です!


 (ひと)つ哭いて、(ひと)つの厄災巻き起こし、(むっ)つ哭いて、(むっ)つの厄災巻き起こす。


 端から見れば漆哭(ななく)、悪い子ちゃんです。


 (なな)つ目は、この星を護る為に、自らの存在全てをかけて、持てる力を全部出し切っちゃて、漆哭(ななく)は哭くのです。


 漆哭(ななく)は、星の怒り。


 漆哭(ななく)は、星の哀しみ。


 漆哭(ななく)は、星の苦しみ。


 漆哭(ななく)は、星の(うれ)い。


 漆哭(ななく)は星の嘆き。


 漆哭(ななく)は、星の怒濤。


 漆哭(ななく)は、星の希望。


 漆哭(ななく)は、星の護り。


 漆哭(ななく)は、ラッキ〜モンスタ〜。


 漆哭(ななく)は、漆度(ななど)泣くから漆哭(ななく)


 わたしに与えられた役目は、次の漆哭(ななく)を探し出して、慰め見守ること……それが、わたしの犯した罪と罰なのですから。

 決して……許され事は……無いのかもしれませんが……。


 あははは…… えへへへへ…… うふふふふ……

 あの願い星に乗って帰って来た、(いにしえ)からの願い達ちは愉しげに今も、グルグルグルグル碧球(あおだま)を、駆け巡っているんですよ。

 たまに、お話しを聞いて貰たり、漆哭(ななく)の情報を教えて貰っています!

 ペチペチ弱っち〜わたしは、何度も何度もペチッと潰されて……産まれてはまた……ペチッを繰り返し、繰り返して世界中を旅して歩いて、新たに産まれてくる次の漆哭(ななく)を探しています。

 嗚呼! あの願い星さんはですね! 散り散りバラバラになっても……今も、わたしに付き纏まとっては、ウダウダ愚痴を(こぼ)していますよ!

 うふふふふふ……それでは、ばはは〜い! 失礼いたします……あっ! ペチッ……。 

 ピョコタン! 復活(ふっか〜つ)


 世界樹の実を食べ食べ、不可思議不思議世界へ翔び出したヒュンタの存在、巻き起こす行動が……もしかすると……停滞する危うい均衡を破壊して……非ぬ物を引き寄せ、萬年動かぬ物を動かしてしまったのかも知れませんね……。



   再び、ミルフィ〜ユ……


 ミルフィ〜ユ


 何処から 食べても


 やっぱり! ミルフィ〜ユ……


 やっぱり封印しちゃいます?

 Eraserボタン 貴方は押しちゃいます?


 ポチッとな!


 パチン!

 プゥ〜〜〜ン……ジジ……ジジ……ジジジ……。


「は〜い! 後始末係の、マチルダレオン・ココミ・シイナよ! 後始末するから、とっとと、ココからご退場願えますか……?」


 シュッ! シュッ! シュッ!

 ゴシゴシ! ゴシゴシ! ゴシゴシ……。


「はぁ〜っ……全く……」


 シュッシュッシュッシュッシュッ!

 ゴシゴシ! ゴシゴシ! ゴシゴシ……。


             NEXT STAGE


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― 新着の感想 ―
[良い点] 4万字以上を一週間ちょっとで書いてしまえるバイタリティー、凄いです(๑•̀ㅂ•́)و✧ モッチーナさんもシシリーちゃんも喜んでおりますm(_ _)m 可愛い世界観の長大な詩のようでした…
2022/10/22 19:21 しいな ここみ(ログアウト中)
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