第4話 「引き延ばし多用し過ぎてもう4話」
お待たせ〜待った〜〜?
待ってない?え〜
▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽
善本 立木は緊張していた。
地下に存在する広い部屋、その入り口に座っていた。
そろそろ疲れも取れてきた頃、それを察したように巨体は口を開く。
「休憩はこれくらいにして、早速トレーニングを始めるぞ!」
「はいっ」
「まずは…どうするかな…あ、善本」
「はいっ」
「『防御は最大の攻撃』、という言葉を聞いたことがあるかな?」
「…逆では?」
「A=BならB=Aも成り立つのと一緒だ、気にするな」
「はいっ」
「相手の攻撃を耐えられなければ攻撃も出来ない、というわけでまずは僕の攻撃に耐えられるレベルの肉体を作り上げるんだ」
「───はい?」
「いやいやいやいや、無理ですって」
善本の顔くらいあるであろう拳を見ればわかる。
こんな拳を食らったら、誰だって骨を粉々に砕かれるだろう。
「試しにこのサンドバッグ思いっきり殴ってみて下さい」
近くにあったごく普通のサンドバッグを指して言う。
「わかった」
そう言うと巨体はサンドバッグの右側に立った後、腕を振りかぶり──
「ふんッ!!」
──サンドバッグにその拳を正面からブチ当てた。
そしてサンドバッグは───
「あ……?」
善本の視界から消え去った。
その直後、部屋の左方向から大きな音が響いた。
ズドッッ
なんの音かは…
察しが悪い人でもわかるだろう。
サンドバッグが壁に激突した音だ。
………
「………???????????」
こんな威力に耐えろと?
無理がありすぎる。初めて会った時この巨体にぶつけた、ひ弱な拳を見て善本は察した。
「──無理です。」
「はは、そう怯えるな善本。」
そう言うと巨体は善本の肩を優しくドンと叩き、言葉を続けた。
「努力というものは、やり方次第でいくらでも成長できる。今のお前はこのサンドバッグを殴っても微かに揺らすことしか出来ない。」
「だがしかし、お前はすぐにでも、このサンドバッグを粉々にすることができるようになる。」
「何故なら──」
「この僕、緋山 炭蔵が付いてるからな!!」
「は、はは……」
こうして、巨体──緋山は自己紹介を終え、善本に活を入れた。
そして、やっとのことで(2話も引き延ばした上で)、トレーニングを開始した。
現在のメニューは以下の通りだ。
①基礎体力
長距離走、プランク、懸垂
「強さを鍛えるには、トレーニングについて来られるだけの身体を作る必要がある。体力を鍛え、過酷なトレーニングに備えるんだ!」
「……っは、はい…ッ…!」
②精神・バランス強化
平均台、片足立ちしながらのパニックホラー映画観賞、瞑想
「…こ、これってトレーニングなんですk…うわぁッ!?」
「精神が不安定なようではピンチを乗り越える心も得られない!パニックホラーを観賞し、精神・バランス共に鍛えるんだ!」
「それにしても善本、お前相当のビビりだな…」
「ひいッ!?……すいません…」
③身体強化
ピストン式殴打機による攻撃、足つぼマット、くすぐりマシーン
「お゛ごッ……うぐッ…お゛え゛ッ……」
「いッ…いたたたッ痛ッ…いぎぃ…ッ」
「ひィッあはっはははッ、あ…のォッ…!!これ…ふへッ……ほんと…ははははっははッ…に……トレーニングなん…ッあはははは!!!!」
「何を言ってるかわからん。」
これを順番に10回繰り返す。
体力強化も兼ねて、インターバルは最低限に削る。
暫くして、今日の分のトレーニングが終了し…
「ぜェッ、はっ、ふッ…はぁっ、はあ……」
「よし、これで今日のトレーニングは終わりだ!もう夕方だからな、気をつけて帰るんだぞ」
「はッ……はぁ、はい……」
「あ、えっと…緋山さん……」
「ん?なんだ?」
「帰りのエレベーターとかってのは…」
「はははははッ!何を言ってるんだ」
「帰りも階段に決まってるだろう!」
───そして、善本が家に着いた頃には、もう足は棒のようどころか、赤く腫れ、曲げることすら叶わなくなっていた。
「……もう無理………」
どうにか動く腕を使い、善本がベッドに転がった瞬間、柔らかさの中に堕ちるように一瞬で眠りについた。
さーて、次回の狂戦学生は〜?
「善本 立木です。作者曰くキャラ設定とあらすじだけ固まってきて、本文は何も考えていないらしいですよ。次回は…え?タイトルまだ決めてない?あぁ、そう…」
くすぐりマシーンってロマンあって好き♡
それでは次回もまた見てくださいね〜
じゃん けん ポン!(グーともチョキともパーともつかない微妙な手)
うふふふふふふ