表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
64/79

手記:彼について



 彼はとても不遜だった。

 彼はとても慇懃だった。

 軽薄で、斜に構え、太々しく、無礼で、口を開けば悪態と皮肉の大売り出し(オンパレード)

 身なりがある程度整っていなければ、貧民街出身の悪童か、裏路地で安酒片手に管を巻く破落戸(ゴロツキ)か、よくて闇組織(マフィア)の下っ端――あの鮮烈かつ印象深い邂逅がなければ、私は間違いなくそう彼を印象(レッテル)付けにしたことだろう。

 いや、殆どその通りだった。

 助けられた事実があってなお、私が彼に抱いた印象はそんなものだった。

 彼という存在に利用価値がなければ、関わろうとも思わなかった。

 ああ、認めよう。

 ああ、認めようじゃないか。 

 はじめて彼と出会ったとき、私は確かに思ったとも。

 私は、彼が嫌いだったさ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ