九十七話 今明かされる秘密、魔王院ありさの正体!
Mギアからの光に目が眩む一同、その光は彼らを包み込んだ。
「なんだこれ?」
「これは………」
周りの景色が変化し別のものになる。目の前には何体かのモンスター達がおりありさとよく似た姿の怪物と向かい合っている。モンスターの方もヴァミラやガルム、レオパルドが映っている。豊太郎達のパートナーであるヴァミラ達はちゃんと存在している、新たに現れたヴァミラ達はある種の映像である。全方位映画館と言ってもいい。
映像のが動きヴァミラを筆頭にモンスター達が光を怪物に照射していく、怪物が光に包まれクリスタルに封印される。そこで映像が切り変わりどこかの洞窟が映る。オーガと言われるタイプのモンスターが棺のようなものを動かし中からクリスタルを取り出す。
「ほう、これが伝説のイービルクイーンのクリスタル………」
オーガがクリスタルを見つめ感慨にふける。クリスタルには先ほど封印された怪物が閉じ込められていた。よく見ればその怪物は肌の色が違うまでも今豊太郎達が戦っているありさと同じ顔をしていた。
さらに映像が変わり機械のある部屋になる。怪物のクリスタルが機械に収まり先ほどのオーガがその機械を操作している。ピキピキと音がしクリスタルが崩壊し中の怪物が現れる。
「オオー!これが………」
オーガが歓喜の声を上げる。
「アァァァァ」
怪物が唸り声を上げるとオーラを発生させ周囲の物体を振動、破壊していく。ひとしきり破壊すると怪物は天井を破壊しながら地上へと出ていく。
また映像が変わる。今度は巨大な水槽にようなものに怪物が収められている。水槽の水が排出されガラスがスライド、中の怪物が現れる。映像を見ている豊太郎達が息を飲む、怪物の姿は魔王院ありさと同一の姿をしていた。
再び映像が変わりファンタジー世界のような町並みが映りアマツカがありさと戦う場面になる、さらに映像は変わり豊太郎達の世界に風景が変わりここで元の景色に戻る。
「もしかしてあいつがヴァミラ達の追ってた敵だったのか!」
豊太郎が映像を見ていた者達の感想を代弁する。ヴァミラ達はそもそも異世界から現れたという敵を追ってこちらの世界に現れた、その敵が魔王院ありさだったのだ。
「イービルクイーンとそれを封印したモンスター、モンスターの使い手、まさか実在していたのか!」
アマツカが叫ぶ。
「どういうこと?」
司が聞く。
「天界にいたころ聞いたことがある。世界を邪悪で包む悪魔の女王イービルクイーン現れし時世界を救済せしモンスターを異世界から人間が現れ使役するという伝説をな。老人共の与太話かと思ったがまさか本当に実在するとは思わなかった」
「君………、やっぱり異世界人だったんだね」
司がアマツカの説明などとは無関係なことを言う。
「今更か!」
司の天然ぶりにアマツカが思わず叫んでしまう。
「つうか天界てどこだよ、ヴァミラ達のとことは違うのか? 」
豊太郎が聞く。
「あー、確かヴァミラの世界にはいるんだけど地上でも上の方にあるみたいよ。叔父さんから貰ったパソコンに載ってた」
司が説明する。
「なんじゃそりゃ、なんでお前の叔父さんの持ち物にそんな情報あるんだよ。てかそのパソコン一体なんなんだよ」
「さあね、僕も昨日貰ったばっかでよく分かんないんだけど」
「まあいいけどさぁ」
「クククク………アーハッハッ!」
魔王院ありさ、いやイービルクイーンは頭を抱えていたかと思うと急に高笑いをし出した。
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