九十六話 緋龍ズ対悪魔の女王
龍と魔人が激突し空間を震わせる。互いの爪と爪がぶつかり轟音を響かせる。二体の距離が離れるとありさが口からエネルギーを発射しヴァミラも炎を発射する。エネルギーとエネルギーとぶつかり合い、均衡な力を保ち続け爆発する。爆風で後退するヴァミラとありさ。
「互角か！」
「だったら………」
悠とさなえもMギアを構える。
「ガルム！」
「レオパルド！」
Mギアから召喚されるモンスター達。
「フリージングブレス！」
ガルムの口から冷気が発射されありさの下半身にまとわりつく。すると足元からピキピキと音を立て凍結していく。
「動けない………」
凍った下半身に困り果てるありさ。
「レオパルドガンナー！」
動きを止めたところにレオパルドのエネルギー弾が飛ぶ。エネルギー弾がいくつも直撃し下半身の氷を破壊しながらありさを吹っ飛ばす。
「う、ううう………」
ダメージを堪えながらなんとか立ち上がるありさ。
「いける、お前達このままやっちまえ！」
豊太郎がボロボロになったありさを見てモンスター達に発破をかける。
「いや待て！なにか様子がおかしい」
ありさを見て悠が止める。
「ウグウアァァァ」
ありさが咆哮と共に突っ込んでくる。そこには理性などなくただ闘争本能に基づいて行動してるかのような荒々しさがある。
「応戦しろ！」
「イエス、マスター！」
悠の指示でレオパルドが前に出る。相手が危険な存在の可能性があるとして戦わないわけには行かない、ならばせめて先に攻撃してダメージを負わないようにするしかない。
ありさはレオパルドが近づくとレオパルドの頭部を掴み高く上に放り投げ落とす。
「レオパルド！」
高い場所から落ちたことでレオパルドがダメージを受け悠が心配する。
「行って」
レオパルドがやられたことで一瞬怯んだがさなえも負けるわけには行かない。ガルムをけしかけありさに挑む。
ありさはガルムに近づくと腕を下から振り上げガルムを高く浮かす。ありさは上空にいるガルムを追い上から腕を強く振り下ろす。強い衝撃と共にガルムが落下する。
「ヴァミラ！」
ヴァミラが咆哮と共に飛ぶ。ありさは次の目標に目を向けるとすぐさま接近する。跳躍するとヴァミラより高い位置からガガガガガ！と音を立て連続で蹴りを入れていく。衝撃で後退するヴァミラ。
「ヴァミラも駄目か。く、司がいれば昨日みたくやれるのに………」
悠が苦悶する。
「でも司は今いない」
さなえが指摘する。
「く、どうすればいいんだ………」
昨日のダークレックスは司の力で倒せた、だが司のいない今悠達に魔王院ありさを倒す手段はない。
「諦めんな！昨日の司は諦めなかった、だからお前らも諦めるな！」
「豊太郎………」
「お前………」
豊太郎の叫びに悠とさなえが目をパチクリさせ驚く。
「ちょっとみんなー、会議室で待っててって言ったじゃーん」
李梨香に抱き上げられながら現れた司が豊太郎達に言う。本来別の場所にいるはずの人間が目の前にいては文句も言いたくなろう。司と李梨香は他の魔法使いよりも速く京之助の分身を倒した上距離も近かったためいち早く到着したのだ。
「そうだな」
「うん」
司を他所に豊太郎に頷くさなえと悠。
「話聞けよ！」
司が再び叫ぶ。
「司ちょっとうるさい」
「あ、ごめんなさい」
司は李梨香に抱き上げられたため司の叫び声が李梨香の耳に響くのだ。
「なんだ？」
突如、三人のMギアが光りだす。
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