九十四話 追い詰められたアマツカ
「ま、今回もわたしが勝つんだがな」
ありさの誘いにアマツカが双剣を構える。それが合図なのか同時に駆けアマツカとありさがぶつかる。剣と腕が押し合うがありさの方が力が上なのかアマツカの剣がすぐに弾かれてしまう。がら空きとなった胴体に巨大な爪をぶつけていくありさ、衣装に損傷はないが肉体に多大なダメージを与えていく。
「ぐ…………、こ、このままでいられるか！」
アマツカも負けてはいない、爪で殴られる間に蹴りを入れ反撃する。思わぬ攻撃に後退するありさ。その一瞬の隙を逃さず一気に距離を詰め斬りかかる。二度三度斬りつけていくがありさの巨大な爪に止められてしまう。
「しまっ………」
「それで勝てると思ったみたいだけど残念、わたしには敵わない」
ありさはアマツカの剣を掴んだまま後ろに振り上げアマツカごと投げる。地面に一度バウンドし倒れるアマツカ。
「やっぱり天使さんは一人じゃわたしを倒すことが出来ない、せいぜい足止めがいいとこ。というか天使さん自体この間人間と融合してた時のが強かった気がする」
「ふざけるな！一人でも、あの人間がいなくともわたしは負けはしない！天使の力を舐めるな！」
ありさの言葉に憤怒し翼を展開し連続ビームを撃つアマツカ。アマツカは司と融合する前は元々一人で魔獣退治をしていた。美羽羅や悪魔のフヨウと共闘することもあったが基本は一人だ、他人に頼ることはほとんどない。それゆえアマツカは自分の強さにある種プライドを抱いてりありさの言葉には怒りを覚えたのだ。
アマツカのビームに対しありさも口からエネルギーを発射し応戦する。以前司が融合していた時はアマツカの方が押していた、しかし今回はありさのエネルギーの威力に押されてしまう。力の激突に押し負けアマツカはありさのエネルギーを全身に食らってしまう。
「があぁぁぁぁぁ！」
熱によるダメージを全身に受けてしまうアマツカ。今度のは流石に堪えたのか立ち上がろうとしても足をついてしまう。
「天使さんやっぱり弱いね、弱くなったんじゃなくて元から弱いよ」
ありさが言うがアマツカは反論出来ない、反論しようにもその力がない。
「飽きたからもう殺すね」
ありさがゆっくりとアマツカに近づきその首を掴み上げる。
反撃する力はないがこのまま負けるわけには行かないとありさを睨みアマツカ。
「そんなに睨んでも無駄、あなたは何も出来ない」
ありさはアマツカに膝蹴りを繰り出す、一度二度繰り返し空いてる方の爪で顔を殴りつける。
「顔やったけど血出ないね、やっぱり格好が違うから頑丈になってるのかな」
顔に当てても一度殴りつけた程度ではアマツカが血を出さないと分かると再びアマツカの顔を殴りつける。何度が繰り返すと飽きたのかアマツカを放りなげる。
「なんか癖になってきた、弱い人をいじめるのって結構楽しいんだね」
今度は巨大な足でもってアマツカを上から踏みつけるありさ。
「ぐ、あ………、ああ………」
その質量にうめき声を上げるアマツカ。
「フフフ、あはは、ほんと弱いね天使さん。あはははは！」
ありさはアマツカを痛めつける快楽に酔ってきたのか高笑いまで始める。
絶対絶命のアマツカ、激震するウィザードマテリアル、その時、緋き龍が飛翔する！てなわけで次回乞うご期待！
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