八十六話 この廃人共が!
マカイターミナルを貰った次の日、土曜日で学校もないからみんなでウイザードマテリアルの会議室を乗っ取ってくつろぐことにした。昨日も豊太郎がうるさかったから来たけど今日も来ることにした。土曜日にまで仕事場に来るとかみんな暇なの?てか仕事してないし、遊びに来てるよねこの人達。みんなゲームやら雑誌やら携帯やら持ち寄ってるし。ほんと君ら仕事場に何しに来てるのさ。まあ僕もマカイターミナルでモンスター図鑑見てるんだけど。
「なあなあ、それって何してるんだ?」
沙紀絵さんがさなえに近づきゲーム画面を見る。さなえのやるゲームと言ったらマジモンだ、てかさなえはマジモンしかやらない。
「個体値の厳選、のための卵の羽化を繰り返してる」
「なんじゃそりゃ、面白いのか?」
沙紀絵さんの疑問も最もだ、マジモンはオスメス組み合わせて育て屋に預けると卵が出来て新しいモンスターが出るんだけど自分に合った能力のモンスターを手に入れるために卵をいくつも作って孵す作業というのはちょっと疲れる。僕もマジモンはやったことはあるけどそこまではやらない、レベル1から育てられるてことだけで充分だったし。
「面白いかどうかじゃない。わたしは、強いモンスターを作るんだ!それだけ」
「お、おう………」
力説するさなえにちょっと引き気味になる沙紀絵さん。さなえのゲームに対する情熱はいまいち分からない。僕ら凡人には分からないものなのか。
席に戻った沙紀絵さんはバッグからファイルを取り出す。中にはこの前言ってたアイドルワーカーズのカードが入ってるのかな。うわ、意外と数多い。少し離れたこの席からも見えるけどあのファイル半数くらいがカードに侵食されてない?駄目だ、やっぱりゲーマーの思考は僕には分からない。アイドルワーカーズのゲームはゲームセンターとかでバーコードを使って筐体で遊ぶゲームなんだけど同時にカードでもあるんだよね。
しばらくファイルを中身を整理する沙紀絵さんを見て僕もロッカーからトレーディングカードの入った箱やファイルを持ってくる。カード1000枚が入る箱が三つに、大きなファイルが一つ、カードを保護するスリーブが12種、デッキも10個……………………ごめん、僕のが分かんない。おかしいよこんなの絶対おかしいよ、わたしは、僕は、俺は、ああ、自分は何者なんだろう。こんな量のカードを貯めるなんてやっぱり廃人だよ、しかもトップクラスの。
劇中に出てくるゲームはどう見てもあのゲームのパロディですね、司くんも司くんでカード廃人でしたけど。
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