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魔導奏者りりかさん  作者: 兵郎
八章 レオパルド使いの少年
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八十一話 ダークレックスの脅威、必殺の弓



「グォォォォォ!」

「ギャオォォォォン!」

恐竜とドラゴンが吠え巨龍一対が激突する。


「グゥゥゥ………」

「ヌァァァッ!」

激突の末ヴァミラが頭部を使いダークレックスを吹き飛ばす。


「ヴァーミリオンフレイム!」

烈火の炎がダークレックスを焼き尽くす。


「よっしゃ、やったぜっ!」

勝利を確信しガッツポーズを取る豊太郎。


「ごめん、それフラグ」

「え?」

司の言葉に豊太郎が意表を突かれたような顔をする。レオパルドの猛攻を受けて立っていたダークレックスである。ヴァミラの攻撃にも耐え切り、立ち上がる。


「げぇっ、マジかよ………」

ダークレックスの動きを見て改めて驚く豊太郎。

「なら今度はわたしが。ガルム」

「任せろ」

今度はガルムが飛ぶ。スピードを活かし縦横無尽に動き翻弄する。単純な体当たりだけでなく身体を縦に回転しながらの攻撃や足を狙ったり小回りの効いた攻撃をする。しかしダークレックスも負けてはいない、頭部の打撃を繰り出しガルムを吹っ飛ばす。


「ガルム!」

ガルムを心配するさなえの声。

「フリージングブレス!」

ガルムの口から冷気が放たれダークレックスの足元にまとわりつく。すると、足が凍っていき完全に身動きが取れない状態になる。


「行ったな、これは」

「いや、これは行ったろ」

「もう終わりでいいよねこれ」

「いやダメでしょ」

男達が安心する中一人さなえが突っ込む。


「それはいいけどヴァーミリオンフレイムでも撃ったら折角凍らした足が溶けないか?」

「下手にこれ以上攻撃するよりこのまま放置しても問題ないだろう」

「豊太郎はともかくあなたのは自然解凍するから駄目」


「じゃあどうするの?」

「うっ………」

司に言われ言葉に詰まるさなえ、足や身体の下部分は凍ってるが上のまだ動けるため予断を許さない状況だ。


「ガルム、あいつを完全に凍らせる。やれる?」

「問題ない、やってみせよう。フリージング…………なにっ?!」

ガルムが再び冷気を発射しようとした時、ダークレックスの身体に異変が起きる。黒いオーラを発生させ周囲の空気を震わせる。


「何をする気なの」

「嫌な予感しかしないな」


「グオォォォォ」

『うわぁぁぁぁ!』

低い唸り声と共にオーラを飛ばし司達を吹き飛ばす。さらに火炎弾を飛ばしヴァミラ達にぶつける。


「迎撃しろ!」

悠が命令する。モンスター達は火炎弾、冷気、エネルギー弾をそれぞれ発射し相手の火炎弾にぶつける。しかし相手の方が強いのか押されてしまう。


『うわぁぁぁぁ!』

吹っ飛ぶモンスター達、許容量を超えたダメージを負ったのか大型の形態から小動物の形態になってしまう。


「ヴァミラ!」

「ガルム!」

「馬鹿な、一撃だと!」

使い手達がそれぞれのモンスターに駆け寄る。


「チッ、これ以上の戦闘は無理か。逃げるぞ」

「なに言ってんだよ!こいつどうすんだよこいつ!ほっといたらまた町や人を襲うんだぞ!」

戦線離脱を呼びかける悠に対し豊太郎はダークレックスを指差し止める。


「馬鹿かお前は!モンスター達は全員やられた、魔法使い共も役に立たない、この状況でどう戦う気だ!」

「ぐっ、で、でもっ………」

絶命的状況を指摘され豊太郎は悔しがるが何とか食い下がろうとする。


言い争う二人をよそにさなえが豊太郎の服の裾をグイグイと引っ張る。

「なんだよ」

「あれ」

さなえが指さすとゆっくりとダークレックスが迫っていた。


「げ」

「まずいな、逃げきれるか?」

その巨体ゆえにゆっくりと進んでいるように見えるがその巨体だからこそ一歩一歩の歩幅はかなりのものだ。


「まだだよ、まだ終わってない」

「司?」

その場の全員が諦める中、司一人がまだやる気に満ちていた。


「さっきも言っただろ、今の状況は絶望的だ、これで戦うのは無理だ」

悠が反論する。


「ずっと、考えてたんだ。さっきからずっと感じるこの力はなんだろうって。多分あの邪悪な怪物を倒すための力なんだと思う」

「司?」

何のことだか分からない周囲。


司はハーと息を吐くと拳を握り光の弓を生成し矢を引く構えを取る。

「シュート!」

矢が発射されると真っ直ぐダークレックスを射抜く。悲鳴を上げる暇などない、一瞬で動きを止めその身体を消失させる。


「ふう」

息を吐き役目は終わったとばかりに弓を消す司。同時にダークレックスが現れてから感じていた不思議な力も消える。


「倒しちまった………」

「すごい………」

「すげえじゃねえか司!やっぱお前ただもんじゃなかったんだな!」

「司くん、やったんだね!」

「流石です司さん!」

沙紀絵が司の肩を引き寄せ他の仲間と共に勝利を喜ぶ。


「お前、何者だ?」

「さあね、強いて言うなら異世界の怪物すら恐れる力の持ち主てところかな。ていうか僕自身は今まで普通の人間だと思って生きて来たんだけどなぁ。実際どうなんだろ」

何とか答えるが司にも詳しくは分からず首をさするのみだ。


「あれじゃね?アマツカと融合してた頃の名残とか」

「いや、それとは何か違うていうか。なんていうか、力が違う人のものな気がするんですよね」

「はー、分からん」


「アマツカてなんだよ」

「あ、こっちの話」

豊太郎が沙紀絵との会話を気にするが誤魔化す司。


「それよりも悠のことなんだけど……」

悠の事情を知らなかった豊太郎とさなえに説明する司。


「それは大変」

「そんなことがあったのか。わりいな、そうとも知らず襲っちまって」

「別に襲ってないがな」


「よし決めた!これからはお前に協力するぜ!お前の妹も助けて異世界の悪いモンスターも全部やっつけてやる!」

「お、おう、かたじけないな」

豊太郎の勢いあるお人好しな台詞に思わず気圧される悠。



こうして豊太郎、さなえ、司、悠の新たな戦いが始まる、のか?

光属性は闇属性に強い。最後何か雑だけどこれにて今回の話は終わり、終わりったら終わり。

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