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魔導奏者りりかさん  作者: 兵郎
八章 レオパルド使いの少年
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七十八話 捜索される司の部屋

レオパルド使いの少年の手掛かりを探しに言ったら司の隠された趣味がバレるていう話。今までは戦いばっかでキャラの個人的な話というかプライベートの話はあまり出さなかったのでちょくちょくやろうかなとも思ってる



「あの、僕が最後にアマツカと戦ったのっていつでしたっけ」

悠の話を聞き終えた後、司は悠ではなく李梨花達に声をかける。


「えっと、学校の春休みが始まる前ぐらいだと思うけど………」

「遥香ちゃんが連れ去られたのも三月末ごろ……」

「え、その、まさ、か………」

おいおいまさかという空気になる。


「おい、どうしたんだよ」

「三月の末がどうかしたの?」

「あの、分かるように言ってくれます?」


司と近い位置にいた李梨花と美羽羅は司の意図を理解するがやや離れた位置にいる彩音、美海、沙紀絵は何の話か分からず戸惑う。


「あいつの妹さんを連れ去ったやつが天使時代の司を警戒してたってこと」

「え、なんで?」

「だって異世界の怪物ですよね?この世界の人の司さんがなんで関係するんです?」

「勘違いしない方がいいけど天城司はこの世界の人間だけど融合していたアマツカは別世界から来た天使よ」

「あ……」


「おい、さっきから何の話をしている」

悠がコソコソ話してる司達に痺れを切らす。


「ごめん悠!英雄てのが何か分かんない今回の件はやっぱり僕のせいだ、僕が無茶なんかしたから………」

頭を下げる司。


「待て、本当に何の話だ、分かるように言え」


「それは………」

信じてくれるだろうか五年前からやっている魔獣やアンダーウィザーズとの戦い、人間としてでなく天使としての自分を。


「なに、この感じ、魔力とは違う…………?」

司が何かを感じたように走る。


「お、おい!」

「ちょっと司!どこいくのよ!」

追う悠や李梨花達。



かつて五十嵐兄妹と過ごしたであろう公園、そこにモンスターが現れていた。その姿は黒い恐竜を思わせる。恐竜は強靭な顎でアスレチックや遊具を破壊していた。

「あいつがこの黒い感じを…………」



★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★



一方、豊太郎とさなえは司の自宅に来ていた。インターホンを鳴らし中にいるであろう真奈美を呼ぶ。

「はーい」


ドアを開け真奈美が現れる。


「突然で悪いんだけど司がここに来る前通ってた小学校て知ってるかな、卒業したとこじゃない方の」


「司お兄ちゃんの前の学校?ちょっと待って下さいね」

真奈美は家の中に戻ると二階への階段を登る。


「失礼しまーす」

「失礼します」

二人も後に続く。


司の自室

「うーん、確かこの辺りだったような………」

真奈美が本棚のファイルを出し中の紙をペラペラとめくり内容を確認する。


「お、ここが司の部屋か、久しぶりに来たな」

「男の子の部屋にしては空いてる」

二人も司の部屋に入る。豊太郎とさなえは司の部屋に行くこともあったが普段三人で集まる時は豊太郎の家に集まっていたので司の部屋に来ることはあまりなかったのだ。


「ここのファイルを調べればいいんだよな」

「あ、はい」

真奈美を手伝う豊太郎。裏ではさなえがベッドの裏に手を入れて何かを探している。


「おい、何してんだよお前。ちゃんとこっちも手伝えよ」

豊太郎が注意する。


「エロ本がない、思春期の男の子ならみんな持ってるはずなのに」

さなえが思わぬことを口にする。

「マジ?」

「うん、ない」


「駄目だよお兄ちゃん、ちゃんと男の子らしい本も入れなきゃ。友達が来た時がっかりしちゃうよ……」

真奈美が本棚に手を置きがっくりとうなだれる。


「なあ、あいつ普段何の本読んでんだよ」

「おじさんの影響で神話系とかおとぎ話とか、かなぁ。あ、これとかそうですね」

真奈美が別の棚に手を向け本を1冊見せる。


「あ、これラノベじゃね?」

「司、ラノベ読むの?」

通称ラノベ、ライトノベルと呼ばれるティーンズ向け小説、一般的な小説より挿絵が多く絵も可愛い女の子が多く話の内容も男の子が複数と女の子と仲良くなるという色恋沙汰の話が主だ。若い男なら多くが嗜んでいる書物だ。


因みに司が普段からラノベを読んでいるという話は豊太郎達友人、家族の叔父や真奈美、魔法使いの李梨花達も知らない。全く趣味の話をしないというわけではないがそれでもラノベのラの字も出していなかった。それだけに三人は少し驚いている。


ラノベこ多くは最初のページは文ではなくカラーイラストのページになっており真奈美が取ったものも例外ではない。まず表紙をめくると表紙と同じ天使を思わせる少女のイラストがある、露出はややあるが過度ということではなく胸や腰部分はちゃんと布で覆われている。しかしさらにページをめくると右側のページで先ほどの少女が風呂場で一糸まとわぬ姿になっていた。自主規制なのか局部は白い光をイメージした線が走り隠されていた。


「ぶふぉっ、ちゃんとあるじゃねえかそういう系。だよなぁ、あいつも男だもんなぁ」

「どきどき」

「や、やっぱりやめましょうよ。こういうのよくありません」


「大丈夫、反対のページは普通に健全だから」

豊太郎の言った通り裸の少女がいる反対側のページでは少女が二人おりいがみ合うような構図になっている。二枚目、三枚目とめくっても裸の少女のイラストはあまりなく至って普通の日常やファンタジーを思わせるクリーチャーのイラストが載っている。


「なんだ、つまらない」

まるでいかがわしいイラストがもっとないのかと言うさなえ。


「そういうわけじゃなくて………ていうか二人とも司お兄ちゃんの前の家の小学校を知りたいんですよね」


「そうだったそうだった、調べないと」

「寄り道はいけない」

再びファイルを探っていく。

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