七十話 黒き乱入者、レオパルド
「あーあ、俺がそいつと遊んでやろうと思ったのになあ。邪魔しないでもらえるかな」
「誰だ!」
司が叫ぶと美羽羅達を撃った主が現れる。見た目は普通の少年だが側に体が硬い装甲覆われた黒いライオンを連れておりとても普通のものではない。
「君は………」
豊太郎が何かに気づいたように少年を見つめる。
「どうした、知り合いか?」
「いや、多分気のせいかな」
「お前、どこかで会ったか?」
相手の方も司を気にかける。
「さあね」
「あなた何者?敵? 」
さなえが少年を睨む。
「ああ、敵だ。だから戦おうぜ」
少年が挑発する。
「待ちなさい、余計な戦闘は出来るだけ避けた方がいいわ。そいつを相手にするのはやめなさい 」
李梨花が忠告する。
「いいのかよ?さっきお前の仲間を撃ったのは俺のモンスターだぜ、仇討ちとかしなくていいのかよ」
「へぇ、言ってくれるわねぇ。なら、あたし自ら相手になってやろうかしら」
李梨花が端末を取り出し魔導奏者へと変身する。
「ほんとはそっちの狼と戦おうと思ったけどまあいいか。いけ、レオパルド」
「イエス、マスター!」
少年の命令でレオパルドと呼ばれたライオンが駆ける。それを李梨花は避け二丁拳銃の弾丸を当てる。
「遅い遅い!」
「ち、面倒だな。レオパルド、タテガミバルカンだ」
「イエス、マスター」
レオパルドは李梨花より高い位置に移動し正面に向き直る。
「タテガミバルカン!」
レオパルドのたてがみ部分にあるバルカンが発射されるが李梨花は木々の後ろを使い器用に避ける。
「はっ」
「グゥアッ」
バルカンが止むとその隙に弾丸を叩き込む。怯むレオパルド、李梨花も跳躍しレオパルドの真後ろにつく。
「ほらほらー、こっちこっちー」
レオパルドの尻に蹴りを入れると二丁拳銃を変形させ二刀流で斬撃を入れていく。魔力で出来たビームサーベルなのか当たる度にバチンバチンと静電気のような音が発生する。
「そんな奴になにをてこずっている引き離せ!」
指示が飛びレオパルドの巨大な足が突き出される。
「ガハッ」
まともに受け吹っ飛ぶ李梨花。
「やるじゃない。なら……」
ライフルを連結させロングライフルによる高出力ビームを放つ。その威力には異世界のモンスターでさえひとたまりもない、勢いで少年の方まで吹っ飛ぶ。
「ぐぁぁぁぁ」
レオパルドがぶつかりいっしょに地面を引きずられる少年。
「次これ受ければ、あんたもまともじゃ済まないわよ。逃げるなら今の内だけど、どうする?」
李梨花が再びロングライフルを構えるが本気ではなくあくまで脅しの程度だ。
「ふん、今日はここまでにしておこう。帰るぞ、レオパルド」
服についた土を叩きながら立ち上がる少年。
「しかしマスター…………」
帰ろうとする少年に対しレオパルドは食い下がらない。
「俺にこれ以上恥をかかすな」
「はっ」
レオパルドが承諾するとその体の上に乗る少年。そのまま二人は山の中を去っていく。
去り際に李梨花は端末のカメラ機能で少年を撮影する。
異世界のモンスターより魔導奏者のが強いとかちょっとおかしいけど魔導奏者は一応パワーアップ版て設定なんで
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