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魔導奏者りりかさん  作者: 兵郎
四章 ウィザードマテリアル技術部へようこそ
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二十八話 ブリーフィングには天使の邪魔がお付き



IT課を出てブリーフィングルームに向かう司、しかしその彼を何者かが捕まえる。突如ネットが横から現れ司を捕縛したのだ。


「ちょ、ちょ、なになに?!」

そのまま引きづられ困惑する司。ネットに絡まれ抜け出すことが出来ない。


ー ー ー ー ー ー


ネットから開放されようやく自由になる司

「もう、なんなのさ!」


「どうもー、信頼と実績のウィザードマテリアル技術部でございまーす!ITの人とは違いますよ」

司を拉致した人間が正体を現す。


「あ、アリエルちゃん?」


司の目の前にいるアリエルはスナイパーライフルを右手に五本、左に一本所持していた。左手に持ってる方からは司を捕獲したネットがぶら下がっている。


「ふっふっふ。司さん、先輩いいものがあるんですがどうです、欲しくありません?」

アリエルがもったいぶったように言う。


「え、ひょっとして新しい魔導システム出来たの?」


「それは置いといて、これどうです?」

アリエルが右手に持ってるスナイパーライフルを司に差し出す。


「これは?」


「天使、魔法使いでも使えるスナイパーライフル、その名もウィザーズブラスターです!今なら各種弾丸もおまけで付けちゃいます!」

ライフルを弾丸といっしょにダンボールに入れ差し出すアリエル。


「あ、ありがとう。で、魔導システムの方は?」

ダンボールを受け取る司。


「管轄外なんでルシフェルさんに聞いて下さい」

一刀両断するアリエル。


「ええ……」


「といっても、そもそも美羽羅さんも李梨花さんのデバイス直してたせいで新型の開発なんて全然進んでないのは丸わかりなんですけどね」


「そうなんだ。それじゃあ新型の完成はもう少し後かな」


「まあ取り敢えずはライフルで我慢しといて下さいな」


「まあそいうことならありがたく受け取っておくよ」

別れの挨拶を交わしその場を離れる司。


「頑張って下さいねー」

手を振るアリエル。



ー ー ー ー ー ー



「すいません、遅れました!」

本部のブリーフィングルームに着く司。


「遅いぞ、天城司!緊急招集の放送が聞こえなかったのか!」

どうやら作戦会議は既に始まっていたようで会議を取り仕切っている組織の副総帥、川太郎に怒られてしまう。他の人も見てる手前か普段優しく接している司に対しても厳しい。


「すいません、ちょっとトラップカードを発動されてしまって……」

意味不明な言い訳をする司。


「会議は既に始まっている、座れ」

川太郎に促され席に着く司。


「おいおい、どうした司さんよー。遅刻とは情けないねー」

隣に座っている沙紀絵にからかわれてしまう。


「てかそのダンボールなによ?」

沙紀絵の二つ隣の席にいる李梨花が司の持っているダンボールに目をつける。


「アリエルちゃんから貰った新しい武器だよ。僕達でも使えるようになってるてさ」


「へー、流石は天界から来た天使ってだけあるわね」

美羽羅が感心したように言う。


「じゃあ今回の作戦から使えるね」

彩音の意見。


「そうだね、ちょっと提案してみるよ」


「魔王院ありさはこのまま行けばあと一時間ほどで魔獣と鉢合わせします、理由は不明ですが戦闘になることは間違いありません」

進行役の佳代子が詳細を説明する。


「作戦はこうです、魔王院ありさが魔獣と戦闘を行っている間に現場に到着、部隊を彼女の周囲に配置、包囲した状態から遠距離狙撃で一気に叩きます。なお、この作戦では魔法使いと天使は不足の事態に備え作戦に同行してもらいます」


「データから分かる通り魔王院ありさは通常の比ではない魔力を放出しているため戦闘力もかなりのものと思われる。放置すれば我々の任務に支障をきたす恐れがあり危険だ。奴が魔獣に気を取られてる隙に一気に叩く!」


川太郎が力説し激を飛ばす。


「あ、ライフルのこと言い損ねたや」

司がぼそりと呟く。


「ま、出動する時言えばいいわよ 」

と李梨花。


「そうするよ」

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