二百五十三話 魔導奏者カスタム対イービルクイーン
「そのゲーム、わたし達も混ぜてくれない?」
後ろから声がして振り返る。
「彩音ちゃん!」
「サキちゃんにリリー、奈々子ちゃんも!」
そこには魔法使い用の高速移動マシン、ウイニングブースターに乗った魔法使いの仲間達がいた。海浦姉妹はどこ行ったんだろう。
「俺達もいるぜ」
ウイニングブースターの後ろから豊太郎、悠、さなえが降りてきて、彩音ちゃん達がそれに続く。
「ねえ、美羽羅さんと美海ちゃんは?」
「美羽羅さんがちょっとやばくてな、あの二人は来れなくなっちまった」
僕の質問に二人と一緒にいた豊太郎が答えた。
「ふん、多少手数が足らなくても関係ない。ここからが本物の戦いだ。覚悟はいいかお前達」
悠がみんなを鼓舞する。
「当然!」
「死ぬ気で行ってやるぜ!」
「あの異物が行くのは冥府ではなく塵芥の概念よ」
「魔法使いとしての一世一大の戦い、見せてあげるわ!」
「俺達にとってはこいつを倒してからが本番だけどな」
「今、わたし達の冒険を始める」
悠、豊太郎、さなえがMギアを構える。
『レオパルド、ヴァーミリオンドラゴン、ガルム、召喚!』
ウイニングブースターで運ぶためにMギアに仕舞われてた三体のモンスターが出てくる。
さっきまでイービルクイーンと一緒だった僕達四人、彩音ちゃんと沙希絵さん、梨李香さん、奈々子ちゃん、悠、豊太郎、さなえの全11人によるクイーンとの戦いが始まる。
「役者は揃ったというわけか。いいぞ、まとめて相手してやろう」
「はぁっ!」
梨李香さんがサメの口から巨大なエネルギー弾を連続で発射する。
「無駄無駄無駄っ!」
クイーンが腕を振るって梨李香さんの攻撃を軽くはじく。梨李香さんの攻撃はかなりの魔力のはず、それでも弾くなんてやっぱりクイーンは強い。
梨李香さんは追撃にクイーンに接近して切りかかる。
「龍炎爆炎斬!」
沙希絵さんも梨李香さんと一緒に大剣に炎をまとわせて振るう。
「なにっ!」
クイーンが意表を突かれたような顔をして腕で二人の攻撃を防ぐ。
「ほう、思ったより動きが速いではないか…………」
クイーンのやつ、自分が押されてるのに笑ってるよ。いや、あいつの場合押されてるなんてのは間違いなんだけど押されてるのを楽しんでるようにしか見えない笑顔だねあれは。
「速いだけじゃ………」
「ねえんだよ!」
梨李香さんと沙希絵さんの武器に込められた魔力が増える。
「ほう、頑張るな。だが無意味だ」
けどクイーンの腕の魔力も上がって槍の形になる。
「沙希絵!」
梨李香さんが叫ぶ。
「分かってる!」
沙希絵さんが梨李香さんの意図を察する。
クイーンの魔力をまとった槍が動く前に二人が後退する。
「はっ」
奈々子ちゃんがチャクラムから太いビームを発射してクイーンにぶつける。
「ちいっ、今度は次の攻撃か!」
クイーンが苦しむ、クイーンはパワーアップしてるけど少しは効いてるのかな。
「はあっ」
今度は彩音ちゃんが背中のレールガンを発射してクイーンを怯ませる。
「必殺!マジカルファンタジックラブ!」
絵里香ちゃんが杖をかざして巨大なハートを出現させた。
「使わせてもらうよ!」
僕は絵里香ちゃんのハート目掛けて矢を発射した。
ピキーン!
「ぐ、ぐあああああ!」
ハートが割れて破片がクイーンに降り注いだ。
ガッ、ガッ、ガッ!
今回もお読みいただきありがとうございます。よかったらブックマークや評価お願いします




