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魔導奏者りりかさん  作者: 兵郎
二十章 骸骨は魂を食らう
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二百三十話 骸骨事件の情報を知る者




司side


「ようお前ら、元気か」


アマツカと買い物に行く途中葉山警部に会った、彼は警視庁の一課で長く働いてる人で僕とアマツカが同じ体使ってる時からの知り合いなんだ。彼が魔獣事件を追ってて僕達も魔獣を退治してたてのが重なって目をつけられたのが彼と知り合う原因なんだ。この前のヤクザの抗争や人食いの占い館の時も事件の後で何か関わってるだろて言いがかりつけられて説明する羽目になったんだよね、実際関わってたけど。


「ちょっと積もる話あるんだがそこの茶屋で1杯行きながらいいか?」


葉山警部が僕に肩をおいて言った。


「はあ………」


どうせ僕には選択肢なんかないんだ、行くしかない。因みに茶屋というのは喫茶店の隠喩じゃなくて本当に茶屋ってお店ののれんに書いてあるんだ。いつもは茶屋という名のレストランとかカフェなんだけど。



「で、これなんだが………」


茶屋で宇治抹茶を飲みながら葉山警部が一枚の写真出してきた。


「これは…………骸骨?」


影で遠くから撮ったからかあんま姿が分かんないけど骸骨みたいなのが映っていた。


「なんだこれは」


「ここんとこ多発してる連続変死事件の犯人さ」


「連続変死事件?」


「なんだそれは」


聞いたことない話だ。


葉山警部がさらに写真を見せる。話によると最近仮面舞踏会に行くみたいな派手な服を着た人の変死体が増えてるんだとか。写真の人は宝石つきのアクセサリーとかローブやマントを付けてて魔法使いみたい。


みんな衣服に損傷はないけど体にあざがいくつかあるんだけど致命傷がないんだって。顔を見るとみんな生気を失ったような目をしてる。うぇ、人間の死体てこんな顔してるんだ。刑事ドラマで人間の死体が出ることはあるけどあれはドラマで本物の死体とはやっぱり雰囲気が違う。



葉山警部達は同じような変死体が多いことから同一犯と見て変死体が出た周辺をたくさんの人員を使って見張っていたんだけどそこで見っけたのがあの怪物なんだって。


見つけた人達は写真を撮って怪物を捕まえようとしたけど逆に失敗して襲われそうになったとか。


その時に怪物が言った言葉が

「オマエタチ、アンマリウマソウジャナイ」



「ウマソウ、ですか」


「ああ、こんなこと言うなんてまるであいつ人間を食べるみてえじゃねえか。お前さんはどう思うよ?」


そう言って葉山警部がタバコをくわえる。


「葉山警部、ここ禁煙です」


「チッ、世知辛いなーまったく。で、何の話だっけ?」


「怪物がウマソウだなって言った話です」


「あーそれだそれ。で、どうなんだ、この怪物はいったい何者だと思う?」


僕は最初の写真をもう一度見てみる。白い骸骨にあばら骨と目の赤い光、もしかして魔獣?いや魔獣なら組織が動いてるし言葉なんて喋らないし、うーん…………。


「少なくともまともな人間ではないのは明らかだな、人骨の仮装などして人間を捕食するなどと言う人間がいたら相当狂ったやつに違いない」


アマツカが言う。


「だな。何かあったら連絡くれ、助けになれるかもしれん」


葉山警部はそう言って僕達に写真を渡すと伝票を持って行った。


「それやるよ、写真はコピーだから気にすんな」





茶屋を出て少しすると鬼道京之助がいた。なんかすっごい肩が重そう。何か悪いことでもあったのかな。


声をかけてみよう。


「おーい、ちょっと」


「ああ、君たちか」



僕とアマツカはまた茶屋に入って彼の話を聞くことになった。


「実は最近妙な商売敵が出ててな………」


鬼道京之助が写真を出す。


それを見た僕達は驚いた。そこには目とあばら骨の奥に赤い光のある骸骨がいた。


「さっきと同じ写真………」


しかもさっきのよりくっきりしてるし距離も大分近い。あ、思い出した、こいつマカイターミナルで見たことある。同じやつかは分かんないけど。


「さっき?」


「ああいや、別の人から同じような写真を見せられたんだよね」


「変わった知り合いだな、流石は魔獣狩りの天使というべきか」


「こいつは魔法使いを専門に狙う人ならざらるものと言うべきか。我々が魔導ユニットを売った相手が次々と殺されてな、流石に客に商品を売った後でその客に死なれては目覚めが悪い。そこでアフターサービスとして調査を始めたんだがこれが難航してな。なにしろやつからは魔力が出ない、魔力が出なければ探知が難しい。なんとか見つけたが組織の組員が何人かやられた。残ったのは写真と彼らが通信越しに言った食われる、食べないでくれという言葉だった」



「じゃあこの派手な衣装は魔法使いの…………」


話を聞き終えた僕は葉山警部にもらっ写真から被害者を写したものを出した。


「なぜそんなものを、まるで警察が検死したかのような………」


彼は写真に驚いたような顔をする。


「実は僕警察の人と知り合いで骸骨の写真と一緒に色々くれたんだよね、向こうからしたら僕にも調べてくれって意味だろうけど」


「警察関係者と知り合いとは、魔獣狩りもそこまで行くとすごいな」


悪の組織の人に関心されてもな。むしろこの人達は犯罪者の人達と繋がってそうだし。


「それでその怪物は人間を食うのか?」


アマツカが言う。


「食う、という表現で合ってるかは分からないが死んだ人間からは魔力が全く感じられなかった。おそらくやつは魔力や人間の生命エネルギーを吸うことが出来ると見て間違いない」


「魔力が出ないて言ってたけどそいつ魔獣じゃないの?」


「魔獣ではないな。それに魔力が出ない怪物なら君たちの知っているやつの仲間なんじゃないか?」


ヴァミラ達のことか。


「同じ世界から来たって意味なら間違いなさそうだね。多分僕が知ってるやつと同じ種類かな」


「ならお前達の方がやりやすいだろう、やってくれるか?」


「は?」


「どういう意味だ?」


僕達は鬼道の言ってる意味が分からない。


「こいつの始末、君たちなら出来るだろ?まさか天使のお前達が人が死んでるのに知らんぷりなどしないだろうからな」


「いや、君たちも組織なんだから自分らでやれるでしょ」


「お前達の尻拭いをやる気はないぞ」


僕達は抗議する。


「別にお前達に全てを任せようとは思わんさ。ただそれを知れば君たちが動くと思ってな。じゃ、俺はもう行くぞ」


そう言って鬼道京之助は伝票を持ってレジの方に行った。

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