二百話 ピエロッサクラウンの絵②
とにかく、こんなものがあったてことは何かあるよね絶対。
「ちょっとでかけよっかアマツカ」
「ああ」
僕達は部屋の出口に向かう。
「お、おい、どこ行く気だ」
雨生くんが呼びとめるけどしーらないと、どうせ言ったって信じないもんね。
「つっかーさくーん、遊びっまーしょ」
絵里香ちゃんが氷菓ちゃんと一緒に部屋にやってきた。
「ごめんよ、ちょっとどいてねー」
絵里香ちゃん達に道を開けてもらい外に出る。
「司くん?」
あっけに取られる絵里香ちゃん。悪いね、今は遊んでる場合じゃないんだ。
「司、どこ行くんだよ」
悠と豊太郎に廊下に会った。この二人も僕に会いに来たのかな。まあいいや、話は後。
隣の部屋に入る、ここは豊太郎と悠の部屋だね。
「おはよー、ツカサー」
ヴァミラが挨拶してきた。
「今は夜だよヴァミラ」
「うん、そうだねー」
相変わらず呑気だねヴァミラは。
「ねえ、司くーん、遊そぼうよー」
「逃げんなし司」
絵里香ちゃんと氷菓ちゃんがついてきた。
「て、俺達の部屋じゃねえかここ」
「こっちに行きたいならそう言えばいいだろう」
豊太郎と悠も来た。
「あったぞ、司」
アマツカが壁の指差す。あった、壁に絵がある。僕達の部屋のとは絵が違う。あっちはピエロだけどこっちは武器がたくさんありそうなロボットの姿をしていた、あごが人の顔だからサイボーグかな?
「その絵がどうかしたのか?」
レオパルドが言う。
「悠、ちょっと僕の部屋の方見てきたら?」
「え?」
「いいから」
「はあ………」
僕は悠を送り出す。
「五十嵐くんがどうかしたの?」
絵里香ちゃんが聞いてきた。
「僕達も一旦戻ろう、見れば分かるよ」
僕はみんなと一緒に自分の部屋に戻る。
部屋に戻ると悠がピエロの絵で固まっていた。やっぱりだ。
「なんでこいつが………」
「五十嵐くん…………?」
「ピエロ……?」
絵里香ちゃんと豊太郎が悠の言葉に首をかしげる。
「なんでこいつの絵がこんなとこにあるんだ!答えろ!」
悠が僕に詰め寄る。
「落ち着け五十嵐、なにがあった」
雨生くんが悠をなだめる。
「お前には関係ない」
突っぱねる悠。
「関係なくないよ、わたし達友達じゃん!何か悩みがあるなら話してよ!」
絵里香ちゃんが言う。
「言ったところでお前では解決出来んだろ」
悠が反論する。
「ぶー、なんかむかつくー 」
ほおを膨らませる絵里香ちゃんはちょっと可愛い、いやいやそんなこと考えてる場合じゃない。
「悠、絵里香ちゃんはもろそれの関係者だと思うよ」
僕が口を開いた。
「なに?」
「だってMギア持ってるし」
「だがこれは………」
悠は俺の問題だとか言おうしたんだろうけどちょっと遮らせてもらうよ。
「悠はつい最近妹の遥香ちゃんを連れ去られたらしいんだよね。それもピエロの怪物に」
「おい司」
悠が文句言うけどしーらない、続けるよ。
「で、そのピエロはどうも異世界から来たらしいんだよね。そのピエロの絵がここにあって魔界の字があったから見せてみたらドンピシャてわけ」
説明終わり。
「もしかして前に五十嵐くんが何日か部活休んでた時あったけどそれって………」
絵里香ちゃんが口を開く。絵里香ちゃんにしてはなんか空気が重くなる言い方だ。
「言っただろう、お前には関係ないと」
強情な悠。
「でも、でも………」
絵里香ちゃんはなにか言い返そうとするけど出来ないでいた。
「悠、悪いけどこれは君だけの問題じゃない、僕達Mギアチルドレンの問題だ」
僕は悠に言った。
「どういう意味だよ」
豊太郎が反応する。
「そもそもヴァミラ達はなんのためにこの世界に来たんだっけ」
僕は質問を投げかける。
「魔界からの危機をどうにかするため?」
お、 分かってんじゃん。
「で、遥香ちゃんをさらったのも魔界の人、てことは……」
ここまで言えば分かるよね?
「こいつは俺達の敵ってことか!」
僕の言葉を完全に理解した豊太郎。
「そう、そういうこと。このピエロが遥香ちゃんをさらってどうするか、どうこっちの世界に危機をもたらすかは分かんないけど気をつけた方が確かだよね」
「ふん」
いまいち納得してない悠、そこは納得して欲しいんだけどなぁ。




